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もう2022年が米津玄師史上最高の年ということでいいでしょ

タイトルで言いたいことは言い切ったので残りは消化試合です。

ある人は言いました。

-米津玄師ってYouTubeの再生数が落ちてるしそろそろ落ち目じゃない?

浅い、浅すぎる。
YouTubeの数字なんて音楽の芸術価値を計る指標としては雑すぎるし甘すぎる。
あなたが音楽を聞いているであろう、その耳はフシアナですか?
いや、あなたの耳のところに付いてるのってもしかしてキクラゲじゃないですか?
ふにゃふにゃしてるし謎のシワがあるそれは何ですか?
そういえばなんで耳ってあんな形してるんですか?

というわけで(?)
今日は飽きるまで米津玄師への熱い熱い愛を込めたゴミみたいな文章をアホみたいな名前と値段でおなじみのハッピーハッキングキーボードで叩き書きさせてください。

繰り返しますが、言いたいことはタイトルで言ってるので、後は延々とタイトルの内容を引き伸ばして語るだけのハズレnoteです。残念。

今、時代が動こうとしてる

先日公開されたチェンソーマンのアニメのムービーを見ましたか?見てないならまず見てください。話はそれからです。

チェンソーマンが何であるかは説明しません。正直自分もあまり詳しくありません。

映画?いえ、これ普通にテレビ放送されるアニメらしいです。

まずアニメのクオリティに圧倒されてしまいますが動画の50秒から流れる本作品のメインテーマソング。

米津玄師「KICK BACK」





カッコイイ!!!!なんだこれぇええぇえ???

まず米津玄師お得意の「耳を食らいついてはなさない」キャッチーなメロディと気持ちの良い歌詞。

米津玄師には珍しいゴリゴリの電子音をベースにしたハードコアテクノをも彷彿とさせる激しいデジタルロックな音像に、今までに無いくらいのガナり声で歌う歌唱。編曲はあのKinggnuやmillenium paradeの常田氏も共作で入っているという夢みたいなコラボ。

どう聞いても米津玄師なのに、なんとも新しい。

いや、米津玄師感はあるはずなのに、なんでこんなに新しく響くんだろう。

自身の軸はぶらさず、でも末端のところではトコトン新しい領域を開拓し、時に遊ぶ。
自分の確固たる意思を持ったアーティストであり、クライアントの要望に2万%の作品を生み出す一流のデザイナー。

何よりも曲の後半、聞こえましたでしょうか?

「努力・未来・A Beautiful Star」

誰が2022年にモー娘。の「そうだ!We're ALIVE」と再会することを予見できたでしょうか。

(ちゃんとつんく♂にも許可とってるっぽいです)

こんなにカッコイイのにこんなにフザケやがって、、もう誰も追いつけないじゃないか


製作委員会を持たないチェンソーマンというアニメ

米津玄師がこのアニメの主題歌となっている意義が(個人的に)熱いので語らせてくれや。(誰や)

アニメってのは基本的に「製作委員会方式」というのを取っています。
ざっくり説明すると色んな会社(テレビ局、出版、広告代理店、、など)が一つのアニメをつくるお金をそれぞれで出し合って、リスクもリターンも皆で分散させましょう、という取り組み。

メリットとしてはまとまった資金が調達しやすいことと、アニメがコケたときの痛みを皆で分散できるところ。

デメリットはアニメがヒットしたときの利益も皆で仲良く分けることになることと、様々な会社が出資するのでそれぞれの会社の利権や意見に左右されること。

デメリットにおいての特に後者が大きく、例えアニメ制作会社が尖った先進的なアニメを作ろうとしても、テレビ局は「ちょっとこの表現はスポンサーが嫌うから避けてほしい」とか言うだろうし、広告代理店は「もっと人気の声優を使って注目を集めてほしい」とか意見してくる。

そうやって色んな会社の意見を吸収して行きつく先に待つのは、角が抜け落ちた無味無臭無害で透明な作品。
誰にも不快な思いはさせないけれど、誰の心にも残らない。最大瞬間風速的な売上を回収して、半年とせずに人々の記憶から消し去れられるような作品が世の中に生み出されては消えていく。

そこに待ったをかけたのがMAPPA。待ったをかけたMAPPA(なぜ二回言った)

呪術廻戦や進撃の巨人をヒットさせた今最も熱いアニメスタジオが、満を持してこの製作委員会方式にNOを叩きつけた。

「俺たちがやりたいアニメを作りたいようにつくるぜ」

それがこのチェンソーマン。

日本の最高峰のスタジオが全額自分たちの手持ち資金をぶっこんで作り出した今年最注目なアニメ作品。

もちろん製作委員会方式のようにリスクは分散されないため、チェンソーマンがコケたらMAPPAも真っ裸。MAPPAも真っ裸(5億人くらいが思いついていたダジャレ)

ただこのMAPPAの本気度が分かるものが、YouTubeのコメント欄にひっそりと残っていたりします。




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"なんでエンディング・テーマがこんなにあるんです?"
普通1つか、多くて2クール分の前後半で2つじゃない?

なんでも、このアニメ毎週エンディングテーマとエンディングの映像が違うらしい。どこに労力かけてんだよ、最高かよ

各アーティストの(恐らく)書き下ろしの新曲を週替りで映像も作り変えて流すだけでもすごいけど、だからと言って毎週無名のアーティストを使ってコスト削減を図ろうなんていう魂胆が微塵も見えない本気の布陣。

ずっと真夜中でいいのに、Aimer、TK、Vaundy、マキシマムザホルモンなど、個としてすでに大成しきったビッグネームがこれでもかと名を連ねています。

そして何よりもこの超ビッグネームたちを束ね、作品の屋台骨として、リーダーとして、毎回のオープニングテーマを歌い上げるのが俺たちの米津玄師。

確かにもはやこのレベルのアーティスト群の上に置いても文句が出ない歌手なんて日本じゃ彼くらいじゃないでしょうか。

ボカロのハチ時代から追いかけ、同じ時代にニコ動の荒波に揉まれ、何なら同じボカロ同人即売会の会場に出展していたくらいの距離感にいた彼の軌跡を考えるともう熱くてしょうがないわけです。くぅー


M八七の時点でけつあな確定してた

もう、実際そう。シンウルトラマンの主題歌、最高でした。

本当はこの曲も衝撃が大きすぎてこんなテンションでnoteを書き始めた下書き記事がまだ残ってるんですが、多分日の目を見ることはないでしょう。

それくらいこの曲の衝撃はやばかった。天才だ。

「ウルトラマン」なんていう何十年にも渡って国民たちの手垢の付ききったコンテンツにどんな歌をつくるのか。
この難題に非常に米津玄師らしい最高の回答をしたのがこの作品だと感じています。

ウルトラマンの主題歌というとこんな感じで

いかにウルトラマンが強く、たくましい存在であるかを表現する楽曲です。

この傾向はV6やら三浦大知やら時代の旬なアーティストが主題歌を担当するようになった平成以降のウルトラマンでも変わることがなかったように感じます。

でも考えれば当然です。もしウルトラマンの主題歌を作って欲しい、というオーダーが来たなら真っ先に頭に浮かぶのはウルトラマンの姿に夢を託し、勇敢な活躍を期待する少年たち、そしてかつてウルトラマンに憧れていた大人たち。
クライアントもきっと彼らのような人達に向けた楽曲を望むことでしょう。

そんな彼らの思いに寄り添い、応えようとするならばそういう楽曲にならざるを得ません。
これは無策なのではなく、むしろ優しさであり、デザイナー的なクリエイティビティです。

-しかしM八七はどうでしょうか。

「痛みを知る ただ一人であれ」

どこか寂しく、孤独で、それでも戦おうとするウルトラマン自身の心の奥に一歩踏み込んだような楽曲です。

それまでの戦う勇敢な姿を描いたフィジカルな視点から切り取られたウルトラマンに対し、非常に内面的なメンタルの部分にカメラのレンズを置き変え、ヒーローの心情を見事に音楽で描ききりました。

全く新しいのに、なんだか納得させられてしまう。新しい視点から切り取られた主題歌は、その作品自体に深みを与え、思考の余白を与えてくれます。

これと全く同じ感動を食らったのが15年前の2007年、ヱヴァンゲリヲン序の主題歌を担当した宇多田ヒカルのBeautiful Worldでした。

それまで圧倒的な主題歌として君臨していた「残酷な天使のテーゼ」に対抗するでなく、「エヴァってこういう解釈もあるよね?」とでも問いかけるような、それなのに作品の中にある空気感や心情に楽曲が溶け込み、まるでもともとこれしか正解がなかったかのようにも思わされてしまうくらいの圧倒的な力。

それまでも宇多田ヒカルは大好きだったのですが、この作品を聞いた高校生の時に自分の中で彼女の存在が他のアーティストとは全く別次元の神格化された、シンボルのようなものになってしまいました。

そしてもうこんな感覚に出会うことなんてないんだろうな、と思っていた2022年。米津玄師が15年の時を越えて自分の心のドアをぐちゃぐちゃにこじ開け、脳みそをドーパミン漬けにし、全身の毛穴に花火をぶっ刺してきました。
最後の一本をけつあなに刺し終えた彼は、「確定な。」とだけ言い残し夜のホテル街へと消えていきました。  -fin-


いや、POPSONGの時点で今年は違ってた

時代はどんどん遡り、年初にはPSのCMにも起用されました。コスプレまでしちゃって。

この曲もめちゃくちゃ好きでした。というか昨年あたりの米津玄師がむしろパワーダウンしていた気すらしていたので、ちょっと自分好みな米津玄師が戻ってきた嬉しさも相まって本当に今後の制作に注目していたりしました。

CMという特性上、最初の1秒程度で確実に耳を奪うくらいの強いメロディが求められたりしますが、そこにちゃんとバッチシ答える器用さと、ちゃんと「米津玄師」としての作家性・実験を殺さないアーティスト的な側面とを持った非常に素晴らしい作品。

このあたりの「商業的なビジネス音楽感」と、それだけじゃつまらないだろと言わんばかりの「個人のエゴ」を気持ち良いバランスで融合させて作品に昇華させてしまうセンスがすごい。

本当はこの曲についてだってまだまだ語りたいことがあるんだけど、、0時を過ぎて頭に血液が回らなくなってきました


デビュー10年、未来は見えている

noteを書き始めて調べたのですが、米津玄師は今年でメジャーデビュー10周年らしい。2012年の筆者の誕生日に米津玄師名義での初のCDが発売されました。

デビュー10年といえば、

ミスチルは、全BGMがミスチルという規格外なドラマ「アンティーク」がフジテレビで放送され、youthful daysというミスチル史に残る名曲を生み出したころ。

B'zは合計1000万枚というバグったセールスを記録した2枚ベストアルバムをリリースしたころ。

宇多田ヒカルはヱヴァンゲリヲン主題歌を次々に依頼され、海外進出をしていたころ。

米津玄師の10周年は彼らと比較しても遜色ないどころか、それ以上の活躍を見せています。

そして上記のアーティストそれぞれに言えるのが、10年の間で日本における不動の地位を築きながらも10周年前後でこれまでになかったくらいのクオリティの作品を叩き出していること。

もう「米津玄師なんて一部の熱狂的な暗いオタクたちがもてはやしている」なんてことを言う人は消えてしまいました。

世間の認知を拡げ、支持を集め、それに伴い指数関数的に大きくなるプレッシャーの中にいるはずなのに進化をやめない。

彼が日本のレジェンドとして大きなムーブメントを今後も作っていくことはもう確実でしょう。

そして20年、30年と日本の音楽シーンを背負っていく彼にとって2022年は間違いなく一つの大きな歴史を刻んだ特別な年として今後も語られると思います。

彼からもう目が離せません。あぁあライブ行きたい

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@やました
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