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3月26日 富士山は山梨?静岡??。

山梨へ行ってきた。

毎年何度か山梨へ行くが、大変良い街ですっかり好きになった。

山梨や静岡の皆様には常識なのかもしれないが、神戸生まれ神戸育ち、名古屋勤務が長い身としては、富士山とはそもそもどちらの県のものか、という問題があることを知って興味深かった。

とにかく静岡の有利な点といえば、新幹線から富士山がよく見えることだろう。山梨県側から富士山を眺める人の数よりも、新幹線にて富士山を眺める人が断然多いことは推定できる。外国の皆さんも多いことだろう。

私もたぶん新幹線で富士山をみたのが生まれて初めてであり、ああ、富士山とは静岡県にあるのか、と長らく思ってきた。

だが山梨県に初めて行って、山梨がわから富士山にアクセスしたり、眺めていたりすると、これはなかなかすんばらしい景色ではないか、と詠嘆することになる。

主要駅でも似たような問題がある。私が初めて名古屋に行って面白く思ったのは、駅裏、という表現があり、ビックカメラのある側(今は駅の両方にあるので、古いほうのビックカメラ)が駅裏であり、イマイチあか抜けておらず、淫靡なエリアや予備校が立ち並ぶ、いわば名古屋駅のダークサイドといっていいのではにか、という勝手な印象を持った。

その後観察していると、「駅裏という表現は差別的なので、言わないようにしましょう」とか言われていることに気づいた。これは例えば「裏日本」という表現や、「日本海と呼ぶかどうか問題」といったようなややこしい問題と地続きな問題であるといえるだろう。

似たような表現でこれも名古屋地区近鉄沿線あたりで採集した標語だが、「三重は関西」というステッカーがどこぞの駅で貼られていて興味深く感じた。

関西語話者としては、語尾の些細な変化以外のイントネーションは、三重県の多くの皆さんは関西語話圏であると認識している。一方で経済、つまり働く場所という意味では、多くの皆さんが近鉄などに乗って名古屋地区に働きに来ていることに気づいた。

私は近鉄沿線愛知県に住んでいるが、近鉄にのると半分くらいは故郷にいるような感じもあり、なんとなくほっとしてきた。

たぶん県のくくりとしては、主に経済圏という意味で三重県は中部圏とされているのだと思う。で、主に言葉やメンタリティの面で、「中部圏にいれんといてくれや」という皆さんが一定数いらっしゃるのだ、ということが、そのステッカーから垣間見えて興味深かったのだ。

かように、居住区の問題はややこしい。いわば「小さな国境問題」であり、「この自然・文化資産はわがものである」というような所有意識が生み出すコンフリクトなのであろう。

まあ、どちらでもええやんか、というのは部外者の気楽で責任感のない意見であり、当事者にはもってのほかの意見であろう。

だが山梨からの富士の素晴らしさを見るにつけ、この風景はわが県のもの、と誇り排除したくなる自然な心の動きもまた、理解できるように思うのであった。

(新東名を使いましたが、トンネルが多く、雪に強いですね)


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