『同い年の妻にこの顛末を話したら』
「だからさぁ、おかしいでしょ?こんなにアタリが出ないなんて」
「そんなもんですよぉ…」
「舐めんなよ!?駄菓子屋のクジだって、こっちは真剣なんだよ!」
「あのですねぇお客様…」
「こっちはいくら懸けたと思ってんの?」
「こちらも商売なものでね…」
「ごちゃごちゃいいからアタリを出せ!消しゴム要らん!ヨーヨーを出せ!」
「ていうかお客さん、駄菓子屋のこと知らんの!?」
「なんだよ、初めてだからってこっちにいちゃもんつけんのかよ!」
「あのねぇお客さん、駄菓子屋のね、クジなんてね…」
「ヨーヨーとか銀玉鉄砲ほしいんだよぉ!」
「あれ、当たらないようにできてんですよ」
「ま、マジ?」
「マジ!はじめっからアタリくじ無しで納品してますんでね」
「…」
脱サラをして
子供のころの駄菓子屋を
再現したかった男の
哀しい瞬間
同い年の妻にこの顛末を話したら
「そりゃそうでしょ、知らなかったの」
との返答
結論
ヨーヨーはふつうに買ったほうが早いし安い