ストリップ劇場2
皆様、こんにちは。
ストリップ劇場時代のお話の続きです。いつもよりももう少し長いです。
演じて魅せる、と言う所まで書きましたが、そもそも根底にあったのは踊れなかったコンプレックス、細くて凹凸のなかった身体のコンプレックス、がありました。今では踊れる様になりましたが、踊れる様になったのは皮肉な事に引退してからなのです。
デビューしてすぐに豊胸しようかと思った時期があったのですが、当時の事務所が大反対。他の事務所だったら今頃は胸が大きかったかもしれませんね(笑)。どっちが良かったのかはわかりません。
そんなコンプレックスがあり、どう克服するか。自分は何を魅せたいのか。自分は何が出来るのか。
わたしが辿り着いたのは、気品のある色気でした。
色気は作るものではありません。
が、演じる事は出来るのです。当時は色気を演じる事から入りました。
しぐさ、動き、身体の動かし方、表情、指の使い方、顔の動かし方、脱ぎ方、立ち振る舞い。
わたしはこの人みたいになりたい!と言うのが当時も今もなく、誰かに対して憧れと言うのもありません。なので全ては様々な舞台やショーを観たり、自分の感性で学んでいきました。そして肌を見せれば色っぽいと言う安っぽさは今も昔も目指していません。色気は奥が深いとわたしは思います。
あとは観た人がどう感じるかは、その人次第。こう演じてるんだから、こう観て!と言うのはわたしの中ではないです。勿論押し付けるつもりもないし、観た人によって感じ方が違うのが面白いのですから。
そして色気には、恋をする事。
バカバカしく聞こえますが、これは1番大きなスパイスの一つだと思います。
女性は恋愛をすると表情が変わり、良くも悪くも性格も身体も左右されます。恋愛をしていてもSEXをしてない身体と、SEXをしてる身体は大きく違います。色気を演じていても内面を揺さぶられる恋愛をしていなかったらのっぺりとした薄っぺらい色気になります。
それこそ内面から出る色気、と言う事ですね。
その為に恋愛をしてた訳では勿論ありませんが、男性とは積極的に関わって来ました。男性は大好きですし、色っぽい事情も好きだから。でも全ての男性が好きと言う訳ではありませんよ(笑)。
この色気、と言うテーマはわたしの人生の永遠のテーマかもしれません。
ただ、色気と言うのは生きていく中で形が変化していきます。どんな風に?と聞かれると曖昧にしか答えられませんが、周囲の女性や自分を見てたりするとそう思います。
演じてるウチはベトっとした気持ちの悪い色気みたいな感じになるのですが、中から色気が出てくると一皮も二皮も剥けて自然に色気が出る様になってきます。そういった女性の色気が嫌いな女性もいるので全ての女性には当てはまりませんが、自然と恋愛が始まった女性などを見てると、自然で天然な色気と言うものを間近で感じたりします。
わたしはそういった女性の色気というものが大好きなので敏感に見ていますし、自分にも敏感ですが、普通はあまり意識しない部分だとは思います。
ちなみに。男性の色気も勿論ありますが、それはまた別の機会に。
誰もがコンプレックスはあると思うのですが、わたしは早い段階でいくつかのコンプレックスを克服しました。
と言っても舞台でのコンプレックスではありますが、今でもパフォーマンスをする身としてはとても大きな経験でした。
あとは女性同士にありがちな、同性に嫉妬をしない。
これも全ての人間が持ち合わせた感情ではあり、嫉妬をバネに高みに飛べればいいですが、そうでなければ嫉妬から生まれるものはいい物ではありません。これも劇場の喧嘩を散々見てきて思いました。女性は鬼の形相になるし、ブスになります。
人を、多様性を理解して尊重すれば喧嘩など起きません。
勿論犯罪者や攻撃してくる人、真っ向から否定してくる人などの尊重はしなくても構いませんが、相手のいい部分を素直に素敵だと認められる様になると嫉妬は消えていきます。わたしは嫉妬をする自分が好きなの!と言う方はそのまま持ち続けるのもいいかとは思います。それもエネルギーになりますし、そういった方もわたしは否定せず理解をして尊重しています。
沢山の思い出と経験をしたストリップ劇場ですが、つい何年か前に新人のバーレスクダンサーにバカにされた事があります。
バーレスクは脱いでも乳首や性器は出さないんです! 神聖なものなのです! ストリップとは違うんです!
(バーレスクは全裸になっても性器と乳首は出しませんが、行為としては類似です…)
両方を経験しているわたしに言う言葉でしょうか?(笑)
こういう時わたしはあまりにも下らないので、ふーんと言う以外に何も言い返しません。ムカつきましたが(笑)。
わたしはストリップをやってよかったと心底思います。何故なら沢山の経験を積んだから。そして今はどちらも経験し、どちらの要素もシーンに応じて使う事が出来ています。今は全裸になって全てを見せる、と言う事はもうありませんが、全裸で魅せる難しさも知っています。全裸だけど全てを見せずに魅せる色気も知っています。
自分の弱みも強みも知れた事は非常に大きかったと思います。
引退の時の写真。
わたしは観てる人をわたしの世界観に引き摺り込むのが大好きで、ストリップ最後の舞台はお客さんを泣かせようと作った演目でした。と言うのも、それまでも何故かわたしの舞台を観て泣く人が多かったから。異空間に入り込んで気がついたら涙が流れていました、と言う人が多かったので、最後は盛大に引っ張り込んで泣いてもらおうと。どう作り込んだかは観た人だけがわかった感覚だと思います。
劇場は満員で沢山のファンの方、そして駆けつけてくれた沢山の友達に囲まれて華やかに賑やかに幕を閉じる事が出来ました。
引退は札幌と渋谷で行われたのですが、その後札幌の劇場も幕を閉じ、いい時期に引退したと今でも思います。
長い様で短かった5年のストリップ劇場時代。
書こうと思えばまだまだ続編が書けるのですが(笑)、小説のごとく長くなってしまうのでこの辺で。
長い長い文面を最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。
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また近々お会いしましょう🌹
©2010-2019 Maico Tsubaki
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