独立8か月で気付いた、独立前に気を付けたいこと
みなさんお久しぶりです!noteの更新も少し休んでいました。ありがたいことに仕事が忙しかったというのもありますが、noteに限らず様々な習慣を停止して色々なものを「味わう」時間を意図的に作っていました。
さて気付くと独立して8か月が経ちました。今思うと、ちょうど一年前くらいが最もメンタル的に苦しかったです。ある程度退路を断って独立にコミットして、いよいよ自分がサラリーマンを辞めるシーンが立体的に見えてきたころですね。
ということで、当時を振り返りながら、「このタイミング、これには気をつけろー!」というものをいくつかピックアップしてみたいと思います。
恐慌状態で迷走する自分自身の思考に気をつける
これは個人の性格にもよるところですが、やはり大きなプレッシャーやストレスを前にすると、健全な思考というのが難しくなってきます。
ストレスホルモンは免疫機能にもダメージがありますので、長期のプレッシャーはフィジカルな体調も押し下げてきます。もちろん感情的にも、「独立」という未知の世界への旅立ちを前にザワザワしてきます。そのザワザワを抑えるために、ドーパミンがドバドバになってテンションが乱高下しているかもしれません。
なんにせよ、そんな身体も感情も状態がよくないときは、思考の質も上がってきません。もちろん独立前ということで資金計画や事業計画など、かなり思考依存なものも取り扱わざるをえないと思います。だからこそ、「自分の思考の打率が高い状態ではない」ということは自覚をしておきたいところです。
ちなみに私なりにその低打率を少し改善するちょっとしたコツは持っています。それは、自分の中にある"賢者"の声を聞くということです。
10数年前ですが、肺炎で40度の高熱が一週間続き、脱水症状を起こして入院したことがありました。解熱剤のインターバルはまた40度まで熱が上がるのですが、氷枕でそれをごまかしながら入院生活を送っていました。
あるとき、ふと頭の置き所が悪く、ちょっと氷枕を外して寝ていました。すると信じられないことに、頭の中で自分が何十人にも分裂をはじめ、各々好き勝手に別々のことをしゃべり始めたのです。驚いて氷枕に頭を戻すと1人に戻り、また試しにもう一回外してみると、また何十人にも分裂しました。(その後抗生物質が効きはじめ、熱が下がり完治しました。)
この変な体験で気付いたのですが、自分が唯一無二の思考だと思っているものは気のせいで、自分の中のごく一部に過ぎないということです。なので意識的に、自分の中にある賢者の声を取りに行くことが大事だと考えています。どんなに難しい状況下でも、数ある自分の中に一人くらいはマトモなヤツがいてもおかしくないわけです。
実際的な私なりのポイントは次の通りです。胸の下の丹田のあたりを意識します。軽く目をつむり、ゆっくりと深呼吸して腹側迷走神経を刺激します。何も考えずに、自分の内側から浮き上がってくる感覚をホールドします。そしてそれをそのまま言語化します。そうすると、従来の思考だけで考えたものよりも、だいぶ打率のよいものが出てきます。難しい選択をしないといけないときは、だいたいこうしています。
クリエイティブな言い訳を自覚する
さてそうは言っても独立へのプレッシャーは日々波状攻撃を仕掛けてきます。そりゃ、未知の世界へ行くんだから気持ちが悪いんです。SNSでマッチョな経営者やフリーランスが「そんなんで腰が引けていたらダメだ!」と言おうが、辛いものは辛いんです。彼らにとってはそれが既知だから大したことがないのであり、私たちにとっては未知だから大したことなのです。
しかしこんな時に問題なのは、この危機に際し自分自身が最高のクリエイティビティを発揮し、コンフォートゾーンに留まるためのあらゆる「合理的な言い訳」を創造するということです。これはとてつもない欺瞞です。
この辺りは研究もあり、「サボター」という言い訳発生装置が私たちの中には存在しています。このサボターの声に支配されないようにすることが大切です。
さて独立などに際して最もよくある内なる声は、「私にはどうせできない」とか、「もし私が退職したら、組織はダメになるかもしれない」というものだと思います。「家族のために〇〇しなきゃいけない」というのもよくありますね。ですがこれは一度距離を置いて冷静に考えたいポイントでもあります。
まず一つの考え方として、「ドラマトライアングル」というものがあります。それはざっくりいうと、「自分が救済者である」とか「私は被害者だ」というストーリーを自分の中で描いてしまい、真実を覆い隠してしまうことが人間には起こり得る・・・ということです。
なんにせよあらゆるクリエイティブな言い訳については距離を置いて吟味し、自分の中にいる賢者の声と合致しているかをしっかり確かめたいところですね。
愛のないアドバイザーを見分ける
さて最後にですが、自分にとって有害な愛のないアドバイザーが何者かを見分けることも重要です。もちろん勇気を持って「耳の痛いこと」を伝えてくれる友人は大切です。しかし、愛のないアドバイザーは有益ではありません。
どのように見分けるべきなのか。まず、条件付きの愛情が提示されている場合、それは即ち愛ではありません。具体の手法で意見の相違があったとしても、あなたの人格をリスペクトする意思のある人の声を聞きましょう。例えば「あなたのために言っている」とか「言われているうちが華だぞ」といった言葉には、操作・支配的な意思を含む場合がままあります。
またあなたの中心を見すえて話されていることなのか、というのも大事です。言葉上は相手を中心にすえているように見せかけることは簡単です。しかし、感情が相手を見すえていない場合があります。例えばその人の中の過去の苦しかった体験が強く想起されている。不安感が強くそれに基づいた発言になっている。何か思惑があって意図的にあなたを操作する必要がある。そういったことはよくあります。人間だもの。しかしこのようなケースと、「耳の痛いことも伝えてくれる大切な人」を混合することは害のあることです。
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さてそんなことも踏まえてですが、どうぞご自愛しながら独立への道をお楽しみください!もちろん会社員だからいいとか、独立してるからいいとか、そういうこともありません。そして人生なんとかなります。
大事なのは自分で選択するという、ただそれだけのことだと思います。何が良くて何が悪いのかなんて、誰にも分からないから。答えは常に自分自身です。