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雷火豊【卦の解説】

はじめに

今回は雷火豊についての解説です。

雷火豊の解説

豊とは盛大豊満なることです。この卦はすべてにおいて満ち足りた状態を表しています。しかし、窮すれば通じ、盛んなればかならず衰えるのが易の理です。逆境にあえぐ者には救いの道を示すが、盛運にあるものにはかならず警告があたえられます。月が満ちれば必ず欠け、中天に輝く太陽もやがては西に傾くように、盛大なことはいつまでも続く者ではありません。現在の状態を維持するだけでもよほどの努力が必要とされるのだから、新しく事業を拡張するなどもってのほかということになります。男女関係では、長男と中女つまり円熟した夫婦であるが、これもやがて衰えることを暗示しています。各爻の辞は、暗黒が支配する中で明知を持って動く身の処し方を述べます。

爻辞

初九: よき配偶者に出逢う。むこう十日間は災難から免れる。出かけて行けば大事にされることがある。

六ニ: 日よけの蓆を盛大に掛ける。白昼に北斗七星が見える。出かけて行けば正体不明の病気にかかるだろう。捕虜のなかから発病する者が出る。吉。

九三: 幔幕を盛大に張りめぐらせる。白昼に小さな星まで見える。右の肱を折るけれども、災難は免れる。

九四: 日よけの蓆を盛大に掛ける。白昼に北斗七星が見える。いつもの主人に遇う。吉。

六五: 彩のある美しいものを招き寄せ、慶賀すべき栄誉に輝く。吉。

上六: 部屋を豪勢に増築し、家に日よけの蓆を掛ける。戸口から中の様子をうかがうと、シーンとして人の気配がない。三年間、出入りする人を見かけない。凶。

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