今晩は、小川未明「希望」を朗読しました
「赤い蝋燭と人魚」や「野ばら」に比べると、そんなには知られていないおはなしかもしれませんが、好きな作品です。
主人公の青年の、「人間の一生が、おとぎばなしなのだから」という言葉と、幻想が現実となって眼前にあらわれたシーンの彼のよろこびが、心にのこっています。
生き方を問われているおはなしのような気もします。作中の「黒い箱」を、あなただったら、拾いますか? 拾いませんか?
「拾う勇気があるかの」と青年に声をかける老人は、主人公の本気を試しているのでしょうか…。
物語のなかで、わりと活用しやすいのが、年を重ねた登場人物。いい意味でもわるい意味でも経験値というものがあるので、それを生かして使うといいですね。
1年ほど前に朗読した自身の作品「アイランド」に、私は長老を登場させています。
あわせてお楽しみいただけましたら幸いです。