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マクロミルが「東日本大震災に関する調査」を続ける理由~データ活用で地域社会に貢献~

東日本大震災から今年で12年。東北エリアに甚大な被害を与えた東日本大震災は過去の出来事になりつつあり、住む地域によって震災風化の実感も異なっています。

2000年に創業しリサーチを主力事業とするマクロミルと、東北エリアに寄り添ったコンテンツを発信する河北新報社の両社は、大災害を風化させない、復興に向けて少しでも力になりたいという思いで『東日本大震災に関する共同調査』を毎年実施しています。

調査では、「東日本大震災による被害が大きかった岩手県・宮城県・福島県沿岸部と福島第一原子力発電所事故によって避難区域に設定された自治体に在住(以下、岩手県・宮城県・福島県の沿岸部)」、「東北地方在住(以下、東北地方全体)」、「一都三県住者」を対象に、震災意識や生活実態を経年把握し、その内容を発信しています。

今回は、マクロミルの社会への取り組みとともに、仙台オフィスの社員が中心になって行うこの共同調査の結果の一部をご紹介します。


マクロミルがマーケティングの力でサステナブルに社会貢献をしていく理由

マクロミルは、創業当初より独自に構築してきた消費者パネルを通じて、顧客企業がより深く、的確な消費者インサイトを把握できるよう、リサーチやデータ提供を通じて顧客企業のマーケティングの支援を行っています。

消費者インサイトを捉える多種多様なデータを顧客企業へ届けることで、消費者が本当に欲しいと思っている良質な商品やサービスが提供され、それにより、顧客企業が売れないものを生み出すといった無駄を無くすことにつながります。また、消費者も本当に欲しいものがないために、似たものをあれこれと買うといった無駄がなくなっていきます。
マクロミルはこうした形で、顧客企業と消費者の両者をつなぐ役割を担い、顧客企業と消費者の双方にとってサステナブルな社会共創を推進しています。

マクロミルが存在する社会的意義はここにあり、マクロミルではこれを「価値創造モデル」と呼んでいます。

マクロミルの「価値創造モデル」

仙台オフィス社員の声からひも解く、社会貢献活動を通して得られる副産物とは

そんなマクロミルの拠点の一つである仙台オフィスは、リサーチ事業の中でも「オンラインリサーチ」に特化し、アンケートのWeb画面の作成や、アンケート結果を見やすく集計するなど、リサーチの実査・運用業務を担っています。それは、「東北地方に貢献がしたい」「仙台」で働きたいという想いを強くもっていること。生まれ育った東北地方への郷土愛や、東北地方で働くことへのこだわりをもつ社員が、仙台オフィスには集まっています。

その仙台オフィスの社員が河北新報社との共同調査を始めたきっかけは、「自分たちの仕事が社会をより良くできることを実感して、誇り高く仕事をしていこう」という想い。自分たちが実施した調査が、河北新報という身近な媒体に掲載されることで、自分たちのサービスやデータの価値を実感しようと、社員自らが企画し、河北新報社へ企画を持ち込んだことから始まりました。

河北新報社の方には、何度もお時間をいただき、リサーチの重要性についてアプローチした結果、両社の「震災を風化させない」という想いが一致し、マクロミルの「リサーチ力」と、河北新報の「地元生活者に対する情報発信力」を掛け合わせた、この取り組みが実現しています。

この共同調査において仙台オフィスは、河北新報社との打ち合わせから、調査票の設計・アンケートの実施、アンケート回答回収・集計、その後の分析・レポーティングまで、一連の工程を行っています。共同調査に参加した仙台オフィスの社員からは、取り組みを通じて、震災を風化させないことにつながっているという実感や、普段の業務を超えた経験にやりがいを感じているといった声があがっています。

■東日本大震災に関する共同調査に参加した社員の声 ※一部抜粋
・実際の紙面を見た時に、調査が地域の皆さんへとつながったという実感が湧きました。記事を読んだ人が1人でも多く震災について考えてくれたら、震災を風化させないことにつながるのではないかと思います。

・河北新報社からは、「来年以降もぜひこの調査を行っていきたい」というお言葉をいただいており、非常にやりがいを感じました。仙台の他のメンバーとも連携して継続していきたいです。

・一連の業務を通して、他部署の業務理解や普段の業務では気が付けなかった視点を得られるなど、実りのある経験となりました。

・毎年調査を実施しデータを蓄積することで、将来的にも有意義なデータになると思うので、今年も無事に実施することができ安心しました。
個人的には、採用面接の時から当取り組みに参加したいと申し出ていたので、参加することができよかったです。
また、普段は行っていない調査設計やデータ分析も経験することができ、以前よりも市場調査の全体像が見えたなと実感しました。
仙台にオフィスがあることの意義を果たし、今後も仙台・東北の力になれるよう頑張ります!

東日本大震災に関する共同調査の概要

マクロミルと河北新報社が共同で開始した「東日本大震災に関する調査」は、2017年から開始し今回で7回目を迎えました。毎年、調査をもとに岩手県・宮城県・福島県の沿岸部、東北地方全体、一都三県との震災意識や生活実態を経年把握し、どのような変化があるのかを発信しています。今回は、マクロミルが保有する消費者パネルから20~70代の1,484名を対象に、2023年1月27日(金)~2月1日(水)の5日間で調査を実施しました。

■調査概要
調査名   :東日本大震災に関する調査
調査主体  :マクロミルと河北新報社の共同調査
調査方法  :インターネットリサーチ
調査対象者 :東日本大震災による被害が大きかった岩手県・宮城県・福島県沿岸部と福島第一原子力発電所事故によって避難区域に設定された自治体に住む在住の547人、東北地方6県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)在住の1,172人、比較対象として一都三県(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)住者の312人の、いずれも20~70代の男女
調査実施期間:2023年1月27日(金)~2月1日(水)

震災の風化実感、約7割。震災を今でも頻繁に意識、東北地方全体で約4割

震災を風化させないという想いから始まったこの共同調査。今回の調査結果から2問だけ抜粋してご紹介します。

「あなたは、東日本大震災が風化していると感じますか?」の質問に、「感じる」と答えた方は、岩手県・宮城県・福島県の沿岸部では66.4%(とても感じる17.0%+やや感じる49.4%の合計)、東北地方全体では65.6%(とても感じる14.7%+やや感じる50.9%の合計)、一都三県が最も高く70.2%(とても感じる14.4%+やや感じる55.8%の合計)でした。いずれの地域でも約7割の方が風化を実感しています。

東日本大震災の風化実感(エリア別)

もう1問、「東日本大震災のことをどのくらいの頻度で意識していますか?」の質問に、「週に1度以上」と高頻度の回答をした人の割合は、岩手県・宮城県・福島県の沿岸部と、東北地方全体で約4割、一都三県では約2割でした。いずれの地域も下降傾向ですが、特に2021年を境に、被災地から離れた一都三県の下降が顕著で、徐々に開きが大きくなっていることが分かります。

東日本大震災を「週に1度以上」意識する割合(エリア別)

その他の調査結果のトピックスは、こちらからご覧いただけます。

今回の調査から約7割の方が震災の風化を感じていることが明らかになりました。東日本大震災から12年が経ち、被災地の復興が進む中で、風化していると感じる人が多いのかもしれません。

マクロミルが震災への意識を調査し、その傾向を把握し発信することで、被災地域から離れた地域の方々にも、復興への取り組みや今後の防災への意識を高めることに少しでもつながればと考えています。

今後もマクロミルは、定点調査を続けることで、人々の意識の変化をデータに基づき明らかにし、地域社会に貢献する取り組みを継続していきます。

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