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「自分の身は自分で守る」ための備え

トルコ大地震の死者が5万人との報道がありました。


日本は地震大国ですから、今後日本でも起きないとも限りません。
富士山の噴火だって、歴史的なサイクルからすれば起こる可能性は
充分にあります。


知識がないと助からない

京都大学での最終講義の中で「知識は力なり」ということを繰り返し伝えているのが、京都大学名誉教授の鎌田浩毅(かまた・ひろき)先生です。



京都大学 2020年度退職教員最終講義  2021年3月10日
鎌田 浩毅 (人間・環境学研究科 教授)
「地震・噴火・温暖化は今後どうなるか?」



私は鎌田先生の講義を聞いて「あ、防災が手薄になっていた」と反省しました。医療問題、食料問題に気を取られ過ぎていました。




電気がストップすると・・・? 水道・ガスが無いとどうなるのか? 

そもそも、どの程度で復旧するのか?

ライフラインが全て止まった時にどうするか?


最悪の状況がどんなものか想像してみる。
便利に暮らしているとイメージしづらいですね。
真剣に考えて、備えをしてしっかり対策をとらねば。


阪神淡路大震災では、人々は「関西に地震が来ないと思っていた・・・」
研究者の警告が伝わっていなかったのです。



だからこそこの講義からは、
あらゆる手段で伝えようという圧倒的な意気込みが感じられます。



自然災害は誰のせいにもできません。人間側がコントロールできない問題。
でも常日頃、自分達で備えをしていたかで生存確率は違ってきます。



日本で20年以内に予想される3つの大きな災害


南海トラフ巨大地震
首都直下地震
富士山の噴火


2030〜2040年の間に必ず起きる 南海トラフ地震

まず、南海トラフ巨大地震。

これは2035年からプラスマイナス5年、つまり2030〜2040年の間に
必ず起きる
と言っていいでしょう。

鎌田先生

ひと言で言うならその規模は、2011年に起きた東日本大震災の10倍
日本の経済も社会も壊滅的になる可能性がある。
静岡県から宮崎県まで(太平洋ベルト地帯)で震度7の地震です。
津波の最大の高さは34メートル。しかも2~3分で津波が襲ってくる。

東日本大震災の経済損失は20兆円と言われていますが、南海トラフ地震では220兆円以上、死者も32万人(東日本大震災は行方不明者含む約2万人)を超えると予測されています。
つまりざっくり東日本大震災よりも一桁大きい!!
ただ、この計算も甘いと指摘する人もいて、1410兆円という試算もある。


先生は、必ず起きると言っていいでしょうと断言しています。通常科学者は「必ず」とか「絶対」とは言わないものです。だけど地球科学という大きなスケールで見れば、必ず起きると思っていて間違いないでしょう。注意喚起という点からも想定しておくべき災害です。


首都直下地震

『東日本大震災の余震』と言われる直下型地震が増えているのは、ひずみを解消しようとする動きです。M8クラスの地震(余震)がこの先まだ起きるかもしれません。


首都直下地震が起きるタイミングが明確には分かりません。しかしいつ起きてもおかしくない。M7.3と想定されています。


同じようなエネルギーの地震でも、首都の直下で起きれば、
被害は10倍・100倍となります。95兆円の被害予想です。
古い家屋、木造密集地域の火災による被害が想定され、問題は山積です。



富士山噴火

富士山は、見た目はきれいですが火山です!
たまっているマグマの量から単純計算すると、噴火の規模は宝永大噴火の
1.5倍くらいと考えられるそうです。300年噴火していないのでマグマだまりがパンパンになっている。



富士山が噴火した場合、火山灰が舞うことになります。宝永大噴火の際には、江戸に5センチメートル、横浜で10センチメートルもの火山灰が降り積もったとされています。


ガラスの破片と同じ物質である火山灰は、目・のど・呼吸器に入れば健康に大きな影響を及ぼします。通信機能もダウン。電車や車も走ることができなくなる、下水を詰まらせる、ライフライン全てが停止し都市機能そのものが失われる可能性があるのです。



知ること・備えること

来るとわかっている。でも何となく気にしていない危機。それが自然災害。
先生は、繰り返し一人一人の備えの重要性を訴えます。



地震に向けての備蓄は必須
一人一人が備え、行動できるか


国や自治体まかせにしないこと。
実際の生死を分けるのは知ることと備えること。
一人一人が備え、行動できるかにかかっている。


「知識は力なり」その言葉のとおり、私たちに必要なのは正しい知識。



大災害に遭遇した時に、何がどうなるか見当もつかない。正しい知識をもとにし、それを活かした行動をすること。出来るだけの備えをしておけば、
どんな大変な困難に遭っても、きっと命を守ることが出来るし明るい方へとつなげられるますね。


最低でも1~2週間分の水と食料、衣料品、簡易トイレを備蓄する

マスク、ゴーグル、レインコートなどで火山灰対策を



本当に観て良かった 

この講義は、薄れかけている防災意識を確実に届けてくれました。
多くの人に伝えるために、話し方、言葉づかい、ファッションの力も使って、イキイキとわかりやすく時には脱線しながらも熱心に語られる姿が
本当に印象的でした。


本来であれば京大でしか聞けない講義。
もっと聴いてみたい!と思える内容でした。

ちなみに鎌田先生は普段、ペットボトルの水・チョコレート・ペンライトを持ち歩いていると聞いたことがあります。



「そうか、ペンライトは気が付かなかった!」
私も早速用意しました。


「知識は力なり」

自分の命を守るために今からできる備えをしよう。
一人一人が正しい知識を身に付けよう。行動することが命を守ります。


お読みいただいてありがとうございます。😊


鎌田浩毅 先生 
京都大学名誉教授・京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授。1955年生まれ。筑波大学附属駒場高校・東京大学理学部地学科卒業後、通産省を経て1997年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授に着任。


記事がお役に立てれば嬉しいです。自然こそ私たちのお手本。自然や周りの人を大切にする日本の心を取り戻したい。サポート大歓迎。