【海外記事】文化と色の関係性3
本日もこちらの記事を読んでいます。なお、画像も以下から引用しています。
前回までは脳による色彩の認識構造から、世界各国の色の受け取り方、文化ごとに想起される色のイメージについて述べられていました。
本日もよろしくお願いいたします。
いかにブランドとの関連性を生み出すことができるか
英語を話すカナダ人は寒色系で彩られたショッピングモールの製品は高品質であるという事実を発見しました。青は最もクールな色であり、確かに品質や信頼性と関連付けられています。
多くの銀行はブランディングに青を使い、数え切れないほどのSNSプラットフォームも、そのデータのプライバシー性が重要であるために青を選択しています。SignalやDiscordやTelegram、LinkedIn、Skype、Zoomのようなアプリでも専門性と信頼性を表現するために青が使われています。
バーチャルなプライベートネットワークやその他のデジタルセキュリティアプリもよく青をブランドカラーとして利用しています。
"blue-blooded(青い血)"という言葉はあらゆる言語の中で貴族を表す言葉として使われています。君主制が実際いかに信頼性と関連付けられるのかはわかりませんが、確かに高貴なイメージを青という色は持っています。
青の持つ意味合いとしては悲しみやノスタルジックなどがありますが、これらのkとおばは英語以外の言葉においては異なる意味を持っています。
"blau sein"(青になる)はドイツ人が飲みすぎてしまった状況を表す言葉です。リトアニア人は“žydras”、ロシア人は“голубой” (いずれもライトブルー)をホモセクシャルを表す差別的な表現として使用しています。
西洋においては、ブルーカラーワーカーとは特に工場や建設、メンテナンスを行うマニュアル労働者を表しています。
白と黒
ホワイトカラーワーカーの他に、デスクワークの背後で犯罪を行うホワイトカラー犯罪者という言葉も含めてみましょう。もしかしたら彼らは自身のお金をごまかしているかもしれません。
白は純粋なものを表現する際に使用されます。レストランの白いテーブルクロスを想像してみてください。中国では、白は朝を表す色です。
白は平和(ハト)の色でもあり、白旗は降参を表しています。
もし何かを信じるなら、私達はホワイトリストにそれらを追加します。しかし、もし有害なものを見つけたならブラックリストへそれらを追加するでしょう。わたしたちは歴史の中のブラックページについて話したりします。
追放者は黒い羊と表現されます。海賊は黒い旗を掲げています。
これらの事実は、私達の言語に白はポジティブなものと、黒はネガティブなものと関連付けられているというバイアスが存在することがわかります。
黒色は主にあらゆる世代において恐怖と関連付けられています。警察官の黒い制服は青い制服よりもネガティブな感情を抱かれ、黒いジャージを着たスポーツチームは意地悪だと見なされています。
政治や宗教は色を持っているのか?
ヨーロッパにおいては、赤はしばしば労働者階級と関連付けられ、たいていバラのイメージと結び付けられます。赤はまた共産主義などにも関連付けられます。
緑は環境保護を訴えるような団体にとって都合の良い色です。緑は自然の色です。
緑はイスラム系の国では慎重に使われているようです。イスラム教では、緑は神聖な色です。アプリストアを見ればそれがなぜなのかが分かります。
イスラムの祈祷アプリを見るとその多くが緑色をブランドカラーとしていることがわかります。
結論
私達は自然と注意に関しては赤い色を使っています。この色は恐怖を表しているのでしょうか?機会を意味しているのでしょうか?それは場合によります。
私達は店内の商品の品質の高さを認知させるためには暖色系を使うべきでしょうか?寒色系を使うべきでしょうか?それも場合によります。
どんな色がスピリチュアルと関連付けられますか?オレンジでしょうか、青でしょうか。それも場合によります。
紫や黄色はそれらの精製方法が困難であるがゆえに富の象徴として認知されました。
緑はイスラム教や環境保護思想と、赤は共産主義と結びついています。
色は単なる美学ではありません。私達の色の見え方は気候にも影響されます。
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ブランドやUIをデザインする時、あなたは簡単に見た目の良さそうな色を選択してはいけません。緑色の「ショッピングカートに追加する」ボタンが売上を向上させるなどと安易に仮定してはいけません。赤色のエラーメッセージがフォーム入力の改善を促すものとして認識されると簡単に考えてはいけません。
私の記事ではたいてい同じような結論に至ります。しかしもしあなたがグローバル市場に向けてプロダクトを届けようと思うなら、届けようとしている人々のことを本当に理解する必要があります。
あなたのプロダクトは特定のターゲットユーザーに向けてテストする必要があります。私は高品質に多様な文化を許容するプロダクトを開発するには、本当の多文化デザインチームを組織する必要があると主張します。
単にあなたの住んでいる地域にいる中から多様なユーザーを探してテストをするだけでは不十分です。
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私はこの記事にはまだ多くのグレーな問題が存在していることを認めなければなりません。世界は多くの文化的な本質を抱えていますが、それらの違いを区別することは容易ではありません。
各地域や国、そして文化には色の使い方の独自性があります。このことは大体歴史や気候やその色自体の精製の難易度に起因しています。
私は寒冷な気候出身なので、温暖な文化を目にした時にしばしば羨望の気持ちを抱いたりします。彼らは非常にカラフルないろを好み、葉っぱの色は他の国よりもより強い緑を放っています。
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この記事には、文化的色彩の例のほんの一部しか論じていません。短い文章で文化的色彩の違いのすべてを網羅することは不可能です。それでも、あなたの文化的色彩の経験を教えて下さい。ではまた。
感想:あらゆる人にベストな色の選択は不可能、だからこそターゲットを絞る必要があるのかも
3回に分けて様々な文化と色との関係性を知ることができました。
記事の結論としては、「色んな文化的な背景に配慮して色を選択しましょう」という結びになっていましたが、個人的にはこれほどまでに色の感じ方が人によって違うのであれば、むしろターゲットを明確に絞ってしまってその文化圏の人に最適化した色にすることが対策としての落とし所になるのかなぁと思いました。
ただ、この記事でこれほどまでに色に対しての感じ方が国や宗教によって違うことを理解しておくと、自分たちとは違う文化圏の人たちに対してサービスを提供する場合に自分たちの感覚だけで色を選択するようなことが避けられると思いました。
デザインも手慣れてくると無意識的に様々な配慮が抜けてしまうことがありますが、様々な勉強をしながら慎重にデザインを進めていく重要性を改めて考えさせられました。
【お知らせ】
2024年5月14日(火)に大阪の京橋でデザイン勉強会と交流会を開催いたします。(過去の勉強会の内容についてはこちらのnoteを参照ください)
参加費無料、交流会のみ参加も歓迎ですので、ご興味ある方は以下のページにあるお申込ボタンからお申し込みください。
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