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『オクトパスの神秘: 海の賢者は語る』〜タコってやっぱり宇宙人じゃね?

相方が珍しくしきりに薦めるので観てみた。
2021年のアカデミーで長編ドキュメンタリー賞を受賞しているNetflix配信のドキュメンタリー映画。

主人公はエミー賞候補になっている映像作家のクレイグ・フォスターという中年の男性。
南アフリカの海辺に住んでいるクレイグは癒やしを求めて海へ潜るうちに、ある一匹のタコと遭遇し、そのタコ(映画内では彼女と表現)の生態に惹かれ1年間毎日同じ海に潜ることになる。
映画はその1年間のクレイグとタコとのふれあいをとらえた作品だ。
そういう意味では真の主人公は彼女=タコかもしれない。

この映画を評して「タコに恋した男」とも言われているようだが、まさにそのようにも見える。
ちょっとややこしいのだが、最初はこのクレイグ自身が監督のドキュメンタリーかと思っていたのだが、彼はドキュメンタリーの製作者で被写体で、監督はピッパ・エアリックとジェームズ・リードという別の2人に任せている。

さて、映画はそういうことで海中でのクレイグとタコのふれあいが中心になるので、映像のほとんどは海の中である。
映画を観ていて思い出したのは、子供の頃にTVシリーズでやっていたジャック=イブ・クストーのドキュメンタリーだ。
フランスの海洋学者のクストーが海に潜って陸上の動物たちとは全く違う海中の生物たちの生態を見せてくれる当時の大ヒット作品で、毎週楽しみにして見ていた記憶がある。
クストーの海底探検だか海洋探検だかタイトルはおぼろだが、この海洋学者クストーの名前は40年以上経った今でもしっかりと覚えている。
ちなみに、このクストーは海中に潜る時の大切な装備「アクアラング」を発明した人だ。スゴい人なんである。


まぁ、とにかくその子供時代にしっかりと焼き付いている「海ってスゲー!」という記憶を思い起こさせてくれるくらい、このタコの生態を巡る南アフリカの海中の映像は素晴らしい。

そして、もう1人(いや一匹か)の主役のタコがとにかくスゴい。
タコってこんなんだったんだ!
という驚きばかり。

タコが足で歩くって知ってました?

皮膚が柔らかくぐにゃぐにゃそうなタコが甲殻類のエビ・カニを捕獲してバリバリ食っちゃうって知ってました?

貝を食べる時は、ピンポイントで貝殻に針のようなものを刺して毒を注入するって知ってました?

天敵のサメがやってくると岩場に身を隠してじっとやり過ごすって知ってました?

タコは自分の足(手?)を1本食わせて、その隙に逃げるとは話には聞いてたけれど、実際サメに食いちぎられた足は何日かじっとしていると再生するって知ってました?

とにかく頭がいいんです。タコ。

しかも、しかもですよ、
毎朝自分のテリトリーの海にやってくる人間を覚えて、警戒心が解けた頃、自分から人間に足(手?)を伸ばして接触してくるって知ってました?

まるで ETのようなそのシーン。
まさに人間とタコのファーストコンタクトみたいな。

犬や猫なみの知能を持っていると言われているそうなんですが、いやそれより賢いかもしれない。

僕はこの映画を観て確信しましたよ。
タコはゼッタイに太古の昔に地球にやってきた宇宙人の子孫だって。
火星人がタコ型で描かれているのも、全くの作り事ではないかもしれませんよ。

とにかく、今まで知らなかったタコの生態がスゴい。
絶対観た方がいい1本です。

きっとタコに限らず、まだまだ海には未知のことが多いんだと思う。



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