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人事本部長にインタビュー/マクロミルが目指す「人的資本経営」とは?

近年、多くの企業で推進されている人的資本経営。マクロミルも取り組みを始めており、グループ・サステナビリティレポート(※1)にも掲げている通り、「長く健やかに働ける環境づくり」を推進しています。そこで今回は、人事本部がどのようなビジョンで取り組みを行っているのか、2024年1月より人事本部長に就任した森澤隆行にインタビューしました。

森澤隆行 プロフィール
株式会社マクロミル 人事本部長

1999年成蹊大学法学部卒業。キリンビール株式会社に入社し、ビール工場での人事労務を担当。2度の育児休暇を取得しながら、本社人事の幅広い領域で経験を積む。2011年から2017年まで、シンガポールとベトナムを拠点に東南アジアのビール・飲料企業のM&A探索や買収企業のPMIに従事。ベトナム飲料企業では経営陣として参画し、人事機能の面から業績のV字回復に寄与。2018年にマクロミルに入社後、事業本部のHRBPや組織・人材開発、給与・労務、グループ会社の人事支援、D&I推進室事務局を担当。2023年に武蔵野大学大学院人間社会研究科人間学専攻臨床心理学コースを修了し、2024年1月に人事本部長に就任。現在は、組織マネジメントと並行して、メンタルヘルス向上施策や障がい者の採用・定着にも従事している。


柔軟な思考と長期的な視点で、社員のチャレンジをリード


ー人事本部のビジョンを教えてください

「社員が自らその可能性を広げ挑戦する機会と組織風土づくりをリードする」ということを掲げています。まず「社員の成長・価値向上」を起点として、「お客様への提供価値向上」、「企業の価値向上」につながり、それがまた「社員の成長・価値向上」につながると考えています。こうした好循環をつくることが大変重要ですし、私たちに求められていると思っています。ただ、これは人事部門だけでは絶対に達成できないので、さまざまな取り組みを通じて、各部門の皆さんと協働することも大事だと考えています。

マクロミルの人事本部の役割

ビジョン達成に向けて他部門と協働する中で、私たち人事パーソンが意識していることが2点あります。
 
1点目は「市場の変化を取り込む思考・行動様式」です。組織においては効率を優先するあまり、同じことを続けてしまったり、自身の効率を維持するために周囲の効率を奪ってしまったりすることがあります。そうした時に、市場の変化を取り込み変化することで、他部門、ひいては組織全体の変化を促進していくことが人事部門の役割だと考えています。そのため、より上流工程に入り込んで「巻き込み・巻き込まれる」姿勢が重要であると思います。
 
2点目は「長期的な視点と企業のCSRの視座」です。目標を単年度の利益・売り上げに置いていると思考がどうしても短期的になり、長期的な視点を欠いてしまうリスクがあります。そこで、人事部門は「長く健やかに働ける環境をつくる」という長期的な視点を持つことを意識しています。同時に、企業が社会の中で存在し社会に貢献していくため、CSRの視座を持つことも重視しています。そのためにはしっかり学習もして、社外の情報を業務に取り入れていくことをメンバーに呼びかけています。

―サステナビリティレポートでも掲げている「多様な人材が活躍する環境の実現」のため、取り組んでいることを教えてください

1) 女性活躍推進
マクロミルでは女性活躍を一層推進していきたいと考えています。女性管理職比率を短期的な目標として2027年7月末までに25%、中長期目標として2030 年には30%の必達を目指しています。2024年1月時点で23.2%ですので、定量面では一定の進捗があります。ただ、従業員の男女比率は50:50なので、近い将来、女性管理職比率も同様にしたいと考えています。

2) 遠隔地でのフルリモート勤務が可能となる「遠隔地勤務制度」の新設・導入
現在、マクロミルでは週2日出社・週3日リモートワークのハイブリッド勤務を採用し、ワークライフバランスを保てる柔軟な働き方を提供していますが、ライフステージの変化によって、東京や仙台など事業拠点の近隣県に居住することが難しくなる社員が散見されるようになりました。そこで、一定の条件で遠隔地フルリモート勤務が可能となる制度を導入(2024年7月から本格導入)。これにより、ロイヤリティの高い社員の方々に継続して就業していただけると考えています。
 
3)多様性を尊重するマインド形成
多様なバックグラウンドの方々が入社している中では、異なる文化や考え方などを前提とした構えが必要になると考えています。前提の違いによるミスコミュニケーションが生じないよう、2023年にマクロミルグループの人権ポリシーを制定しました。また、定期的にコンプライアンス研修も実施するなど、多様性を尊重するマインド形成に努めています。

互いの想いを尊重する文化を大切に、「長く健やかに働ける」会社へ


―社員にどんな気持ちで働いてほしいと考えていますか?また、そのためにどのような取り組みを実施していますか?

社員の皆さんには以下2つの気持ちを持って働いてもらいたいと思っています。
 
1)自分の仕事を通じて、会社の仲間や社会と繋がっている・貢献できているという実感
2)「長く健やかに働ける会社である」という会社に対する基本的な信頼感
 
1点目を日頃から感じてもらうためには、日々の業務の中で上司や周囲とのコミュニケーションが円滑にできていること、業務に対してフィードバックの機会が取れていることが重要だと思っています。そのためには、メンバー側からの積極的な働きかけと主体性も必要であるため、新入社員の皆さんには、「マクロミルは、呼びかければ一緒に考えてくれる人が多い会社なので、日々のミーティングやチャットなどでは遠慮なく質問や発信を」とお伝えしています。一方で、マネジャーに対しても、メンバーのキャリア観を聞きながら、マクロミルで働くことのつながりを整理し、成長実感・やりがいにつなげる目標設定やフィードバックをするようアドバイスしています。
 
2点目についてお話します。マクロミルとして健康経営を推進していることはもちろんですが、「長く健やかに働ける会社である」という基本的な信頼感があってこそ、さまざまな取り組みを展開できると考えているため重要だと捉えています。昨年初めて健康経営優良法人認定制度(※2)を申請しましたが、不認定でした。残念ではありましたが、実感値と合う点もあり、課題を明確にすることができたので逆にスッキリしたところもありました。この状況について経営陣とは真摯に何度も話し合い、中長期的なロードマップを描くことができたので、すでに多くの施策に着手しています。例えば、職場の衛生委員会の活性化やEAPサービス(※3)の導入です。こうした取り組みを通じて従業員の健康意識を向上させ、今年度こそ健康経営優良法人に認定されるよう会社一丸となって取り組んでいます。

―上記の取り組みを進める上で、大事にしていることを教えてください

 「自分は何者であるのか」、マクロミルでの仕事を通じて自分らしさを自覚・確立してもらうことが大事だと思っています。そのために、自分を語ってもらうこと、皆さんの発言や想いはとても大事にしています。会社は一人ひとりの人生の物語・キャリアの物語が集まっている場所です。人事は色々な人とお話しする機会がありますが、皆さん自分の話をする時に生き生きとされていますし、誰もが自分を語って欲しいなと思っています。自分を語ることで「自分は良い仕事をしていたな」と実感でき、感想やフィードバックをもらうことで自分では気づけなかったことに気づくことができるからです。こうしたインタビューの機会を通じて私も気づきを得ました。マクロミルには個人の体験や想いを尊重する気風がありますし、そのお陰で私も等身大の自分として働くことができていると感じます。

―マクロミルへの入社に興味を持ってくれている方に対してメッセージをお願いします

マクロミルで得られる成長機会・経験は、外から見ると少し分かりづらいかもしれません。VUCA(物事の不確実性が高く、将来の予想が困難な状況)を前提とした時代においては、常に変化を求められるので、日々の仕事で悩み葛藤する場面も多いと思います。そこから考え抜いて乗り越え、自分なりの意味づけや采配ができるようになることこそが成長だと思いますし、実際マクロミルの社員はそうやって成長を実感していると思います。マクロミルは一緒に壁を乗り越えてくれる良い人が集まっている会社なので、そうした環境で豊かなキャリアを築いていただければと思います。マクロミルに関心を持ってくださる皆さまを歓迎しています!

―最近はカムバック採用も増えていると聞きますが、マクロミルに戻りたいと考えている方にメッセージをお願いします

マクロミルは変わったとも言えますし、変わっていないとも言えるのではないかと思います。ぜひアルムナイ(卒業生)の皆さまには、クライアントや生活者の変化に対応しようと変わり続けるマクロミルに、他社で獲得されてきた経験を持ち込んでいただきたいと思っています。ご興味のある方はぜひ戻ってきていただけたら嬉しいです。

―本日はありがとうございました!


(編集後記)
最後までお読みいただきありがとうございます。
「一人ひとりの発言や想いを大事にしている」と語ってくださった森澤さん。日々のお仕事でご一緒した際や、今回のインタビューでの丁寧なご対応からも、個人の想いを尊重するお人柄がにじみ出ていました。この記事を読んでいただいた皆さまにも伝わっていたら嬉しいです。また、そんな想いを大事に推進していくマクロミルの「人的資本経営」に対して、私自身も一社員として期待感が持てました。

■インタビュー・編集
金子 満里菜(株式会社マクロミル 広報・ブランドマネジメント部)

■撮影・クリエイティブ
田代 正和(株式会社マクロミル 広報・ブランドマネジメント部)
柳川 亜紀子(株式会社マクロミル 広報・ブランドマネジメント部)


※1:マクロミルグループ・サステナビリティレポート…https://www.macromill.com/sustainability/

※2:健康経営優良法人認定制度…特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業の法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから社会的な評価を受けることができる環境を整備することを目的に、日本健康会議が認定する顕彰制度のこと

※3:EAPサービス…従業員支援プログラムの略称で、従業員のメンタルヘルス対策として精神的・身体的不調のケアを行うプログラムのこと


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