見出し画像

育休を600日取ってみた

僕は今、約600日間、仕事から離れています。

次男が生まれたのが昨年の9月。
予定よりちょうど1ヶ月早く生まれたのですが、長男も1ヶ月早かったので、それは想定の範囲内でした。

おそらく早産になるだろうと予測していた僕は、年次有給休暇や特別休暇の類を駆使して、夏休み、昨年8月から徐々に休みに入っていきました。

あれから1年半。

復帰まで約2ヶ月半となった今、長期の育休をとった感想をまとめ、記録したいと思い、記事を書いています。


経済状況について

僕は公立高校10年目の教員で、妻も公務員です。
育休は夫婦で取得しています。

毎月の育休手当は、
はじめの半年 僕22〜23万円 妻18〜19万円くらい 計40〜42万円くらい
半年経過以降 僕16〜17万円 妻14〜15万円くらい 計30〜32万円くらい
これにプラス児童手当や自治体の補助金などが数万円
といったところです。

正直なところ、1〜2年くらいだったら、収入としてはこれで十分でした。
ただ、あとにも書きますが、育休中の最大の敵は「物欲」
余計なものを買い過ぎなければ、という但し書きをつけた方がいいかもしれません……。

育休開始(夏)〜半年頃(翌春)

この頃は、とにかく仕事のことを考えなくてもいいという解放感で、あっという間に時間が過ぎました。

夫婦での育休取得に合わせて長男は保育園を退園、夏は毎日虫とりをしたり、電車に乗ったりと忙しく遊んでいました。

赤ん坊は生まれて半年くらいはほとんど動かないので、
もちろん夫婦どちらかはつきっきりでいないといけませんが、寝ている時間も長いし、まったく目が離せないというほどでもありません。

もし子どもがひとりで、夫婦で育休を取っていたら、自分の時間が大幅に増えることになったでしょう。
(夜はゆっくり寝られないかもしれませんが)

3歳になった長男と外で遊び続けた結果、1ヶ月で体重が3〜4キロ落ちました……。

体力的にはきついけど、精神的な充実感は仕事をしているときとは比べものになりません。

半年経過(春)〜1年頃(夏)

この頃、もう自分が社会人だという自覚は忘れ去っています笑

しかし同時に、1年間の休業は、自分の人生を見つめ直すのに十分な時間でもありました。

長男を幼稚園に入園させたことで、平日の昼間は次男と遊ぶ時間や、自分のやりたいことをやる時間が増えました。

僕は、今後の生き方を考えた末に、私立校への転職を決めました。

仕事に忙殺されていないからこそ、自分の本当にやりたかったことが見えてくる。そして、そのために行動することができる。
長期の育休がもたらした、自分自身に関する最大の恩恵が、これでした。

それから、次男がだいぶ動けるようになって、家族で旅行に行くこともできるようになりました。
自分に予定がなく、長男の幼稚園の都合だけを考えればいいので、好きなタイミングで好きな場所で好きなことができます。

育休中は、人生で一番自由を感じた時期かもしれません。

1年経過(夏)〜育休終盤(冬・現在)

この時期になり、僕の心境に変化がありました。
新しい職場へのワクワクが芽生えてきたのです。

育休取得前は、「一生育休がいい」と本気で思っていたことをはっきりと覚えていますが、
今では、「学校に行きたい」と思う自分がいる。
これは、自分にも予想外の変化でした。

長男は4歳になり、幼稚園から帰ると毎日のように友達と遊んでいます。
次男は1歳になり、活発に歩き回るようになりました。
朝は家族みんなで、昼は次男と、夕方は長男の友達も含めて大勢で、夜はまた家族みんなで遊ぶ日々。

そうなると、自分の時間は、もっぱら睡眠時間を削ることで捻出するしかありません。
仕事をしたいと思う理由のひとつは、そこにあるかもしれません。

育児は、とにかく疲れる。

そんなこと言ってはいけない、と思う自分もどこかにいますが、この際自分に嘘はつけません。
育児は、間違いなく大変です。

特に、4歳になった長男との関係。
幼稚園が休みの日は、終日一緒に遊ぶことになりますが、その中で喧嘩もするし、後悔するようなこともしてしまう。
自分が立派な親だという自信を失っていく毎日です。

大切な子どもたちのためなら何も苦ではない、と言い切れる親でありたかったけど、そうじゃない。
ずっと一緒にいたいけど、自分の人生も楽しみたい。
自分の本心を認めた上で、僕は、
仕事をしながら家族を大切にする生き方を、今は望んでいます。

もうひとつ、仕事をしたいと思う理由に、心当たりがあります。

それは家計です。

育休手当で生活は十分成り立つ、ということを先述しましたが、育休には難敵がいて、そのモンスターが、平穏な暮らしの行手を阻みます。

そう、「物欲」です。

うちは、この半年ほどで
新車1台 中古車1台 iPhone 2台 Apple Watch 2台 iPad 1台 MacBook 1台
買ってます……やべえ……(Appleばかり買っている件についてはまた別で書きます)。
そのほかにもスーツやらコートやら本やら子どものおもちゃやらもほとんど躊躇いなく買っています。

先行投資的な意味合いもありますが、とにかくお金がなくなっていくので、
働かねば
という意識が強くなります。

育休まとめ

今回の育休を取得する前は、
育休は親として当然取るべきで、仕事から離れて心身を休めつつ、子どもによりよい教育をし、家族で幸せな時間を過ごすもの
と思っていました。

今は、少し認識が違います。

育休は親として当然取るべきだという考えは変わっていません。
しかし、仕事から離れることは、心はまだしも体を休めることにはならない
子どもによりよい教育を与えられる可能性はかなり増えると思うけど、同時に、
親として未熟な部分をまざまざと自覚する時間が増える。
家族で幸せな時間を過ごしながら、
仕事や人生に関して自分の本当にやりたかったことと向き合い、前向きな気持ちを抱ける

僕にとって1年半の育休とは、このようなものでした。

なんとなくですが、育休は半年では短く、2年では長すぎる(倦んでしまう)ような気がします。

育休の適切な長さはそれぞれ複雑な事情もあるとは思いますが、これだけははっきり言えます。
誰にとっても、仕事から離れて、子どもの世話をし、育て、遊び、笑い、泣き、ともに生活する時間は、かけがえのないものになるでしょう。

最後に、忘れてはいけないのは、
パートナーの偉大さ。
陳腐な言葉になりますが、
妻は最高の妻であり、母です。
すべての家族は、この関係から始まる。
本当に、いつもありがとう。

この記事が参加している募集

育児日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?