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日本史授業脚本「38.私擬憲法」

政府の憲法作成が秘密裏に進む中、世間では多くの「私擬憲法」が発表されていきます。しかも自由民権活動家や新聞社などのメディアが発表するのは想像できますが、実際は田舎の先生や学者、旧藩士などの民間人まで。

それぞれの立ち場の人たちが、これからの日本の国家ビジョンを持って最も良い憲法を作りたいと思って発表した憲法案。こういう気概っていいですよね。

もちろん政府が作る憲法にこれらの私擬憲法の内容が反映されることはありません。でも、いろいろな日本の未来像を世間に見せることによって、国民の意識に働きかけることはできます。

その点で言うと、自由民権派が提案する私擬憲法なんて、政府からすると好ましくないものですよね。自由だ、権利だと騒ぎ立てる人たちですから。特に自由党はフランス流の急進的な集団ですから、政府としては抑え込みたいはずです。自由党員の激化事件も多発しますし。

ところが、私擬憲法に関しては政府は取り締まりをせず、もちろん弾圧もしません。中には「抵抗権」とか「革命権」とかまで謳ったものもあったのに、オールフリーですからね。むちゃくちゃ自由じゃないですか。

しかも、実際に完成した「大日本帝国憲法」については、民権派からの反発も出ないというから大したもんですね。

「植木枝盛」「千葉卓三郎」「立志社」「交詢社(福沢諭吉プロデュース)」などが発表した私擬憲法。それぞれの主張とその想いを考えると、憲法がいかに国民的な重要事項かということがわかります。

現在の政治について言えば、「日本国憲法」を「改正する」のか「しないのか」という次元ではなく、「日本」が何を大切にし、どんな未来を目指していくのかという方針をはっきりさせて欲しいと思いますね。

良き伝統を守りつつ、変えるべきところは変えていく「真摯な姿勢」を国会議員のみなさんに持ってもらい、この国の発展と国民の幸せのため、積極的に議論してもらいたいですね。これって「五箇条の御誓文」の精神、ひいては「日本の国体」です。

マスコミも自分たちの利権やプロパガンダではなく、この国の国益を第一に考えて「余計な脚を引っ張らない」でもらいたいです。

今回のテーマは「憲法」を作ることの大切さや、国の未来を真剣に考える姿勢を学ぶことができるものです。「憲法改正」の議論が言われる今、変える変えない以前に、国の未来を思う気持ちをみんなが身につけないといけないことを伝えられるといいですね。

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