個人を通して見る近代東アジア─中国の石炭を日本に売ったイギリス人実業家─(吉井文美)
※ このnoteは「REKIHAKU 特集:いまこそ東アジア交流史」(2021年2月刊行)に掲載された特集記事の転載です。
個人の目を通してみる「外国」わたしの専門としている日本外交史や東アジア国際関係史では、基本的に国家を軸として歴史を描くことが多い。たとえば、日本外務省やアメリカ国務省などの史料をもとに、外交官や政治家など政策決定者が何を考え、どのように国家間の外交交渉を進めたのかが考察対象となる。その場合、外交政策を策定するまでに国内の諸勢力の間で展開された攻防が考察