母は偉大。その意味を教えてくれた子どもたち。
もしも自分に子どもが生まれたら、
きっと子どもは夫になつき、
私は子どもには好かれないと思っていました。
理由は3つ。
夫の方が、私より面倒見がいいこと。
ひとりっ子で兄弟姉妹のいない私は、
「自分に似ている存在」が想像できなくて、接し方が分からなかったこと。
そして、
私自身に、親、特に母に対して「好き」という感覚がなかったこと。
両親には、不自由なく育ててもらったと思ってます。
優しくしてもらった想い出もあります。
でも、それ以上に、
厳しく、時に納得のいかない理不尽な対応をされたことが、私の記憶には焼き付いているんです。
母はそれを「甘やかさない」と表現してたけど、
私はちょっと違うんじゃないか、とずっと思ってきました。
母の知らないこと、
母の考えが及ばないこと、
母の元を離れるようなこと。
そういった私の意見や希望は、
ことごとく否定され、封じられて来ました。
私を自分の手元に置いておきたい。
それが母の愛だったのかもしれない。
でも、それは私には辛かったし、
まだ若かった私にはそれを「愛情」とは思えませんでした。
だから、「愛されていない」とすら思ってました。
中学か高校の頃。
今となっては何を怒られたか覚えていないけど、
学校から帰って来るなり、玄関で母に延々と怒られたんです。
怒られている間中、私は玄関の土間に立たされたまま。
基本的に反論は許されません。
反論するだけ無駄なんです。
火に油だから。
ただその小言が納まるのを待つのみ。
でも、その日はどうにも理不尽で我慢できなくて、一度だけこう言い放ちました。
「お母さんは私が可愛くないんだ!
だから、そんな怒り方ができるんだ!」
その時の、母のちょっと驚いた顔だけを覚えてます。
その後、何がどうなったか、覚えていないけど、
大人になるまで母との関係性が変わっていなかったことを考えると、やっと言い放ったその一言も、母にとっては焼け石に水だったのでしょう。
そんな親子(母子)関係だったから、
子どもが親を好きという感覚が理解できなかったんです。
そんな私が親になったら、
子どもに愛される自信なんてなかった。
子どもを愛せるのかどうかも分からなかった。
でも、実際に生まれてみたら、
何ということだろう。
私が母親というだけで、
子どもたちは一点の疑いもなく、
私に全幅の信頼を寄せてしがみつき、
私の腕の中で何も不安はないという表情で眠る。
キラキラした真っすぐな瞳で私を見つめ、
これが「純真無垢」という言葉の意味かと思わせる笑顔を向けてくる。
小さい頃から人見知りがなく、
社交的で、誰にでもなついた息子。
時にどうにも泣き止まなくなっても、最後は私の腕の中で泣き止んで眠る。
娘は、人見知りが激しく、男性が嫌い。
パパもダメ。
一度泣き出したら、私が抱かないと泣き止まない。
世の中のお母さんたちは、みんなそうかもしれない。
でも、私はただただ「母親ってすごい」という純粋な感動でした。
そうなると、
もう可愛くて可愛くて仕方ない。
そんな子どもたちを愛さずにはいられなくなる。
母との関係の反面教師で、
私にしか注げない「母親の愛情」を子どもたちに全力で注いでいこうと決めました。
でも、
同時にこんな対局的な感情も湧いてくるんです。
「ちょっと待って。
そんなに無条件に私のこと信用しないで。」
どんなに頑張っても親に褒めてもらった記憶が少なく、
誰かにここまで思い切り愛された記憶のない私は、
自己肯定感が低いから、
愛されることで逆に不安になるんです。
私は、そんなに愛されるに足りる存在か、と。
そして、
子どもたちと会話ができるようになった時、聞いてみたんです。
「どうして、そんなにママが好きなの?」
「そんなにママが好きで、大丈夫?」
そうすると、
子どもたちはきょとんとした表情をします。
「何でそんなこと聞くの?」って表情をします。
そして、答えてくれました。
「分かんない。」
「ママがママだから。」
「ママから生まれたんだから、当たり前でしょ?」
衝撃的でしたね。
どの回答も私にとっては想定外。
私の頭には、一度も思い浮かんだことがない言葉でした。
理屈じゃないんですよね。
母親だから、好きなんです。
母親だから、特別なのだと言ってくれます。
父親に抱く感情とは、まったく別物だと、子どもたちは言います。
母親ってすごいな。
改めてそう思いました。
子どもたちの信頼に全力で応えなくちゃ。
そう思いました。
母は偉大です。
それは、
命を産むことができるというだけじゃない。
命がけで子どもを産むからだけじゃない。
子どもは、文字通り自分の身を分けた分身。
そんな子どもからの全幅の信頼に、無条件で応える覚悟があるから。
そんな風に考えています。
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