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美しが丘小学校の坂登った、一番上の丘のところが好きです。

美小の坂を登って、鉄塔の手前を曲がってすぐ左に入って、Yの字の左側の道を上がっていきます。駐車場の手前ぐらいのところが丘のてっぺんで、すごく景色がいいんですよ。川崎市と横浜市の境の、ちょうど尾根のてっぺんですね。
夕日が山の奥に沈むのがはっきり見えるんです。天気がいいと、丹沢のその先に富士山がきれいに見えるのが、山好きとしてはポイントが高いです。おそらく、富士山のてっぺんに夕日が沈むダイヤモンド富士と言われるやつが、時期が合えば、多分ここからでも見えるんですよ。まだ見たことないんですけどね。毎日、歩きやバイクでここ通って、今日は富士山見えるかなあ、って思ってます。景色がきれいだったらバイク止めちゃいますね。今年の冬は空がきれいだったので、よく見てました。太陽って月日と共にかなり動くんですよ。だんだん東に動いて、今、鉄塔の先くらいです。そしてまた西に戻ってきてます。どこまでいくんだろう。ギリギリ富士山くらいかな。

私、3年前の夏に富士山登ってきたんですけど、山頂に登った後にここを通った時、富士山がすごくくっきり見えて、なんかこう、富士山にいる自分と、今この丘にいる私の目が合ったような気がしたというか。なんでしょう、パラレルワールド的な感じというか。なんかすごい、富士山に見守られてるなーっていう感じがしました。すごく遠いんだけど、行ったことがある場所って、なんかそこに自分の分身がいるというか。その時自分が見た景色とかが残ってるから、だから富士山見るだけで、富士山から見た景色が思い浮かぶんですよ、いつも。あの日はいい天気だったな、とかすごく楽しかったな、ってことを見るたんびに思い出せるというか。どこかの山の山頂や、近くの湖、東京の高いオフィスからでも、富士山が見えたらきれいだな、って思うじゃないですか。でも富士山からは富士山が見えないんですよね、自分がいるから。だからなんかこう、そういう意味では、山頂に着いた時、富士山がない物足りなさはあったんですけど、でも日本一の標高だからやっぱりすごい、一番空が広いというか。で、木もないしどっから見てもいい景色で、標高が高い割には街とかが見えたりもして。あの日はめちゃくちゃ晴れてました。超ラッキーなことに。

この丘のてっぺんの、富士山が見えるのの反対側には、新宿やスカイツリーまで、都内の街並みが見えるんですよ。でももうすぐ新しい家が建つから見えなくなっちゃう。最近すごく街の開発進んでるじゃないですか。小・中、地元の学校だし、ずーっと住んでて思い出があったんですけど、結構思い出だった場所、なくなっちゃってるんですよねー。例えば、公園の目の前、あそこのサイゼリアでしょっちゅう打ち上げとかしていて、学生の頃の思い出がたくさん詰まってたりとか。あと、東急の屋上のゲームセンターも。放課後によくUFOキャッチャーしてました。東急のスイミングスクールも場所が変わってたり。10歳まで住んでた、今取り壊し中の郵政の社宅も。住んでた棟の目の前にあった、ソリ滑りをしたり草笛吹いたりしてたあそこも今は入れない。今はギリギリ私たちが住んでた棟は壊されてないんですけどね。
開発進んでいて、商店街にも新しい建物がかなりできたりしてるじゃないですか。すごくおしゃれなんですけど、なんというか、なんかこう自然が人工的な感じするんですよね。一応緑入れたけど、って感じがするんです。もっと自然が自然のままだったらいいのになー、と思います。自然って、なんかこう、成長して姿が変わっていくのが楽しいじゃないですか。もっと時間を楽しめる形で植物とか取り入れればいいのになーと思います。

美しが丘って名前負けしない街だな、って思ってます。美しいし、ちゃんと丘があるな、って。で、結構丘が急なんです。つい最近、駅から丘までの標高差を調べたんです。そしたら、33メーターありました。意外とちゃんと登ってます。
たまプラーザって、なんでたまプラーザなのかな、ってすごく昔から思ってるんですよね。カタカナが入ってる駅名ってあんまりないじゃないですか。だからなんか覚え易いですけど、まったく聞き馴染みのない人には、なんだそれ、って反応される。たまプラたまプラって言ってると、高確率で、鎌倉って聞き間違えられることも多い。でもたまプラーザに住んでる人って、たまプラって名前がすごく好きだなって思うんですよね。なんかこうなんていうのかな、ちょっとドジな子の方が愛敬がある感じがするというか、なんかちょっとダサいけどそれがいいよね、実は好きなんだよね、たまプラーザ、みたいな感じかな。中学の友達の間ではそんな感じ。たまプラは、横浜の中ではおしゃれな街だと思うんですけど、ダサい駅名ランキング、ベスト・テンには入ってる駅名らしいんですよ。でもなんかこう、そういうところもたまプラらしくていいよね、って言っちゃうように感じてます。

インタビュー:2020年 夏

この度、2014年から発行を続けてきた冊子「街のはなし」1号〜9号を1冊の書籍にまとめることになり、クラウドファンディングを始めました。

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昭和のニュータウンの温故知新。
住民のまちづくりの努力の蓄積と街の成り立ちを共有したい。

100人のナラティブ・地域の変遷と社会の変化を伝える 記憶を記録する本
たまプラーザ「街のはなし」書籍化プロジェクト

すでにご寄付をいただいている方には、御礼申し上げます。とても励まされております。そして、これまでご協力・応援してくださったみなさまにも、オンラインの寄付を通して、書籍化プロジェクトの仲間になっていただけたら嬉しいです

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企画・文: 谷山恭子
写真:小池美咲

編集・校正: 谷山恭子・藤井本子・伏見学・街のはなし実行委員会

発刊:街のはなし実行委員会


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