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コーヒーについての四〇〇字

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コルシカ珈琲のコーヒー豆について四〇〇字程度の雑文を書いています。 こちらから商品の購入もできます。
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コーヒーについての四〇〇字「ジグソーパズル」

コーヒーについての四〇〇字「ジグソーパズル」

このところ生産処理の話ばかりだったので、コーヒーのクオリティを左右する大きな要素である品種についてもお話しようと思う。

高品質な品種の代表にゲイシャがあるが、起源であるエチオピアだけでなく、パナマやコロンビア、グァテマラなど様々な生産国で栽培されても、その独特なフレーバーとクリーンでエレガントな味わいが楽しめる。

ならばと同じアフリカに起源を品種にも注目が集まり近年、中南米でモカ種やSL28な

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コーヒーについての四〇〇字「奇妙な果実」

コーヒーについての四〇〇字「奇妙な果実」

 アナエロビックファーメンテーションの登場によって、コーヒーの世界は更に広がった。

 もちろんアナエロビックにすれば必ずしもクオリティが向上するわけではないが、優良なコーヒーチェリーを栽培する生産者にとって、新たな生産処理の選択肢が増えることは好ましいことだろうと私は思う。

 コロンビアの名門、サンチュアリオ農園がアナエロビックを応用したとんでもないコーヒーを作り上げた。

 ブラックライムハ

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コーヒーについての四〇〇字「オリジン」

コーヒーについての四〇〇字「オリジン」

むかしむかし、エチオピアの山奥にカルディというヤギ飼いがおりまして、彼が飼っていたヤギが山になっていた木の実を食べたところ、たちまち元気になりそこらじゅうを駆け回りました。

その木の実こそがコーヒーの木で、現在に至るまで人間に愛飲されている、という真偽不明のコーヒーの起源のお話があるのですが、ひとつ確かなのはコーヒーの起源がエチオピアにあるということ。。

ゲイシャやアナエロビックのように品種改

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コーヒーについての四〇〇字「モーニングルーティン」

コーヒーについての四〇〇字「モーニングルーティン」

朝の気温が低くなってくると毎朝のエスプレッソの調整が楽しみになってくる自分がいる。

片方をショットグラスに、もう片方をコーヒーカップに受ける。

ポルタフィルタから粘性を伴った液体が流れ落ち、カップに溜まった液体にはほどよくクレマが浮かぶ。これを見つめているだけでもいくらか幸せな気分に浸れる。

スチームでフォームミルクを作り、コーヒーカップの方に注いでカフェラテを作る。

ラテを作っている間に

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コーヒーについての四〇〇字「偏愛」

コーヒーについての四〇〇字「偏愛」

彼に初めて会ったのは八年前。それは使い古された言葉だが体中に電気が走るような衝撃的な出会いだった。

彼によって私の概念は覆された。

でもそのころの私にはまだ彼のポテンシャルを活かしきれるほどの能力はなかったし、その潜在能力に気づいてやれることもできなかった。

それでも彼は私の中で特別な存在となり、私の歩むべき道に少しずつではあるが導き苦楽をともにしてきた。

私も少しずつではあるが、彼の魅力

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コーヒーについての四〇〇字「カリブレーション」

コーヒーについての四〇〇字「カリブレーション」

開店準備が整うと、すぐにコーヒーが欲しくなる。

お客様より先に店主である自分のためにコーヒーを淹れることに少しばかり後ろめたさを感じつつも、カリブレーションだと自分に言い聞かせて私はエアロプレスを取り出す。

今日のコーヒーはアリピオ・ズニーガ。私の肝入り。

コロンビアのピンクブルボンをアナエロビックで仕上げたユニークなオリジン。

フローラルかつトロピカルなアロマが心地良く、ベリーや柑橘、さ

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コーヒーについての四〇〇字「許容範囲」

コーヒーについての四〇〇字「許容範囲」

一昔前まで生産処理といえばナチュラル、ウォッシュト、ハニー(パルプトナチュラル)ぐらいのものだったが、近年アナエロビックをはじめ様々な生産処理に注目が集まるようになってきた。

 中には発酵の過程で柑橘の果汁や乳酸菌飲料を加えるようなものもあり、どこまでがコーヒーとして許容できるか、という話にあることがあるが、私としてはコーヒーチェリーが適正に育てられた品質の高いものもので、おいしければ何でもオー

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コーヒーについての四〇〇字「次の一口」

コーヒーについての四〇〇字「次の一口」

 コーヒーには色んなタイプがあります。

 例えば本を読んだり書き物をする傍らに置いてゆっくり楽しむもの。スウィーツや食べ物とのペアリングを楽しむもの。一口ひとくちじっくり味わいながら、向き合いながら堪能するもの。

 TPOや、豆のクオリティなどに合わせて選ぶと、コーヒーとともに過ごす時間がより豊かなものになるでしょう。

 今日のコーヒーはぜひ一口ひとくち向き合って堪能していただきたい。

 

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