【読書感想文】「白いお城と花咲く野原」 見田宗介
こんな可愛らしいタイトルに反して、1980年代の朝日新聞に出ていた書評をまとめた本である。大学の課題の一環として読んでいた学術書がいつの間にか日常を侵食するようになり、その過程で「思想」や「歴史評論」等の日本語雑誌を読むことに抵抗が無くなったと同時に、日本の哲学というもののを知らなかったことを強く意識した。それは政治哲学をざっくりさらったときに感じる欧州における全体主義への反省のようなものすらも、私は日本に対して持っていないということで、同時に日本の大学で政治学をやっていたら