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『平安文学とマンガ』ちはやふる*うた恋い

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平安文学関係の本やマンガの感想。 よんだものが繋がってく面白さを綴っていきたいです。
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2019年10月の記事一覧

『ウラ日本文学』を読みながら思い返す『ちはやふる』と『うた恋い。』の場面など

『ウラ日本文学』を読みながら思い返す『ちはやふる』と『うた恋い。』の場面など



「紀貫之だったかな?」という『ちはやふる』奏ちゃんのセリフ。

ー古今和歌集はその序文で、和歌を詠むことは特別な才能ではない、と宣言しています。

花のもとで鳴く鶯や水に住む蛙の声を聞くと、どんな生き物でも和歌を詠むものである

古今和歌集の編者は紀貫之、奏ちゃんが言ってるのは、つまりこの序文のことだったのか!?

これに続く鎌倉時代の話も面白い。
鶯の鳴き声が「ショヨウマイチョウライ、フソウ

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「たち」札の在原行平と『ちはやふる』の真島太一。天徳内裏歌合の「しの」と「こい」

「たち」札の在原行平と『ちはやふる』の真島太一。天徳内裏歌合の「しの」と「こい」

注⚠️書きたいように書いてるので、『ちはやふる』のネタバレには全く配慮していません‼️
むしろ読んでる前提で書いてます‼️あしからず‼️

『ちはやふる』の主人公「綾瀬千早」と共にカルタ部を作り、彼女を支える幼なじみ「真島太一」の名の由来は、

たちわかれ いなばの山の 峰におふる まつとし聞かば いま帰りこむ

(いま別れて、いなばの国へ行くにしても、稲葉山の峰に生えている松のように、待っている

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『うた恋い。』を入り口に『伊勢物語』を妄想過多に読む🍁「ちはやぶる」と「つくばねの」

『うた恋い。』を入り口に『伊勢物語』を妄想過多に読む🍁「ちはやぶる」と「つくばねの」

伊勢物語の三段から六段にかけては、在原業平と二条の后・高子の恋物語だというのはもう既存の事実扱いでいいでしょう。さて、業平はなぜ、わざわざそんな危険な恋をしたのか?

伊勢物語を読み進めてくと、主人公が「男」とボカしてあるわりに、ハッキリと名前が出てくる人がいます。まず一人目は「紀有常」、業平はこの人の娘を妻にもらっていて、仲が良いようです。

二人目は「惟喬親王」、有常の妹、静子が文徳天皇の更衣

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『あしひきの山』いつの間にか小説を書いていたよ?

『あしひきの山』いつの間にか小説を書いていたよ?

マンガ『ちはやふる』が好きなお友達と、Twitterで二次創作ゴッコをしていたら、いつの間にか小説を書いていた。pixivに上げてあるので、よかったら読んでね。

あしひきのやま | 麻々帆 #pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11820909

で、以下、小説になったいきさつや詳しい小ネタなど。

きっかけは、マンガのキャラクターを和歌の

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