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「可愛い子には旅をさせよ」は現代病の特効薬?

“港の中にいる船は安全だが、そのために船が造られたのではない。”
ジョン・A・シェッド、 アメリカ人作家

“A ship in a harbor is safe, but it not what ships are built for.”
 -John A. Shedd, American industrialist

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2019年11月22日 シドニーハーバーにて

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こんにちは、MAKOです。

「可愛い子には旅をさせよ」という言葉

世界中をおとづれながら人や環境に触れるライフスタイルを実践する僕にとってこの言葉はとても賛成できるものであるが、

最近は使ったり聞いたりする機会があまりないのではないでしょうか?

僕が最近感じる現代における疑問をはらんでいるので、今回取り上げたいと思います。

「可愛い子には旅をさせよ」

"我が子が可愛いなら、親の元に置いて甘やかすことをせず、世の中の辛さや苦しみを経験させたほうがよいということ。"

大まかにはこのような意味です。

早速ですが、その疑問について、考えていきたいと思います。


現代人の1日の情報量は、江戸時代人の一生分!?

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引用:https://lp.jmapps.ne.jp/ukiyoe/appeal/8/ 
木曾海道六拾九次之内 中津川

唐突な話題かもしれませんが、あなたにとって重要な疑問や問題だと思いますので、続けて読んでいただければと思います。


”5G高速通信時代”に突入した現在では、スマホひとつで世界中の映像や写真などの視覚的な情報が瞬時に飛び込んでくると感じる方は多いのではないでしょうか?に突入した現在では、スマホひとつで世界中の映像や写真などの視覚的な情報が瞬時に飛び込んでくると感じる方は多いのではないでしょうか?

これは、すごく便利になった反面、人間の行動意識にも影響を及ぼしていると感じています。

それではまず、旅と情報について、過去にさかのぼってお話をいたします。

日本では江戸時代に、庶民の旅が解禁され、人々は”旅”をすることによってリアルに新たな情報を手に入れられるようになりました。当時の人たちは自分から自主的に情報を掴みに行動していったことが、多くの浮世絵や随筆などからも観察できます。

しかし、現代では、公共交通やインフラの整備により私たちの行動範囲は広がり、旅をすること自体は便利になり、

さらにスマホからの情報を毎日浴びることで、その場にいなくても体験できる環境が”用意されて”います。

驚くべきことに現代人の1日の情報量は、江戸時代人の一年分!とも言われています。これは物凄い情報量を手にしていることになりますよね!?

当然これだけの情報量を脳が受け付けることはできても、それは”受動的”に入ってきた情報になりがちです。

意識して情報を探しに行くのではなく、勝手に流れてきた広告やほかの人の記事をクリックして、「ながめていたら時間が過ぎていた!」なんて経験はほとんどの方に当てはまるのではないでしょうか?

それを繰り返すことによって人間の脳は一種の”麻痺状態”になるといわれています。考えを深堀できなくなったり、すぐ物事に飽きてしまったり、より別の刺激をもとめるようになるといった状態です。

それらをいまでは”現代病”と表現されることもあります。


旅をすること&脳の関係を探る

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引用: https://linkuptoyo.com/synapticplasticity

まず、脳の記憶回路を構成するうえで最重要なことは、脳の大きさや柔らかさやしわの数ではなく、”神経細胞の接続パターン”をいかに多くするかにかかってきます。

わかりやすくその接続パターンについて説明すると、人の名前を覚えるときに、単に名前だけを覚えるのではなく、その人の容姿や、話した内容、出会った場所を意識しておくことによって思い出せるようになります。

それは脳の構造がネットワークになっているので、記憶回路を構成するときに様々な要素を結びつけることが重要になってくるのです。

逆に人の名前を覚えられないということは、それらの情報が希薄だったり印象に残らなかったといえますので、もし意中の方にアプローチをするときには特に意識することをお勧めいたします!

では、旅における脳の関係はどうでしょうか?

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オーストラリアのど真ん中で世界中の人と叫ぶ、飛ぶ!

一般的には旅をすると「意識して情報を得るようになる!」、「五感を使う!」、「日本には無い文化や人に触れるので刺激的!」などの意見がでてくると思います。

それは、とても良いことですが、さらに良いことは、「思考のフィルター運動」ができるということだと僕は考えています。


旅は「ヘーゲルの弁証法」を繰り返す最適なトレーニング

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何もない灼熱の道路に取り残された!どうする!?

「思考のフィルター運動」について解説したいと思います。

あなたが旅をするとき、それが完全に用意されたツアーでない限り、唐突な出来事や、話題に直面すると思います。

例えば、海外のバーで出会った現地の人から

「日本人はお酒が弱いから駅や道端で酔いつぶれているのだろう?海外じゃ有名な話だぜ!?」と言われたとします。

そこで、あなたが「お酒が弱い強い関係なしに、酔いつぶれても安全に保護されるし、スリもいないから、僕は朝までぐっすり眠っていたこともあるよ」などとジョークをぶつけると、

決まって「おー!なんと素晴らしい国だ!安全に酔っぱらえる国なら自分も早く行ってみたい!」などと好意的に返事をしてくれるでしょう。

このように、相反する意見をディベート的に乗り越えることを「思考のフィルター運動」と呼んでいます。

同じようなことは、もっと学術的に言うと、ドイツの哲学者 ヘーゲル(1770-1831年)が提唱した弁証法となります。

主張(正・テーゼ)に対して対立・矛盾する主張(反・アンチテーゼ)をぶつけ、どちらの主張も切り捨てない高い次元の主張(合・ジンテーゼ)を得る考え方です。

極端に簡単な話をすると、

正:僕は今日はカレーが食べたいのだ!
反:私はうどんが食べたいのだ!
合:ではカレーうどんを食べよう!

といった話ができることである。

特に旅をしていると、このような切り返しを考える機会が普段の生活よりも多くなるのではないでしょうか?
すると無意識的に弁証法的な考えを持つトレーニングがされると思います。

例えばお金のないバックパッカーが、遠くに旅に行きたいと思ったときに、飛行機に乗らずに、ヒッチハイクをする例もそれにあたると思います。

正:お金がないけど旅に出たい!
反:遠くに行くにはお金がかかる!
合:ヒッチハイクをしたらお金をかけずに遠くにいける!


おわりに:現代病の特効薬としての”旅のすすめ”

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エチオピアのゴンダールで子供たちとサッカーで遊んだら
帰り際にお金をせびられてしまった。。。良き思い出!

僕自身が旅をおすすめの理由として、はじめに説明した、脳の”麻痺状態”(考えを深堀できなくなったり、すぐ物事に飽きてしまったり、より刺激をもとめるようになるといった状態)を回避するための特効薬というのをお伝えしました。

それは、ヘーゲルの「弁証法」を以下の図のように見ることができるからです。

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引用:https://www.yuulinux.tokyo/6757/

この繰り返し。

つまり、「 正↔反 → 合 」から生まれたものをまた「 正↔反 → 合 」というように繰り返していくことによって、考えやアイデアが昇華されるからです。

・考えを深堀できなくなる → 考えを深堀するようになる
・物事に飽きる → 物事を関係性を持って考えるので飽きない
・別の刺激をもとめるようになる → その”道”を究めようとする

こんな感じに考え方が変化するようになります。

本日は、旅を脳科学を交えて一味違った切り口でご紹介できたと思います。

このことを意識して旅にでるのと出ないのでは、脳のキレがマリオのスター状態かそうでないかくらい格段に違ってきます。

また、私生活やクリエイティブ活動にも還元されるので、僕の建築デザイン活動にも大変活かさせてもらっています。

ぜひあなた自身の考えを深めるきっかけになる旅をお送りいただければと思います!

最後までご拝読いただきありがとうございました!気軽にコメントしていただけると嬉しいです!

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