創部初西東京ベスト4進出、都富士森の野球から考える公立・私立格差問題への解決策
甲子園出場へ立ちはだかる"私立の壁"
自分は小学校1年から高校3年まで12年間野球をしてきた。
東京の公立高校出身で、甲子園出場を目指して週6ペースで練習。
"甲子園出場"
を叶える前に大きな壁が存在する。
それは
"私立高校"の壁。
自分の高校は公立高の中でも比較的恵まれた環境で、他の部活動との兼ね合いでグラウンドを一面使える日も多くあった。
しかし、練習環境に制限のある公立高校は多数存在する。
「だから私立に負けるのは仕方がない。」
私はこの固定観念が好きではない。
なぜなら、公立高校でも上位に食い込むくらい強いところが存在するからだ。
創部初ベスト4、都富士森の"スモールベースボール"
昨年の夏の高校野球、西東京大会。
都立富士森が創部初のベスト4に進出した。
そう、公立高校と私立高校の格差は少しずつ縮まってきている。
ターニングポイントとなった準々決勝。
相手は甲子園出場経験がある日大鶴ヶ丘。
先に結論から言うと、
つなぎの打線、要所でしっかり決める犠打。
スモールベースボールが相手よりも上回った。
富士森は長打でいうと、二塁打1本のみ。対する日大鶴ヶ丘は本塁打を1本放っている。
とにかく打線がつながった。
1発で仕留める打者はいないが、軽打で塁に出て、次のバッターがしっかりバントで送って得点圏にランナーを送る。
もちろんランナーが得点圏にいる方が、相手投手も投げづらい。
徹底したつなぎの野球は日々の練習で培ってきたものなのだろう。
練習試合で試行錯誤を繰り返し、形になってきたのかと。
自分の頃は練習試合でレギュラーをつかむために、自分の成績ばかりにフォーカスしていたな。
だから、大振りになって凡打とか、、
もっと違う角度から考えて打席に立ったら、変わってたのかな。笑
やっぱり、練習試合も何か目的意識を持って臨む必要がある。
これは社会に入っても同じことが言える。高校野球の間にそうした意識づけをすることはとても大切。
バントも限られた環境であっても効率よく練習することはできる。
トスバッティングでも
3塁側に転がそう、1塁側に転がそうと意識改革すれば質は大いに上がる。
チーム内の速い球を投げる選手に投げてもらい、バント練習することも可能だ。
そう、全ては意識改革。
富士森はそこを徹底してきたから、4強へ進出できたのではないかと。
投手では甲斐凪砂くんが10回を投げ抜き、強打の日大鶴ヶ丘打線を4失点で抑えた。
「大きなモーションから右腕を鋭く振り抜く。直球の球速帯は120キロ後半。加えて110キロ台のスライダー、チェンジアップ、100キロ台のカーブ系の変化球を操る右スリークォーター投手。」
↓引用↓
体はそこまで大きくないが、多彩な変化球と制球力で打者を翻弄した。
富士森に限らず、小山台、城東、雪谷、文京、日野、、などなど
甲子園出場へあと一歩のところまで迫る公立高校はこれから増えてくるはず
加速する私立のデータ班導入。公立もデータ分析に注力を
公立高校の甲子園出場のために
先程の意識改革に加え
データ分析も勝ち進む上で鍵になる。
昨年夏の甲子園で優勝した仙台育英
優勝の裏には60人のデータ班が支え、話題となった。
↓引用↓
高校野球界は大きく時代が変化している。
今年の新潟大会では、進学校の長岡が第1シードの帝京長岡をコールドで破った。
勝因は打球方向や投球の傾向などを細かくデータを集め、分析したことが挙げられている。
↓引用↓
私立高校ではデータ班の導入が急速に増えている。
仙台育英の他に甲子園常連の大阪桐蔭、八戸学院光星、國學院栃木、花巻東、明秀日立、盛岡大付らも導入。
公立では滋賀の進学校、膳所高校は2017年に強豪高との差を埋めるべく導入。効果は早速現れ、滋賀県予選準々決勝で近江相手に1対3と善戦した。
データ班の方が県大会の試合をデータ分析。集めたデータをスマートフォンのアプリに落とし込んで、部員内で共有していると言う。
↓引用↓
公立高校にデータ班を設けるとなると、金銭的な問題があるかもしれない。
しかし、私立高校のいいところをマネるのはとても重要。
私立の強豪校がこれだけデータに注力しているのなら、公立も他の高校の分析を簡易的にでもいいから取り入れるべき。
ただ漠然と練習をするのではなく、意識改革して練習に臨み、相手を分析しイメージをして日々の練習をこなす。
野球、いやスポーツ全般にとって大切なことは
「考える」
ことなのかもしれない。
©️豊中市
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