マガジンのカバー画像

ろう学校を語る

20
私の生い立ちで学んできた学校18年間を振り返ってみる。今まで語ることない事実や懐かしい話を伝える場所です。通学していた当時は、聴覚口話法が主体の背景だった時代であり手話法への転換…
運営しているクリエイター

#手話

聾学校の昔と今で変わっていることー後編ー

聾学校の昔と今で変わっていることー後編ー

先日の投稿(前編)で記述した続きに入る。時代の変化と多くの方が口にするのは寛容範囲である。しかし、本当に時代の変化が動機だろうか。実は、この変化というのはもう既に世界に視点を変えてみると、日本の教育は遅れているということなのだ。歴史を長期的に見たとき、過去(もっと早い時期)に実現してもおかしくなかったというのに人間だからこそ、気付くのが遅いだけであって、誰もか前向きに変わろうとしないことが遅れてい

もっとみる
聾学校の昔と今で変わっていることー前編ー

聾学校の昔と今で変わっていることー前編ー

きこえない学校のイメージというのは色々な考えもあるが、ここでいうろう学校は全国どこでも同じとは限らない。私が実際に見てきた北海道の聾学校それぞれの位置づけであって、一部の記述内容は、卒業生のコミュニティの中で共通することであると認識していただければと思う。あくまで記述する内容が、全ての人に思っているとは限らない。一つの話であり、実際に見る聾学校現場に伝わらない本当の事実は多様にある。という認識で前

もっとみる
きこえない学校のイメージって?!

きこえない学校のイメージって?!

大阪府で起こった裁判の中で聾学校の教育についていろいろな意見があったわけなので、この際きこえない学校ってどういうものなのかということを自分の経験談として執筆する。

 かつて北海道の聾学校は、平成2年度(1990年)まで聴覚口話法が主体の教員研修及び、研究授業会が数多く実施されるほど、指導方法は手話を禁止され読唇術といった厳しい指導を児童生徒に叩き込みながら学習するということが一般的であった。手話

もっとみる
今だから言える聴覚障がい教育③

今だから言える聴覚障がい教育③

私は、これまでの投稿の中で伝えている一貫性のテーマが手話に対する考えであるということを読んでいるみなさんは一つの受け止めとしているだろう。その原点は、以下の通りある講義で履修した際に提出したレポートが教員としての持っている姿勢であることを物語っている。 第3回目のテーマは、「聴覚・口話を活用して指導を行う際の配慮事項、また手話を活用して指導する際の配慮事項」とは何か。私なりの考察と感想を合わせて述

もっとみる
今だから言える聴覚障がい教育②

今だから言える聴覚障がい教育②

先日の投稿「今だから言える聴覚障害教育①」は、子どもの特性と保護者の関わりについて考察したものを記述した。これはろう学校の教職員として勤務する上でとても重要な心構えとして考えるきっかけになることは大きい。手話サークルや手話通訳者育成の学習でも取り上げられているので、一貫性のある情報は整理して正しく提供することをこれからも背負っていくことになると私は考える。

 引き続き、第2回目のテーマは「日本の

もっとみる
今だから言える聴覚障がい教育①

今だから言える聴覚障がい教育①

4月に入り、GIGAスクール構想や働き方改革、コロナ禍による新スタイル学習の整備など新しいことが進められているようだ。ここでいうと、聴覚障がいをもつ児童生徒が通う特別支援学校(以下、聾学校)においては、もう少し原点を改めて考え直すきっかけにして頂きたいと願う。

 以下、大学の履修にあたって提出したレポートをいくつか投稿する。訂正・加筆をした上でぜひ読んで頂ければ幸いである。第1回目のテーマは、「

もっとみる
寄宿舎と私

寄宿舎と私

(トップ画像で手前が勤務先、後ろにあるのが寄宿舎であり高校時代の住処である。3年間、過ごしてきた思い出が詰まっている。)

きこえる人から聞くと「寄宿舎」って何か。分からないことが多いだろう。これは特別支援学校ならの特別な呼び方であり、一般的に言うと「寮」であり、実家が遠い生徒が一時的に住む場所として指すことである。寮がある一般学校は少ない。でも特別支援学校というのはほとんど、「寄宿舎」があるわけ

もっとみる
青春に大人の都合ってあり?

青春に大人の都合ってあり?

(※学校祭のテーマで火文字を行っていた。懐かしい写真である笑)

先日の投稿「寄宿舎と私」の続きになる。(まだ読んでいない方は、ぜひ読んでおくといい。)ここでは、青春とは何か。そして大人の都合が余計に邪魔しているんだという若い人ならの受け止めについて、当時を振り返ってみるとする。

 「青春」というのは、人によって様々な捉えがある。恋愛が盛り沢山だったことが青春だという声もあれば、好きなスポーツに

もっとみる