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仙台・東北をリサーチとマーケティングの力でより良くしたい ~仙台オフィスの社会貢献活動~

こんにちは!いつもマクロミル公式noteをご覧いただきありがとうございます。
突然ですが、マクロミルは国内にいくつの拠点があるかご存じですか。新宿オフィス(東京)、関西支店(大阪)、名古屋営業所(愛知)、仙台オフィス(宮城)と、東京港区の本社の他に4拠点を構えています。今回は、拠点の1つである仙台オフィスが取り組む、東北エリアへの地域貢献活動についてご紹介します。

1.仙台オフィスってどんなところ?10周年・100人超・リサーチ運用チーム

 マクロミルの仙台オフィスビルは、ケヤキ並木が美しい仙台のメインストリート「青葉通り」沿い、仙台駅から地下直結で徒歩5~6分の場所にあります。開設から今年でちょうど10周年になりました。

仙台オフィスが入る「青葉通プラザ」

 私たちマクロミルグループは、企業や自治体、大学などのマーケティングのお手伝いをしている会社ですが、仙台オフィスのスタッフはリサーチの実査運用業務を担っています。例えば、クライアントのご要望に沿ってアンケートのWeb画面を作成したり、アンケート結果を見やすく集計したり、など。開設当時は7人だった社員数も、東北エリアを中心に採用を拡大し、現在は100人を超える規模になりました。

仙台オフィス執務エリア。コロナ禍はリモートワークを導入し、柔軟性のある働き方に対応。

2.仙台市や東北エリアにおける地域社会貢献活動を強化

仙台オフィスでは、普段の業務で身に着けたスキルやノウハウを活かした地域社会貢献の取り組みを強化しています。大きく2つの取り組みがあり、1つは、宮城県の新聞社である河北新報社様と毎年3月に実施している「東日本大震災に関する共同調査」、もう1つは、仙台市観光課様との「東北・仙台市の観光地活性化に向けた取り組み」です。

活動を率いるこちらの2名に、取り組みの背景や活動内容などについてお話をうかがってきました。

株式会社マクロミル 上席執行役員 小池直(こいけ・なお)
株式会社マクロミル 第1事業本部 オンラインリサーチ部 設楽祐太朗(したら・ゆうたろう)

3.河北新報×マクロミル『東日本大震災に関する共同調査』

―どのようなお取り組みでしょうか。背景も教えてください。

設楽:河北新報では、毎年3.11が近づく2~3月にかけて、2011年の東日本大震災に関する報道記事が掲載されています。その一環で、2017年からマクロミルが震災に関する意識調査を協力しています。
具体的には、調査票の設計からアンケートの実施、回答回収、集計・分析、レポーティングなどで、被災された皆さんの声をカタチにする取り組みです。リサーチ、データ集計といった、まさに私たちの日々の業務スキルを活かすことができるため、私たち仙台オフィスのスタッフが行うべき社会的使命だと感じています。
大災害を風化させないために、被災者の皆さんの震災意識や生活実態を経年で把握し、発信するお手伝いは、復興に向けて少しでも力になりたい、という想いで取り組んでいます。

取り組みを始めたきっかけは、当時の仙台オフィス拠点長の、「自分たちの仕事が社会をより良くできることを実感して、誇り高く仕事をしていこう」という想いでした。仙台オフィスのメンバーは、社内での業務がメインのため、社外接点があまり多くはありません。自分たちの仕事が、社会にどうつながっているのか実感しづらい部分があります。自分たちが実施した調査が、河北新報という身近な媒体に掲載されることで、自分たちのサービスやデータの価値を実感しようと、河北新報社様へ企画を持ち込みました。

「震災を風化させない」という想いが両社で一致

 ―企画を持ち込んでみて、先方の反応はどうでしたか。

 設楽:東北エリアでマクロミルの認知があまり高くないという課題もあり、地域密着型の新聞である河北新報に、なかなか想いが届かない期間がありました。何回もお時間をいただいて、マクロミルがどのような会社か、アンケートを通じて集める消費者データの質や価値、そしてリサーチの重要性についてご紹介しました。次第に、少しずつ理解いただくとともに、震災を風化させないという想いが一致し、マクロミルの「リサーチ力」と、河北新報の「地元生活者に対する情報発信力」を掛け合わせた、この取り組みがスタートしたんです。

―実際に共同調査に取り組んで、どのようなことを感じましたか。

設楽:実際の紙面を見た時に、調査が地域の皆さんへとつながったという実感が湧きました。東北エリアに甚大な被害を与えた東日本大震災から今年で11年が経過しましたが、その記事を読んだ人が1人でも多く震災について考えてくれたら、震災を風化させないことにつながっているのかな、と。

この取り組みをご一緒した河北新報社の高橋様からコメントをいただきましたので、ぜひご紹介させてください。

河北新報社 岩沼支局(元震災報道班)高橋 鉄男 様
河北新報社は2017年から毎年春、マクロミル社の無償協力をいただき、東日本大震災の岩手、宮城、福島3県沿岸部の被災者らを対象にネットアンケートを共同実施しています。暮らし向き、復興事業の評価など、20~70代のモニター約1,500人の回答を基に、専門家を交えて分析しています。
今年で6回目を数えました。何もかもを無慈悲に奪われたあの日から11年の歳月が流れましたが、いまだに地域経済は復興途上で、暮らし向きは非被災者よりも被災者が苦境に立たされている―。コロナ禍にあえぐ地方の実情がにじむ調査結果となり、継続調査の意義を改めてかみしめました。
共同調査は、被災者の置かれた現状を掘り起こし、広く伝え、心を寄せてもらう貴重な機会と捉えています。10周年を迎えた仙台オフィスの皆さまとともに、今後も協働し、被災地の新聞社の使命を果たすことができればと願っています。

2022年2月28日付 河北新報 朝刊 調査協力:マクロミル

 設楽:調査では、被災者と非被災者の震災意識を比較していますが、被災者の方が、震災の風化を実感しているという結果が出ました。これからの防災のためにも、震災を風化させないよう、今後もしっかりとデータを取って、河北新報の記事の手助けをしていきたいです。

また、この調査は、毎年の意識変化を見ていく「定点調査」であるため、同じ設問でアンケートを取って、スコアの変化を時系列で見ていますが、社会情勢に合わせた調査内容のアレンジも考えています。例えば、被災と新型コロナウイルスの流行による生活苦といった関係性があると思われる部分を深掘りするなどです。時代に合わせた調査を行って、被災者の意識を多角的に把握していけたらと思っています。

―設楽さんありがとうございました。生活者の声を社会に届けることができるリサーチの重要性を改めて認識することができました。これからの防災のためにも、ぜひお取り組みを継続していただきたいと思いました。

4.仙台市の『魅力・観光』×マクロミルの『マーケティング力』

―続いて、仙台市様とのお取り組み内容や背景を教えてください。

 小池:以前から、リサーチを活用した、仙台市様のイベント参加などは行ってきましたが、仙台のためにもっとできることがあるのではないかと思ったことが始まりです。私が大切にしている“せっかくやるなら精神”で、仙台市様が本気で取り組む施策に対し、マーケティングやリサーチで支援することが本質的な地域貢献につながるのではないか、と。仙台市様のホームページでお取り組みを調べ、「観光」「街づくり」「ベンチャー企業支援」に着目しました。まずは、「観光」に焦点を当てて社会貢献をするべく、仙台市に企画を持ち込みました。

河北新報社様と同様に、仙台市様もマクロミルにはあまり馴染みがないため、最初はマクロミルを知っていただきマーケティングやリサーチの力を理解いただくことからスタートしました。そして、仙台観光について「現在地」を可視化するべく、消費者アンケートの結果をレポートにまとめ、課題点も明らかにする形でご紹介しました。 

仙台の観光を支援するパートナーとして

―仙台市様からは、どのような評価をいただけたのでしょうか。

小池:仙台市観光課のみなさんに、この調査レポートの重要性について感じ取っていただくことができました。そこから、仙台市の観光関連の事業者様向けのセミナーへとつながり、「仙台の観光のこれからを考えるセミナー ~観光ブランディングと観光地域づくりに向けて~」に登壇させていただく機会をいただきました。当日の講演は、動画でもご覧いただけます。

お取り組みをご一緒した仙台市観光課、仙台観光国際協会の皆さんからコメントをいただきましたのでご紹介します。

仙台市観光課様のコメント
仙台市では、令和4年3月に「仙台市交流人口ビジネス活性化戦略2024」を策定し、アフターコロナの交流人口の回復とさらなる拡大を目指し、重点プロジェクトの一つとして「観光×デジタル」を掲げ、様々なデータに基づいて、ターゲットを明確にした取り組みを推進することとしております。
その中で、本市の観光分野における「現在地」を知ることは喫緊の課題であり、今回の調査で主要都市との比較や本市の観光満足度などといった、観光施策を検討するにあたり大変重要なデータを得ることが出来ました。
これはマクロミル様によるモニター調査だからこそ得られたものであり、また、観光関連事業者向けのセミナーにより、地域全体で共通認識を持つことができたものと感じております。
今後も連携し、多くの方に本市を訪れていただけるよう取り組んでまいります。

仙台市観光課 コンテンツ創出係、(公財)仙台観光国際協会 総務企画課の皆さん

小池:一連の取り組みについて、仙台市の郡和子市長にもご評価をいただき、仙台オフィス開設10周年を目前に控えた2022年7月に表敬訪問の機会をいただきました(仙台市ホームページでのご紹介記事)。開設からの成長や、仙台市での地域貢献活動について、代表執行役社長 グローバルCEOの佐々木とともにご報告をしてきました。

左:佐々木、中:仙台市 郡和子市長、右:小池 
仙台市の観光課、企業立地課のご担当者様を交えた歓談

小池:調査企画、調査の実施、データ分析、レポーティング、報告会までを一気通貫で支援させていただいたことに対して感謝のお言葉とともに、今後、このデータをどう活用していくかについてもぜひ支援を、とお話をいただきました。

―これからの目標を教えてください。

小池:「仙台市の観光客を増加させること」を目標として、これからもマーケティングのご支援を継続していきたいと考えています。もう1つ、この活動に一緒に取り組む仲間を増やし、さらなる成果を残すことで仙台市長に表彰されることを夢見ています(笑)。 実際、私は、そこまでできるなというゴールのイメージが持てていますし、マクロミルの社員が培ってきたスキルやノウハウが存分に活かせる活動だと思っています。ゆくゆくは仙台市から東北地方の他エリアへと活動の幅を広げていきたいです。

5.活動の原動力は「地元地域への想い」

 ―ここまで、様々なお取り組みについてうかがい、仙台・東北エリアへ貢献したいという強い気持ちを感じました。仙台オフィスで地域貢献活動が盛んな理由は何だと思いますか。

 小池:私は新卒採用の面接に関わっていますが、仙台とその他のエリアで異なる特徴があります。仙台オフィス採用では、「仙台」で働きたいという人が圧倒的に多いんです。理由を聞くと、「東北地方に貢献がしたい」、さらに「なぜ?」と聞くと、挙げられるキーワードは、そろって「東日本大震災」でした。生まれ育った東北地方への郷土愛が強いことも感じ、東北地方で働くことへのこだわりが、このエリアの皆さんの中に強くあるんだなと感じました。また、東北地方ではあまりマーケティングやリサーチが活用されていないことも多いため、活用されることでより良い商品・サービスが広がっていくことに貢献したいという気持ちが本当に強いんだなというのを感じます。

設楽:私も仙台市出身で、仙台オフィスで働く1人ですが、私自身も含めて地元愛が強いっていうのは本当に感じますね。マクロミルに限らず、周囲の友人もそうで、地元に貢献したいという気持ちが強く、多くの人が宮城県内や東北地方で就職しました。

東北に貢献したい、マーケティングやリサーチの力で東北エリアにより良い商品・サービスを広げたい、より良い街にしていきたい、そんな方にはぜひ私たちの仲間になっていただきたいです。そして、東北から全国へ、マーケティングやリサーチの価値を発信していけたらと思います。

―小池さん、設楽さん、本日はありがとうございました。


■インタビュー、編集:
度會 早苗(株式会社マクロミル 広報担当)

■カメラ、画像:
柳川 亜紀子(株式会社マクロミル クリエイティブ担当)

 


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