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好き空間の共通項

こんにちは
今静岡に帰省しているまるりです

昨日、ママと静岡のお街を散歩している時に、とっても素敵なカフェを見つけました

こちら、オールド上海CAFE1930さんです

ムシムシした気候の昨日
喉を潤したかった私たちは、街に出ていた看板の雰囲気に惹かれて、オールド上海CAFE1930に吸い込まれていきました

寒々とした階段を上り、恐る恐る扉を開けると、そこには上海の1930年代の空気が流れています
私は上海の1930年代については全くの無知ですが、確かに上海の1930年代の空気なのです

この空間によく似合う、温かい雰囲気のマスターがお迎えしてくれました
営業はティータイムのみで、飲み物とデザートと軽食を提供してくれるようです

扉に近い、1人がけの重厚なソファが向かい合うお席に腰を下ろします
私はマンゴープリンを、ママは自家製レモネードをチョイス

この日は私たちの他にお客さんはいなかったので、注文のお品を待つ間、マスターに許可をとって店内を物色させてもらいました

みてください
上海の1930年代の空気でしょう
この写真から伝わると思います
ものすごくこだわり抜かれた店内だということが

中国風のお店には馴染みがあります
でも、このお店はどこか違う
それは、中国をベースに置きながらも、西洋の風が吹いているからです
例えば、水色のガラスが埋め込まれた広い窓の横に置いてあるチャイナドレスのマネキン
こちらのチャイナドレスには、ヨーロッパ的なバラが散っています
なんてドレッシーでエレガント

英語と漢字が入り混じるポスター、つい耳を近づけてしまう蓄音機、英語のジャズミュージック
1930年代の上海は、東洋のパリと言われ、様々な異国の文化が流入してくる風土の中で、華やかに栄えたそうです
深みのあるカラフルや、細かい彫刻が、時代の豊かさをよく表しています

私とママは、目に映るあらゆるものへの感想を口にしながら、眺めていきました
全てのものが、ここに至るまでの過程のドラマを持っているように感じられました

注文の品の提供までには、少し時間がかかりました
その間、キッチンからはかたかたと何かを作る音がしていました
丁寧に丁寧に作られているようでした

自家製レモネードとマンゴープリンは、赤く丸い布に「福」と書かれたコースターに乗って、ゆっくりと運ばれてきました

午後3時に食べるマンゴープリン
買い物に歩き、少し疲れて甘いものを欲していた体はすぐにマンゴープリンをのみこみます
甘く柔らかくジューシーで、口に入れてすぐに私の体と一体になりました
マンゴーは少し凍ってしゃりしゃり
舌で溶かすと、とろとろと溶けていきます
プリンもとろとろ マンゴーもとろとろ
一緒にたべるととろっとろにマンゴー

ママの自家製レモネードも少し頂きました
大きくいびつな氷がごろごろと入ったレモネードは、ぴきっと冷たく、キュンと酸っぱく、ふわんと甘かったです

おいしいねと言いながらママと微笑みます
こんな魅力的な空間で甘いものを口にしながらお喋りをする時間を、私たちは求めていました
1年のうちほとんどの時間を離れて暮らす私たちには、現実世界と離れている空間での幸せな時間が必要だったのです

ママの静岡の生活、そして私の東京の生活を語り合います
時間をかけて食べ、飲みながら

しばらくすると、何かのきっかけでマスターと私たちは話すようになりました

そこで話したことは、秘密です
それはそれは素敵なものでした

マスターが話してくれたことは秘密ですが、私が話したことを少しだけ書いちゃいます

このお店の中にあるもの、そしてこのお店自体をマスターが大好きだということが伝わります、とお話しました
一つ一つが特別な輝きを放つ個性的なものであり、それらが集合していると不思議に一体感を持ってまとまった魅力を放出してきます
一人の人が好きなものたちって、一つ一つはばらばらでもその全てに似た何かを感じますよね
そんな空間に身を置いていると、愛に包まれているような気分になり、好き!の幸福感が自分の中を満たします

また、私は東京で、色々なものを見て聞いて経験して、その中から自分の好きなものを選びとっていきたいんだ、とも話しました
たくさん摂取することで、自分の好きなものや、自分というものがわかってくる気がするんだ、って
マスターは、私の言葉をしっかりと受け止めてくれたようで、嬉しかったです
私のような若造と向き合ってくれる誠実さに胸を打たれました

お話が山を越えたころ、私たちの食器も空になりました
ごちそうさまをしたところで、新たなお客さんがお店に入ってきました
色々なことが静かにおさまった時に、私たちはお会計をして、マスターにお礼を言ってお店をあとにしました

私たちはビルの外に出て、2階の上海CAFE1930の窓ガラスを振り返り、また来ようね、と言いました
このお店は人に教えたくないお店、とよく言われるそうです
でも、教えちゃう
好き!の空間に身を包んだ時の幸福感を味わえるお店を、私は大切にしていきたいです

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