見出し画像

mariage

ペンダントや花をくれないかわりに言葉と安心をくれる人と共にいることを、私に選ばせてくれたこと、そのことがただありがたい。

私たちはどこまでも守られているから、守って欲しいとか、守ってあげるとか、そんな軽度な約束は要らなくて、
与えられた日々の暮らしと諸々の契約にたいして、まっすぐ見つめあって手を動かすことに気持ちを注ごう。

大切にする/される義務を背負うことは、かなりの愛と覚悟が必要で、その分ちゃんと姿勢を正せられる。
大切にする/される権利があるということは、それだけでかなり心が生きやすくなる。

私たちはこの世界に生きている限り、何かのためになっていることを求められて、それは孤独でないということでもあるけれど、ずっとさみしいことでもある。

夏が近づいて聞こえる虫の羽音、上司から聞いたうんちく、洗濯物の柔らかさ、キムチの酸味の度合い、
そんな、何のためにもならない話を、もっとこれからたくさんあなたに話せる時間ができると思うと嬉しくなる。たくさん嬉しがって良いことも嬉しい。

たくさん疑わせてね、過度に信頼させてね、重たいことを言わせてね、軽々と愛をささやかせてね、真面目に受け止めすぎるとしんどいし受け止めるフリだけしててね、うんと言わずともそうさせてもらうけど。だから、あなたもあり得ないほど好きなように生きてね。

だんだん運命だと思うことが減っていっても、ちゃんと騙されてときめきたい。
呆れることがあっても、諦めないでいたい。
運命でなくてもいいとすら思えるほど美しい人生を二人で歩かせてほしいと、いつくしみ深きを歌いながら願った。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?