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風山漸【卦の解説】

はじめに

今回は風山漸について解説します。

風山漸の解説

漸とは、徐々に進むことです。急激な成長は望めませんが、着実に、順を追って進んで行くのです。卦の形は山上の木が、目に見えぬ速度で、しかも着実に伸びゆくさまを表しています。また女子が落ち着いて求婚を待つさまでもあります。各爻の辞は、雁が水際から岩へ、さらに陸、樹上、山上、そしてはるかなる雲路へと順調を追って進みゆく姿に象って繁けられています。雁は厳重な一夫一婦制を守る鳥で、理想的な夫婦関係の象徴、また飛ぶときにはけっして序列を乱しません。婚礼の儀式が正しい順序で行われるように何事も順序正しく進むなら吉です。つまり進歩向上は、順を追っておもむろでなければならない、飛躍や冒険が伴うので注意が必要であるという戒めです。

爻辞

初六: 鴻雁が汀に漸む。子供が危ない目に遭い、文句を言われるが、災難は免れる。

六ニ: 鴻雁が大きな岩の上に漸む。にぎやかで楽しい飲食の集い。吉。

九三: 鴻雁が平らかで小高い場所に漸む。夫は出征したまま帰還せず、妻は妊娠してもお腹の子供は育たない。凶。外敵の侵入をふせぐのに利がある。

六四: 鴻雁が木に漸む。垂木が手に入るかもしれない。災難を免れる。

九五: 鴻雁が高い丘に漸む。妻は三年たっても妊娠しない。結局、それに勝つ者はいない。

上九: 鴻雁が雲の上に漸む。それが落としていった羽は、儀礼に使うことができる。

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