『おまえは物事よくわかってるようで』

俺がバカすぎて

お盆なのに補講になっちゃって

先生ブチキレてる

帰省の予定が台無しとか言って

だったら補講いらんっつったら

もっとキレてて

とりあえずヤバいのが現代文

作者の気持ちどうでもよくね？

補講に来る俺の気持ちと

それに付き合う先生の気持ちのが

遥かに大事じゃね？

って先生に言ったら

おまえは物事よくわかってるようで

でもやっぱりめちゃめちゃバカだって

なんなんだよまったく

同情してやったんだけどな

それが伝わったのかなんなのか

よくわかんないけど

先生がきょうは帰り

クルマで家まで送ってくれるって

そんでラーメンでも食わないかって

いやカネないっつったら

先生奢るからっつって

まぁまぁウマいラーメンでさ

先生はよく仕事帰りに寄るらしい

っていうか先生実は

家に帰りたくないらしい

奥さんとうまくいってなくて

それから娘さんに嫌われてて

お盆に帰省とかほんとは予定ないって

先生ラーメン食いながら泣いてて

なんかめっちゃかわいそうになって

俺がきょうは奢るわっつって

勢いで払ったわけ

で俺の家の前まで送ってくれて

クルマ降りるとき

ごちそうさんって

先生が言うから

いや元気だしなよって

慰めたわけ

そしたら先生さ

おまえは物事よくわかってるようで

でもやっぱりめちゃめちゃバカだって

昼間の補講と同じこと言うの

なんでかと思ったら

家庭で孤立してるの嘘だって

っていうかそもそも独身で

これから彼女に会いにいくって

晩飯代浮いたわサンキュウって

おまえもイイ社会勉強になったなって

なんだよそれ

教師のやることかよ

でもなんだか腹が立たなくて

翌日も無事俺は

先生の補講を受けたって話

ちなみにきょうこそは

ラーメン奢れって言って

駐車場で待ち構えてたら

先生いつのまにか消えてた

やっぱむかつくわ