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気になる国・キューバ🇨🇺①

何年も前から、とても気になっている国がある。

カナダ人が避寒に訪れる人気国のひとつ、キューバ🇨🇺だ。

今年になりキューバ行きを検討する中で、お笑い芸人・オードリーの若林正恭さんの「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」と言う本を知る。出版されたのは2017年の様だ。

例によって浦島太郎な私は、若林さんの事をよく知らない。知っているのは、大好きなサンドウィッチマンの富澤さんと同じ、「人見知り芸人」さんだと言う事くらい。

軽めの旅行記を想定していたが、読んでみたら深みがあって情緒的な小説の様で驚いた。情景描写も素敵だし繊細な感情の動きまで綴られる文章は、じわじわと心に響いた。

それにしても、芸人さんはどうしてこんなにも多才なのだろう。憧れてしまう…😌

読み進めるうちに、若林さんの言葉を通じて私が未自覚だったキューバに惹かれる理由が、少しずつ輪郭を露わにしていく様だった。

若林さんは、亡くなったお父様が行きたかった場所がキューバだったと言う大きなきっかけがあったものの、若林さんがこれまで感じた違和感の数々を生んだ価値観から離れ、違う世界を見たいと言う思いからキューバを選ぶ。

その違和感の数々は、私が窮屈に思う事と似ていた。

例えば、彼がキューバ行きの2年前である2014年にニューヨークで感じた事。

広告からは、
「夢を叶えましょう!」
「常にチャレンジしましょう!」
「やりがいのある仕事をしましょう!」
と、絶え間なく耳元で言われているような気がした。

仕事に慣れ、良くも悪くも勤め人としての行く末が想像できる様になった頃、私も同じ様な事をあちらこちらで耳にする様になった。

一度は周りの人たちと同じ様に、より良いキャリア、より良い暮らしを目指したものの、そう長くは続かなかった。

私は仕事にそれ程やりがいを感じて居なかったし、出世願望も夢も無し。たまに旅行に行けて少し貯金ができる稼ぎがあって、多くを望んでいなかった。

家を買うとか高級車に乗ると言った目標があればまだ良かったのかもしれない、と思うくらい何を励みに働けばいいのかわからずこじらせていた。

だから、夢を持って頑張っている人が少し羨ましくもあった。

ぼくの違和感。胸に秘めざるを得ない疑いの念。
「スペックが高い」という言葉が人間に使われること。
「超富裕層」「格差」「不寛容社会」。
勝っても負けても居心地が悪い。
いつもどこでも白々しい。
持ち上げてるくせに、どこかで足を踏み外すのを待っていそうな目。
祝福しているようで、おもしろくなさげな目。
わらっているようで、目が舌打ちしている。

この若林さんの言葉には、共感ポイントが満載だ。

「スペック」や「勝ち組」「負け組」と言う言葉に違和感しかないし、そもそもなぜ人はこんなにも競う生き物なのだろう。

ぼくは20代の頃の悩みを宇宙や生命の根源に関わる悩みだと思っていた。それはどうやら違ったようだ。人間が作ったシステムの、一枠組みの中での悩みにすぎなかったのだ。
「ちょっと待って、新自由主義に向いてる奴って、競争に勝ちまくって金を稼ぎまくりたい奴だけだよね?」

“みんな”が競争に敗れた者を無視しててんじゃなくて、新自由主義が無視してたんだ。

若林さんは違和感の数々を新自由主義とか自由競争の社会と結びつけて考えて居られるのだけれど、私にはそんな考えは浮かばなかった。それは私が社会学や経済学の知識が乏しすぎるせいだろう…😅

ゲームの世界の様に、要るか要らないかにわからないアイテムを取り揃え、ハイスコアを達成する事が幸せとされる「システム」の社会に生きる違和感を、若林さんの文章を通して初めてしっかりと認識した。

とにかく、このシステム以外の国をこの目で見てみないと気が済まない。

私もきっと同じだ…

ゲバラや社会主義に憧れは無い。ただ単に、私の生活圏である北米や日本とは違う社会や価値観に興味が湧くのだ。

人々はどんな顔をして、どんな生活を営んでいるのか…

半ば、確信的にキューバの社会主義に癒されるつもりでやってきた。

どうやら私も日本や北米の価値観から離れ、若林さん同様に同調圧力が及ばない場所で癒されたいのかもしれない。

無論、どこの国、どんな世界に生きていようとも、自分の心持ちひとつで全てが変わると言う事は重々承知している。

それでも、一度肌で感じてみたい。

ついでに大好きなカリブの海にも浸りたい。

長くなったので、その②に続く〜

¡gracías!


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