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嫌いじゃなければ大丈夫。だって、好きなことだけで完璧に生きるって難しい。

好きな事を仕事に!みたいな話、よく聞きますよね。でもそんなに簡単なことでしょうか?

誰だって、今までの人生でひとつくらい熱中することがあったはず

そんな言葉を目にするたび、私は「うーーーん。なんだろ。」と思考を巡らせ、一度も答えに行き着いたことがない。テニス、映画、カフェ、飛行機、マイケルジャクソン、仕事、アメリカ。

どれも好きだったり一生懸命だったりした時期はあるけど、「熱中」と言えるほどではない。好きだっただけで、詳しくはないのです。

そういえば、あまり関係ないけど「一番好きな食べ物は?」とか「一番好きなスポーツは?」とか、なんてことない質問も悩んでしまう。「一番」と聞かれると途端に真剣に考えてしまうようで。

今日はそのへんのお話。

好きなことを仕事にするのは、本当に幸せなのか?

どう思いますか?ポイントは「好きなことをする」だけじゃなくて、「好きなことを仕事にする」というところ。

私はこのテーマについて、今までに何度か考えたことがありますが、今のところ自分で思う答えはコレ。

好きなことをして、誰かに感謝されて、ある程度お金が稼げたら幸せ。

例えば私が陶芸が好きだったとして、毎日制作に没頭して、その作品を誰かが「こんなのが欲しかった」と言ってくれて、年収500万くらいは稼げている。

これは私の中では結構幸せ。収入については、人それぞれ必要な額は違うと思うので300万でも1000万でも良いんですけど。

つまり、あなたに今、何か好きなことがあったとして、それを仕事として成り立たせていく場合、「他人からの感謝」と「現実的な対価(お金)」がないとちょっと厳しくないですか?・・・と思っています。

お金がもらえても、誰からも何の言葉もかけてもらえないと虚しいし、いくら「ありがとう」と言われても生活費が足りなければ現実的に辛すぎる。

好きなことを嫌いになるとき。

孤独な毎日やお金がない現状の中で、好きなことを好きなままでいられるか?これってなかなか難しいと思うんです。

私は6年ほど前、それを痛感しました。
自分の脱毛症経験からウイッグや帽子を取り扱うお店を一人で開始。店舗は持たず美容室と連携して事業をスタート。文章を書くのも好きだったので、HPで毎日ブログをアップしよう!とそれはもう、前向きでした。

でも、最初からお客さんが来るわけでもない。人と会わない日もたくさんあるし、そうなるとブログに書くことも思い付かない。そして当然、収入もほぼ無い。

こうなると、好きで始めたことが、ことごとく辛くなってくるんです。嫌いになる、というより「好きじゃなくなる」に近いかもしれません。

誰からの反応も無いしお金も底をついてくると、精神衛生的に最悪です。視野を広く持ち続けられる人は、それでもお金を調達してきて大きな打ち手をうったり出来るかもしれませんが、私の場合はダメでした。どうしても、” 来月も苦しむ私 ” がちらついてしまう。

書いていて思ったのですが、恋愛と少し似ているかも。すごく大好きでずっと一緒にいたいと思っていたけれど、一方通行の愛やヒモ同然の相手との関係は、どこかで限界がくる。もちろん、一部の例外があることは理解の上で、それもまたこのテーマと被るところかと思ったり。

そんなこんなで、当時の私はバイトをしてギリギリ気持ちとお金をつないでいました。1年位はそんな生活を続けていたでしょうか。変わったのは、結婚前に東京に引っ越して来てから。

環境が変わると、気持ちが変わる。

東京に来て、また提携先の美容室を探して同じことをするか?

私の答えはNOでした。

それには色々な理由があるので割愛しますが、結果的に私が選んだのは「ウイッグ関連の仕事はネットで続ける」というもの。これにより他の仕事をする心の余裕も生まれ、さらに5年が経過して今に至ります。

1年ちょっと前にフリーの営業になろう、と決意したときに私は「自分が何に興味があるか?は一旦捨てよう」と決めました。

理由の一つは、本当に興味があることが何なのか、自分でもよく分からないということ。もう一つは、私にとって大事なのは一緒に働く人との関係性だな、と分かってきたことでした。

一緒に仕事をする相手が刺激的だったり心地良い雰囲気だと、結構なんでも頑張れる。「これだけは絶対嫌」ということだけ見分けられれば、あとは仕事だから期待に応えようと動くことが出来る。

今が一生続くわけではない。

目の前のことを確実にやり切っていけば、それが自然と自分の経験になり実績になる。人脈も広がる。好きなことは趣味の位置付けにして続ける。今はこれが最善かな、と考えています。

私は今年38歳。順調にいけばあと50年は生きる可能性が高い。仕事はできる限り続けたいから、社会人人生も同じくらいになるかもしれない。

だったら、今の私と88歳の私が同じことをしている、と考える方が可笑しな話。

もしかしたら会社員になることもあるかもしれないし、海外で暮らしているかもしれない。そんな先の見えない状況が楽しいから、フリーランスをしているとも言える。

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「これが出来たら何もいらない!」というものがある人は正直羨ましい。でも、そんなの無くても幸せになる道はあるんじゃないかな?というのが今のわたし。

何でもいいから、どこかで感謝されて生きていくお金がもらえることを仕事に。意外と、そうやって始めたことにハマることもあるかもな、と思って出会いとタイミングを重要項目に置いています。


確実なものなんて何もない。

今で一生が決まることなんてない、と思えば柔らかくいられるものです。良いことも悪いことも、全部糧に。

10円のサポートでも、もらえた事実が素直に嬉しいです。私も同じ金額を誰かにサポートして繋ぎます!