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火水未済【卦の解説】
はじめに今回は火水未済について解説します。
火水未済の解説完成で終わっては易ではありません。完成もまた流転の一相なのです。初めは吉にして終わりは乱る。その混乱の中にあって、危難を冒して光明をもとめてゆくのがこの卦です。挫折もあります。苦しみも多いです。なすべきことが次々にやってきます。それを一気に片付けようとせず、粘り強く、柔軟に対応してゆくことです。各爻は正位をはずれてはいるが、すべて正応して
水火既済【卦の解説】
はじめに今回は水火既済について解説します。
水火既済の解説既済とは万事すでに成る、事がすべて成就したことです。この卦は、各爻すべて正位にあり、みな正応するものがあります。易の理論からいえば、もっとも理想的な形です。苦難と努力の果てに、すべての人が相応の地位を得て安定し、一致協力して平和を守っている状態です。しかし、易とはやむことなき変化であり、完成は同時に崩壊のはじめです。完成してしまえば創造の
雷山小過【卦の解説】
はじめに今回は雷山小過について解説します。
雷山小過の解説小過とは、小なる者が多過ぎること、また少し過ぎることです。日常生活をやって行く上で、常に陰徳を持って、控え目にしなければなりません。あまり派手に行動することはよくないという戒めです。小とは陰のこと、陰爻が陽爻に比べて多すぎます。つまり小粒な人間が幅をきかせているのです。卦の形は、上下が背きあっており、ニ爻ずつまとめれば危難になります。分裂
風沢中孚【卦の解説】
はじめに今回は風沢中孚について解説します。
風沢中孚の解説中孚とは、心に誠実さが満ちあふれていることです。絶えず何事かを創造する力です。孚という字は、爪と子の組み合わせで、原意は、親鳥が卵を暖めて孵化することです。親鳥の愛情が卵の生命を喚び起こすように、誠意はかならず人の心を感動させます。卦の形は上にある風がくまなく吹き渡り、下にある沢を動かす、つまり上の者の誠心に下の者が感動し、悦んで従ってく
雷沢帰妹【卦の解説】
はじめに今回は雷沢帰妹について解説します。
雷沢帰妹の解説帰妹とは、若い女が帰ぐことです。ところが、この卦の示すものは正常な結婚ではありません。若い女の方から積極的に年取った男に働きかけており、女は待つべきものという常道に反しています。また陰爻が陽爻を押さえつけている形であり、男働きて、女悦ぶ、つまり肉体関係だけで結ばれ、愛情の裏付けに乏しいのです。精神的なものを充実させて、末長い結びつきにまで