エルメスのＴシャツは８万円なのにメンズだと４万円になる理由

2020年7月20日 05:30

こんにちは。

牧　菜々子です。

エルメスのお店で買い物をしていると、あることに気がつきます。

それは、レディースのＴシャツは８万円なのに、メンズのＴシャツは４万円だということです。

ポロシャツも、レディースは１０万円以上しますが、メンズは５万円です。

ざっくり、半額。

店員さんに、聞いてみたことがあります。

「メンズのほうが、かなり値段が低いんですね。」

すると、意外な答えが。

「そうなんです。

男性が、洋服に使うお金には、限度がありますから。」

原価や、コストの問題じゃなかった…。

単純に、買う側が「出せそうな金額」で、価格が設定されていたのです。

エルメスのＴシャツが、レディースは８万円なのに、メンズだと４万円になるのは、「出せそうな金額」で価格が設定されているからなのです。

「出せそうな金額」で価格が設定されているから

「男性が、洋服に使うお金には、限度がありますから。」

つまり、エルメスのメンズ服の価格は、男性が出せそうなギリギリの金額に設定されている。

だから、レディース服の価格より、かなり低いのです。

原価やコストの側面から価格設定をしているわけではない。

そう受け取れる発言でした。

ニットでも、レディースは１着３０万円くらいしますが、メンズは、１０万円台が多いです。

約半額です。

そのように価格が設定されているのは、メンズのニットを３０万円にすると、男性は「出せない」からなのです。

ところが、最近は、少し事情が変わってきています。

男性も、嗜好品としてのファッションにお金をかけるようになってきたのです。

ファッションに全くお金をかけない人が大半になった一方で、嗜好品としてのファッションの需要は高まっているのです。

エルメスのメンズアイテムでも、まずは靴から、その傾向が見てとれます。

最高級ブランドのエルメスでは、靴を、ブランドへの入り口になるアイテムと位置付けています。

「まずは、靴から入ってもらう」のです。

だから、靴の価格は、最高級ブランドとは思えないほどお手頃に抑えられていました。

以前は、そうだったのですが…。

それが、近年、靴の価格がじわじわと上がってきているのです。

スニーカーが約１０万円だったのが、１３万円～１６万円になっています。

今、エルメスのメンズシューズで、１０万円以下で買えるスニーカーは、１つもありません。

ファッション好きの男性が、お金をかけるようになってきている。

レディースアイテムとの価格差が、これからもっと小さくなっていく可能性は十分にあります。

そうなると、先ほどの店員さんの発言も、意味合いが変わってきます。

「男性が、洋服に使うお金には、限度がありますから。」

その「限度」が、変わるかもしれないということです。

現に、メンズシューズの価格は、じわじわと上がっています。

ファッションを、まるで嗜好品のように楽しむ男性が、明らかに増えているのです。

ブランド品の価格は、原価やコストだけから決まるものではない。

「出せそうな金額」で決まります。

そして、「出せそうな金額」が変われば、「メンズのＴシャツがレディースの半額」という現状も、変わっていくのかもしれません。