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【映画】『マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』を観ることは、生きること📽️【ネタバレ無し】

 作中に入り込み、映画館で " 登場人物達と一緒に生きる " ――「生きること」を多角的に自由に捉える映画。【ネタバレ無し】

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 現在公開中の映画『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』を映画館で観て、
終盤の挿入歌『ALIVE~祈りの唄』(※ネタバレ歌詞なので絶対に鑑賞前に見ないように!!)を聴いた時、涙が出てきた。
 感動シーンだったから、ではなく。

 私は正直、生きることが苦しくて、苦しみから逃げている、絶賛停滞期。
 そんな時に、苦しみも喜びも怒りも悲しみも快楽も、
「そのまま、生きてていいよ」
 と許された感じがしてしまったのです。

 ……という私的な情緒を抜きにしても。
 とても良い映画だったので、ネタバレ無しで紹介したく思います!
 note初投稿!(時間かかった~!笑)

 最近、「竜とそばかすの姫」「アイの歌声を聴かせて」など「歌」が心を揺さぶる映画アニメが流行中。本作品の " 鍵 " も「歌」🎤

 その他には、戦争、短命な種族の恋、友情、葛藤と成長などの要素が描かれています。

🎬 公開終了が近いので、お早めの鑑賞を❣

[注意⚠️] 前作『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』・TVアニメ『マクロスΔ』についてはネタバレを含みます。また、今作自体は前作知識が無くとも楽しめるストーリー展開です。

[ 追記 ] ネタバレ考察も書きましたので、ご鑑賞済みの方はぜひこちらを御覧ください。

▼長いので、気になる部分だけなど目次をご活用ください。

● この映画のテーマは? 

【 生きるって、なに?  】

" 生きること それだけで まるで時間がないよ "
" だからもうやるっきゃない 止められない "

(ルンがピカッと光ったら/ワルキューレ)

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 これは、TVアニメ版の『マクロスΔ』のエンディング曲『ルンがピカッと光ったら』の歌詞です。

 人間は生まれた以上、生涯「生きる」ことになります。それが何年間か、わかりません。
 エンディングからわかるように『マクロスΔ』では、「生きる時間をどう使うか」が重要となっています。

 映画の最初のキャッチコピーは、

「 歌 う こ と は 生 き る こ と 」

 本作のキャラクター達にとって、「歌」と「生きる」は密接な関係にあります。

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 生きることは、出会い、別れ、取捨選択、前進と停滞と後退の繰り返しです。
 キャラクター達は、「歌」以外にも、沢山のそれらの出来事とともに「生きる」ことをどう考えるのでしょう?

 キャラクターを通して、自分自身の「生き方」「本当はどうしたいのか?」も考えることができる映画です。

● 前作映画 と 今作映画 の違い 

●前作映画(劇場版第1作)
『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』

⇒ ワルキューレの絆の物語
⇒ 自分を見つける物語

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●今作映画(劇場版第2作)
『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』

⇒ 前作の絆の "先" / フレイアとハヤテの物語
⇒ 人生を見つける物語

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 劇場版『マクロスΔ』は、TV版アニメから独立しています。前作(第1作)の映画『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』はTV版『マクロスΔ』の設定やストーリーを組み替えて再編集しており、変更点が多めな総集編とも言えます。
 この前作は後述する「ワルキューレ」のメンバー達が絆を深める物語です。

 それに対し、今作(第2作)『劇場版マクロスΔ  絶対LIVE!!!!!!』はTV版には無い完全新規ストーリーです。
 前作で描かれたワルキューレの絆の " 先 " を描くとともに、主人公・ハヤテとフレイアの心の交流が中心部分にある物語です。

『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』
監督:河森正治
脚本:根元歳三 河森正治
制作:サテライト
製作:ビックウエスト
劇場版マクロスデルタ製作委員会
配給:ビックウエスト
公開:2018年2月9日
『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』
監督:河森正治 ヤマトナオミチ(副監督)
脚本:根元歳三
制作:サテライト
製作:ビックウエスト
劇場版マクロスデルタ製作委員会
配給:ビックウエスト
公開:2021年10月8日


●『マクロスΔ』とは?

 今作は単体でも観ることができる新規ストーリーです。
 ですが、キャラクターの背景や関係性がわかっているとより楽しめるので、『マクロスΔ』というシリーズについて解説します。

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TVアニメ『マクロスΔ』2016年4月 - 6月
総監督:河森正治 監督:安田賢司
シリーズ構成:根元歳三
キャラクターデザイン:
実田千聖(原案)、まじろ、進藤優
アニメーション制作:サテライト
製作:ビックウエスト
マクロスデルタ製作委員会

・「マクロス」シリーズとは?

 アニメ『マクロスΔ』は2016年に発表された河森正治監督のオリジナル作品です。これは1982年に発表された同監督の作品『超時空要塞マクロス』から連なる作品群の最新作です。

 「マクロス」シリーズは、一貫してロボット変形できる戦闘機バルキリーによる「戦闘描写」と登場人物による「歌唱シーン」と登場人物たちの「三角関係を主とする人間関係」が形を変えながらも各シリーズで共通テーマとして描かれます。

 世界観も、地球がある太陽系を含む我々の銀河をモデルとしたSFであり、全ての作品の時系列が "一応" 繋がっています。しかし、各シリーズは独立した作品であり、各ストーリーに直接的な交流はありません。

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・『マクロスΔ』の世界観

 『超時空要塞マクロス』で、地球人達は異星人ゼントラーディとの戦争と和解を越えて、地球人も異星人も共に生きながら種の保存・存続のために多くの移民船団を銀河中に送り出す計画を実行しました。
 『マクロスΔ』では、銀河中の各星系で先住種族と交流・共生をしています。(ただし、銀河中の種族は地球人を含め皆同じ先祖を持つため、外見が似通っています)

 『マクロスΔ』の舞台となるのは、銀河の辺境に位置するブリージンガル球状星団です。ここに属する海の民の星が「ラグナ」。軍事や芸能など多岐にわたる部門を持つ民間複合企業「ケイオス」として「ラグナ星系自治組織連合」と依頼契約を結ぶケイオス・ラグナ支部に所属する面々が主人公サイドの勢力です。

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★『マクロスΔ』第1話 [無料配信]

・前作の内容

~「ワルキューレ」の活躍 ~

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 2067年、銀河各地で多発し始めた、人が暴徒「ヴァール」化する病 「ヴァール症候群」を鎮めるため、ケイオスで「戦術音楽ユニット」「ワルキューレ」が組織されました。

 これは、ヴァール症候群の原因となるフォールド細菌の受容体「フォールドレセプター」を体内に保有することで生体フォールド波「歌」に含まれる為に、ヴァールに干渉・沈静できる人材で構成されたユニットです。

〈 ワルキューレ 〉
リーダー:カナメ・バッカニア
エースボーカル:美雲・ギンヌメール
メカニック担当:マキナ・中島
電子作戦担当:レイナ・プラウラー
新メンバー:フレイア・ヴィオン

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●「フォールド波」とは? 
高次元空間で発生する波動。感情に影響される。時空も超えるため、超長距離ワープを実現。自らワープする事を「フォールド」相手がワープして来る事を「デフォールド」と呼ぶ。

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 主要キャラクターは「ワルキューレ」、彼女達を護衛するケイオス・ラグナ支部「Δ小隊」と、後述する「敵対勢力」です。

~ ウィンダミア王国との戦争 ~

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《 敵対勢力 》

 「ワルキューレ」が沈静化や予防のための「ワクチンライブ」を行うと「ヴァール症候群」を促進する何者かに襲撃されます。襲撃者は、ワルキューレのメンバーであるフレイア・ヴィオン故郷の惑星「ウィンダミア王国」の可変戦闘機部隊「空中騎士団」でした。彼らは、「新統合政府」と結んだ不平等条約を破棄すべく独立戦争と停戦を繰り返します。「ヴァール症候群」の促進も新たな戦争戦略でした。

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新統合軍/新統合政府
『超時空要塞マクロス』作中で外宇宙への対策として「地球統合軍」「地球統合政府」が組織されたが、地球壊滅後、残存勢力と和解した異星人達によって「新統合軍」「新統合政府」に再編成され、銀河を広く統治している。ブリージンガル球状星団は銀河辺境にあるため、彼らの影響が少ない。

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《 ウィンダミア人の寿命問題 》

 ウィンダミア王国の目的は新統合軍からの解放でしたが、王国の宰相ロイド・ブレームにはもう一つの目的がありました。ウィンダミア人は身体能力が発達した分、寿命が「約30年」と短命種族なのです。ロイドは、ウィンダミアとラグナにある古代の「プロトカルチャー遺跡」を利用して銀河中の全人類種の意識を統合させ、個々を無くし永遠の精神を生き続けることで寿命を超越しようと考えました。

フレイア・ヴィオンの年齢
本作の主要キャラクターのフレイアは、ストーリー開始時点で14歳。作中で誕生日を迎え、「ウィンダミア人にとって人生の折り返し」15歳になった心境を真摯に語った。

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プロトカルチャーと遺跡
銀河中の人類種はかつて高度すぎる文明で戦争を激化させ滅んだ「プロトカルチャー」によって、遺伝子改造や兵器開発の一環で生まれた。銀河各地にはプロトカルチャーの残したオーバーテクノロジーの遺跡が数多存在する。

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《 星の歌い手のクローン・美雲 》

 ヴァール症候群の促進には、ウィンダミア王国国王ハインツが歌う「風の歌」を利用しました。これもプロトカルチャー遺跡を用いた、古代から継承される歌です。
 かつて、この遺跡には「星の歌い手」の細胞片が複数納められていましたが、新統合軍によって持ち出されました。
 その細胞片をケイオスに指令を出している「レディM」が入手。ワルキューレのメンバーである美雲・ギンヌメールは対ヴァールの為に作られたクローンでした。

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風の歌い手と星の歌い手
竜鳥という鳥や風、大地と歌声で心を通わせる者を「風の歌い手」と呼ぶ。「風の歌」を歌う。王族に現れやすいが、非常に稀な存在。「星の歌い手」は古に存在した巫女とされる。

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~ 心を通わせ停戦した前作 ~

 ロイドは捕らえた美雲を洗脳し「星の歌い手」として歌わせ、計画を実行。
 一方、同じくウィンダミア王国に捕らえられたワルキューレは美雲が禁じられたクローン技術で作られた存在と知り、新統合政府やケイオス上層部に疑問を抱きます。しかし、ウィンダミア王国の行いは人々を傷付け賛同できるものではなく、彼女達は「ワルキューレの歌を必要とする人が一人でもいる限り歌を届ける」という意志を固めます。
 ケイオスはワルキューレ奪還作戦を決行。
 美雲を想うワルキューレの歌によって美雲は洗脳を破り、「空中騎士団」を率いるキースはロイドの計画の非人道性に不信感を持つと同時に、個々の意識を呼び覚ますワルキューレの命懸けの歌に心打たれケイオスを援護。
 目的を同じくしたケイオスと空中騎士団は協力し、ロイドを阻止。新統合政府とウィンダミア王国は停戦へと向かいます。

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「皆の歌が私に心をくれる」
「私は……あなた達と歌いたい!」
(美雲・ギンヌメール/劇場版)

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● 今作の〈ポイント〉

〈ポイント1〉寿命の違いを考える

・ ウィンダミア人の寿命と老化

 先ほど、ウィンダミア人の寿命について少し記しました。
 彼らは20代半ばまで地球人の同年代と同じような外見、それを過ぎると老化が加速します。
 平均寿命は30~35歳です。
 老化の際には、皮膚が段々と白く結晶化していきます。ウィンダミア王国では亡くなることを「風に召される」と言い、魂は「風の泉へ還る」とされています。

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・ フレイア・ヴィオン

 フレイア・ヴィオンは本作のメインヒロインです。故郷はウィンダミア王国のりんごを名産とする村で、子どもの頃にりんごの苗木を貰って植える習慣があります。
 頭部にハート型の「ルン」があります。

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ルン
ウィンダミア人の頭部には「ルン」という感覚器官が生えている。感情に合わせて光輝き、形状は人様々。ルンの輝きを制御できない者は未熟とされる。フォールドクォーツを含み、フォールド波を「風」として感知する

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「命懸けで飛べば、飛べる!」
「私は好きな歌を歌いたい!
一分でも一秒でも長く!」
(フレイア・ヴィオン/TVアニメ・劇場版)

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 上記は前作でのフレイアの言葉です。
 彼女の言葉からは、地球人以上に一瞬一瞬をかけがえのない大切な時間として前向きに生きる姿勢がうかがえます。

「どんな時でも、
歌はいつも私のそばにおってくれた」
「歌で皆を助けるワルキューレの事を知った時
私も絶対になりたいって、そう思って」

(フレイア・ヴィオン/TVアニメ・劇場版)

 フレイアは14歳の時に、ワルキューレに憧れて村を飛び出しました。

 ワルキューレに加入後、地球人をはじめとした自分の何倍も寿命がある人々に囲まれた生活がはじまります。
 ふとした時に軽く交わされる些細な言葉が、フレイアに生きる時間の違いを感じさせます。

「どうってことねぇだろ、1年や2年くらい」
(ハヤテ・インメルマン/TVアニメ)

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 前作の映画では、プロトカルチャー遺跡に共鳴し、手の甲が結晶化する事態となりました。共鳴が治まると結晶化は止まりましたが、フレイアは結晶化とどう向き合うのでしょうか?
 彼女が結晶化した手の甲を今作中ではどのように扱うのかも、注視ポイントです。

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・ ハヤテとフレイア

 村を飛び出し密航中だったフレイアを見つけたのは、Δ小隊に所属する主人公のハヤテ・インメルマンでした。

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 ハヤテとフレイアはお互いの「飛ぶ姿」「歌う姿」に影響され合い、パイロットと歌手として成長していきます。
 「風」を感じるウィンダミア人のフレイア「風」の中を飛ぶパイロットのハヤテは、お互いの「風」を感じ、種族を超えて共感します。
 共感しながらも、時間の感覚が違う二人の関係性は、本作の大きなテーマです。

「このリズム……ハヤテの……風の色!」
(フレイア・ヴィオン/TVアニメ・劇場版)
「この感じ……この歌……!……風っ!」
(ハヤテ・インメルマン/TVアニメ・劇場版)

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「不思議やねぇ、
ハヤテと2人で風に乗って飛んどるなんて」
「あんがと、ハヤテ!」

(フレイア・ヴィオン/TVアニメ・劇場版)

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映画鑑賞の視点ポイント①🎬
【 同 じ 空 間 で 違 う 時 間 を 生 き る 姿 】

▼本予告にあるこのシーンを映画で確認👀

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〈ポイント2〉各キャラの変化

・ クローンだった美雲の変化

 前作では、自身が3年前に作られた存在であることを知った美雲・ギンヌメール。
 彼女はあまり協調性が無く、単独行動を好んでいましたが、フレイアの誕生日会に参加したりワルキューレのメンバー達とともに歌うなかで心や友情を成長させました。

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「どんなものか知りたかったから。
私、誕生日って祝ってもらった覚えがないの」
(美雲・ギンヌメール/TVアニメ・劇場版)

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「私にあるのは歌いたいという気持ち。
ただ、それだけ」
(美雲・ギンヌメール/TVアニメ・劇場版)

 まだ作られて3年という幼さも抱えた美雲が、前作で成長し、今作ではどのように変化していくのか見どころです。

「美雲っ……ひとりじゃない……
ひとりじゃないよ、美雲は!」

(レイナ・プラウラー/劇場版)

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・ マックスの初代→7→今作の変化

 今回、ゲスト的に過去のマクロス作品のキャラクターであるマクシミリアン・ジーナス通称マックスの登場が発表されました。
 『超時空要塞マクロス』の中で統合軍のパイロットとして初登場し、『マクロス7』でマクロス7船団のバトル7の艦長に就任しました。

「ぼくって天才だったのか。
そうか、天才なのか。知らなかったなぁ」

(マックス/超時空要塞マクロス)

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「我々はもう捨てられたのだ。
捨てられた船団なのだ。船団の責任者として
こんなに悲しい事はない」
「生きて帰った時、出迎えてくれる
家族がいなくては」

(マックス/マクロス7)

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 初登場時は『超時空要塞マクロス』の主人公・一条輝の部下としてパイロットの素質を伸ばし、自身の才能を素直に自賛したり、ゲームセンターで遊び倒すなど自由で無邪気な天才肌という性格でした。
 『マクロス7』では艦長として市民の安全を背負う責任感と覚悟を持ち、家庭と距離が空きつつも、家族を守り愛する父性も見せました。

 人として着実に経験を重ねていくマックスは、初登場は18歳、『マクロス7』では50代、今作では73歳です。しかし、あまり老いは感じさせないビジュアルです。

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 デザインの美樹本晴彦氏曰く

「老けるというのは凡人の発想」
「天才は老けない」

 凡人とは違う緊張感の中で生きるマックスは老けない、というある種の " こじつけ " をしているそう。

 『マクロスΔ』には、マックスの孫であるパイロットのミラージュ・ファリーナ・ジーナスが登場しています。

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 『マクロス7』からさらに時を重ねながらも若々しい「天才」のマックスは「孫」にどう接するのか?
 マックス自身の「戦闘」「家族」へのあらゆる姿勢・側面に変化はあるのか? 
 多くのシリーズと長期間をまたぐ重要なキャラクターとして、見どころです。


映画鑑賞の視点ポイント②🎬
【 キ ャ ラ ク タ ー の 言 動 や 立 場 の 変 化 】


〈ポイント3〉歌に " 抱かれる "

「フレイアが……」「歌ってる……」
「……命の歌を!」

(カナメ&レイナ/劇場版)

 リーダーのカナメ曰く「ワルキューレの任務は常に命懸け」。彼女たちが戦場で届けるのは、人々を守り元気にする「命の歌」です。

 映画館の音響で聴くことで、

 まるで戦場やライブ会場で歌に抱かれている

 感覚になります。

" 一年が 一日が 一瞬が 何秒かなんて
考えたことないでしょう? "
" ( ねぇ 私 今 生きているわ ) "
(風は予告なく吹いている/ワルキューレ)
" 迷いの果てに 明日を問いかけて 追いかける "
" いつか この声が 果てるその日まで 歌うよ "

(ワルキューレは裏切らない/ワルキューレ)
" もしかしたら キミはすべて わかってたの? "
" こんなにも誰かを愛せるなんて
 知らなかった この想い 
戻れるはずなんてないから "

(God Bless You/ワルキューレ)

 上記は今までにワルキューレが歌った歌詞の一部です。
 彼女たちの歌には強いメッセージ性があり、「考えたことないでしょう?」の問いかけや、「この声が 果てるその日まで 歌うよ」など語りかけになっていたりします。

 映画館の音響は、音を吸収する壁によって大音量でもクリアーに聞こえ、且つ、残響によって遠近感を生じさせ臨場感を出しています。
 吐息や呟き、言葉の間も映画館の音響では生々しく響き、セリフや歌詞が " 生きた言葉 " として聞こえます。

 ぜひ、映画館の大スクリーンと良質な音響から、歌を五感で受け取ってください。
 作品の中へ入り込みましょう。

 ワルキューレはあなたに歌を届けています。

 (リピート何度目かの時に、普段アニメを観ない母が一緒に観てくれたのですが、キャラクター達がピンチになった時「私も!私が歌う!皆は休んでいて!」という気持ちになったそう。この没入感も魅力です☺️)


映画鑑賞の視点ポイント③🎬
【 音 と 映 像 で 歌 を 感 じ る 】


▼先行発表された新曲「ワルキューレはあきらめない」が映画でどう使用されるか注目👀

" " あきらめない " なにも譲らない
満たされない 愛が泣いてる
独奏(ひとり)で背負う美学?
そんなのいらない! "

(ワルキューレはあきらめない/ワルキューレ)

〈ポイント4〉座席はコックピット

 マクロスシリーズでは「可変型戦闘機」である「バルキリー」が戦闘のメインとなります。
 『マクロスΔ』の主人公ハヤテも、所属する「Δ小隊」に配備された「ジークフリード」と呼ばれる「VF-31」のパイロットです。

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 今作では、ハヤテの機体にもかなりの変化が見られます。

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 『マクロスΔ』の戦闘シーンは、引きで戦場を俯瞰するシーンとバルキリーのコックピット内にズームインするシーンがスムーズに切り替わります。

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 それを映画館の大スクリーンで観ることで、ズームインとともに自分がパイロットになり、俯瞰のシーンでコックピットのモニターから戦場を見ている感覚を持てます。

 ・パイロットが考えていること
 ・歌い手とパイロットの交流
 ・パイロット技術の成長

 これらを自分の体験として、映画館の座席で得ることができるのです。

映画鑑賞の視点ポイント④🎬
【 パ イ ロ ッ ト に な り き る 】

⇒ ● つまり...映画館で生きよう!

 ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

 ここまでに映画鑑賞の視点ポイントとして、

① 同じ空間で違う時間を生きる姿を見る
② キャラクターの言動や立場の変化を見る
③ 音と映像で歌を感じる
④ パイロットになりきる

 という4ポイントを書きました。

 これらの視点で鑑賞すると、

映画館という " 空間と時間 を共有し " 
キャラクター達と一緒に " 考え変化しながら " 
パイロットとして " 宇宙(そら)を飛び " 
 "「歌」を受けとる " 

 という

作 品 の 中 に 一 緒 に 生 き る 体 験

 ができるのではないか、と提案してみます。

 映画の各キャラクターを見ると、頑張って生きなければいけないと思うかもしれません。
 しかし、彼らも間違えたり、立ち止まったりします。
 生きる勇気や希望と同時に、生きる許しや回復を得ながら人は「生きる」。
 それを、映画館で感じてほしく思います。

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 どの映画作品ももちろんそうですが、

映 画 館 で 観 て ほ し い

 その気持ちで、映画は作られています。

 映画館で、一緒に生きられたら、幸いです。

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★冒頭5分29秒『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』


おまけ1 絶妙にダサいネーミング

 マクロスシリーズは、スマホリズムゲームも展開されているのですが、タイトルは『歌マクロス』です。


 マクロスシリーズにおいて、歌姫となるキャラクターの中には、声優さんと歌声担当さんがそれぞれ別の方の場合があります。
 その際、歌声を担当される方を「歌◯◯」と表現したりします。
 例えば、マクロス7の主人公・熱気バサラの声優さんは fateシリーズ のクー・フーリン役などで知られる神奈延年さん、「歌バサラ」は JAM Project でもご活躍されてる福山芳樹さんです。

 「歌◯◯」から『歌マクロス』のタイトルが取られたのかは不明ですが、このタイトルは制作中の仮題だったそう。
 ところが、河森監督がこのタイトルを気に入り、本決定したそうです。

 そう、監督は絶妙にダサ……古典的なユーモアをお持ちなのです!たぶん!

 ということで、

北欧神話の戦女神 → ワルキューレ

 このネーミングはとてもカッコ良い!!
 ですが・・・

ワルキューレを悪役化したような姿の新たな敵
→ yami_Q_ray (ヤミキューレ)

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 という、映画の新キャラはなんとも古典的な語呂合わせのネーミングなのです・・・。
 ワルキューレをダークサイドにしたような、闇のワルキューレのような、闇キューレ。

 一周回って、カッコ良い気が……する!!

 『マクロスΔ』は音楽面においても、プロデューサーの福田正夫氏曰く

" コテコテの歌謡曲って、逆に今、新鮮だと思うんですよね。「歌謡曲」=「ダサい」ということで、呼び方としてもジャンルとしても廃れていったんですけど、一周回った感がある。ならば、現代において歌謡曲は新しい音楽かな "

――ハイレゾで広がる『マクロスΔ』の音世界〜FlyingDog音楽プロデューサー・福田正夫インタビュー より

 という歌謡曲を取り入れたコンセプトがあります。

 この一周回って新鮮、面白い、カッコ良いのが『マクロスΔ』の特徴の1つなのです。
 映画の中でも絶妙なネーミングや雰囲気を探してみてください。

 映画鑑賞の視点"裏"ポイント🎬
【 ダ サ …… レ ト ロ さ が し ! 】

▼昭和らしさを感じるワルキューレの公式PV

おまけ2 元気と歌唱力のライブ

 なかなかユニークなPVを作るワルキューレですが、
 リアルライブのパフォーマンスはひたすらにカッコ良く、元気に、高い歌唱力を披露してくれます。

 メンバーそれぞれの伸びやかな高音や深いビブラートなども魅力ですが、なによりハモりの調和が美しいです。
 難しい5声ポルタメントも、彼女達5人のハーモニーだからより心地よく聴こえます。

 そして、ひとたびステージに上がれば、彼女達は『戦術音楽ユニット ワルキューレ』として「歌は命」「歌は神秘」「歌は愛」「歌は希望」「歌は元気」の決め台詞通りのパワーを客席に届けてくれます。
 私が本格的にリアルのワルキューレを応援しはじめたのは、マクロスクロスオーバーライブ2019です。
 マクロスの歌が聴けるなら……くらいの気持ちでいました。そこで、初めて「ライブパフォーマンス」が人に勇気と元気を与えるとワルキューレに教えてもらいました。
 客席と一緒に歌って踊って、まさに互いの「風」を感じる瞬間でした。

 彼女達のライブのパワーを伝えるには足りませんが、ライブのPVとしては大作とも言える10分超えのダイジェストをぜひおすすめしたいです。

――ワルキューレ/LIVE2018 "ワルキューレは裏切らない" at 横浜アリーナ

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