約5年ぶりの転職で大切にしたこと。
なぜ、書いたのか?
これを書いている今現在(2023年9月上旬)、4年9ヶ月勤めた現職を卒業し10月から新天地に移ります。せっかくの機会なので、今の気持ちや今回の転職活動で大事にしたことを備忘録として残しておこうと思いました!
そのため、私的な部分も多く共感想定n数はかなり僅かであることは確実ですが、何かしら誰かの琴線に触れる部分があれば幸いです。
まずは、今の会社にお礼を言いたい。
忘れる前に先に書いておこうと思います。この記事を書いている現時点ではイノベーション(BtoBマーケティング支援)に勤めさせて頂きました。ここでの経験を積めたことで間違いなく次のステージに進むことができたと思っています。本当にありがとうございました!
※入社してから取り組んだことなどは以下となります
(注:Wantedlyのプロフは10月以降に更新していると思います!)
この5年間の変化
きっと皆さん同じかもしれませんが、自分が入社した2018年から現在までの5年間は色々なことがありました。Web3.0、GAFAM→マグニフィセントセブンの台頭、パンデミック、緊急事態宣言、ウクライナ戦争、ロシア・中国との関係性、物価上昇、円安、東証の市場再編、PBR1倍割れ企業のTOPIX比率、インフレ、安倍総理の銃撃事件、生成AI技術の発展etc‥
各年の流行語を見ると#Mee too運動、One TeamといったSNSを活用した発信、団結の重要性を示したものから「愛の不時着」(面白かった)「あつ森」といったコロナ(ステイホーム)による過ごし方の変化を余儀なくされた背景も目立ちます。自分たちの価値観自体は"ニューノーマル"といった、よく思うと矛盾した概念やストレスに圧迫された日々(コロナ警察・SNSでの誹謗中傷)だったと感じます。
個人的にも公私共に色々あり、前述のコロナによる働き方の変化から価値観の見直し・棚卸しに自然と向かいました。
言葉遊びみたいになりますが、ワークライフバランスからライフワークバランスが思考の土台になり、どこか滅私奉公のマインドから、仕事は人生・生活をアップデートする役割の1つのパートと感じるようになりました。
再婚
事故(自転車で転倒)
マイホーム・マイカー購入
ペットを飼う(ポメラニアン♂)→ヘッダの子です
親の体調不良
管理職→専門職へ
SaaS(10→100フェーズ)→メディア(0→1,1→10フェーズ)へ
自身が身を置いていたビジネス環境では、セールステック/マーケティング系のSaaSプロダクトを扱っていたため、市場は資金調達の活性化、T2D3を叩きだすプレイヤー、ARR100億超えの企業がニュースを賑わせ、ポストユニコーンやスタートアップ企業の台頭など群雄割拠のレッドオーシャン。
当然プロダクトも日進月歩で進化し続け、隣接ツールとのAPI連携、PaaS活用による利便性強化、M&Aによる提供価値領域の複合化・多角化により「やばい、○○社イケてる!」「先を越されたー!」の連続でした。
そんな折に、2022年秋に管理職から専門職にミッション変更したことで棚卸しする時間が生まれ、「これからどうやってバリュー出すのか?」「社会に還元できる自分の強みや深めたい経験って何だろう?」と考えることができました。
同時にGoogleの20%ルール、ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)にある、有限の資源となる時間の使い方、有意義な仕事について考えることが増えました。
今の環境や仕事に対する不平/不満は微塵もなく、純粋にもっとワクワクしたいというある種アニマルスピリッツ的なものがまずきっかけでした。世の中はカオスで先は不透明、複雑な問題があちらこちらにある中で人生は一回きり。そこに自らの市場価値と向き合い、キャリアって漂流していくからこそ楽しいだろう!という想いが沸々と生まれ自然と転職について考えるようになりました。(ロマンと算盤的な発想といえば聞こえが良いですかねw)
そういった意味ではビズリーチのCM「スカウトはキャリアの健康診断」は正に言い得て妙でした。(これ考えた人、まじで天才です)
転職動機の源流
漂流すること
また、20代の時に読んだ神戸大学大学院/金井教授が提唱した書籍で紹介されていた「キャリアドリフト」論に当時感銘を受け、この節目に改めてこのタイミングだ、と直感的に感じるものがあったことも後押しの要因でした。
このようなWillにもとづいた思考は、抽象度の高いイメージが中心となりますが、具体的に落とし込む際には、ベストセラー「転職の思考法」のフレームが役立ちました。
自分を商品と捉え、下記ご覧のようにマーケットに対してバリューを高められる要素を3軸で考えます。仕事の価値は、業界編成(再編)、外圧、人口動態や社会課題とペインの深さなど様々な変数で変わるもの。
だからこそ、定期的に仕事で提供できる価値と市場での相対評価の現在地を見つめ、"空席"や"エスカレーターの矢印(昇っているのか、降っているのか)"を考えることが大切だなと。
業界の生産性はバーティカルな方が課題感はニッチになる。しかし、提供価値が高いがゆえに製品単価も高くなることに相関します。
また一方では、提案難易度は上がり、TAMで見るかSOMで見るか(テクニカル面でそもそもエンドユーザーにリーチできる土壌感とプロダクト力のバランス)で生産性や活性化の時間軸が大きく左右されるのも事実です。
であれば、前述のSaaS市場の市場傾向にあるように汎用性の高いプロダクト・ドリブンでTAMを見据え、サービスの複合化・多角化を目指しながら大きな社会課題を解決することにコミットする企業風土(パーパス/MVVで可視化されているなど)が自分に合うと感じました。
テックツールを担いで感じた問題意識
日頃、マーケティング系のSaaS製品を提案していると、組織の課題としてサイロ化を目の当たりにします。
アーリアダプター、情報感度の高いプロダクトユーザー層とリテラシーが低い上層部との課題解決に対する思考の乖離(=「決裁の壁」)、情報共有の形骸化、部門間の分断やコンフリクト、属人的な環境による非効率な業務と形式的なツール導入(手段の目的化、KPIのKGI化など、SFA/CRMの非ワーク
環境)と一気通貫で価値提供ができない構造を痛感しました(ダジャレみたいになった、、)
要は、イネーブルメント(=平準化への仕組み設計)ができていない企業がまだまだ大半なんです。
(ご興味がある方は関連書籍を取り上げたのでどうぞ)
そんな中、曖昧な表現になってしまいますが、働くのなら顧客の喜ぶ顔が見える、事業活動を通じて自分自身もやり甲斐を実感できる"肌触り感"を潜在的に希求していることも分かってきました。
これは換言すると、B to Cの感覚を持ち合わせた企業(実際、C向け製品を展開している)が望ましいとも言えました。というのも、15年ほどBtoBの業界に身を置きましたが、過去の発注経緯やコンペ勝利の背景には必ずしも論理だけで全てが決まっているのではなく、発注者・担当者・決裁者一人一人の感情があり、その裏には昇進や評価、QOL、良質な人間関係を大切にする個人本来が求める本能的なアナロジーが潜んでいたと思っています。
つまり、日頃自分たちが理屈だけではなく、嗜好品やコモディティ商品でさえも、購入後の未来や日常のちょっとした高揚感をイメージしながら衝動買いをする感覚はマーケティング的にも顧客体験(カタルシスの設計)としても大切な感覚だと思っています。(顧客の購買体験の最たる手法の一つがPLGと考えています)
コンポーネント型のERP製品は、粒度の細かな課題を解決にして中小・零細・事業主の業務環境を便利にする魅力があります。そして、そこだけに留まってしまうと業界の生産性は"上りエレベーター"になりません。
最終的にはその業界全体のバリューチェーンや調達に関する課題を統合的な形でカバーするプロダクト展開が非連続な成長につながります。
加えて、これまでのキャリア・年齢から考えた時にポータブルスキル(アプリ)を増やすことより、様々な局面でレジリエンスを磨き、難局を脱し企業成長への貢献・自己成長につながる経験の幅と深さ(OS)を進化させることが優先度の高いことだと感じていきました。
言語化する(壁打ち)
そんな中で2023年初めからメモから始まりエージェントさん、家族など周囲に聞きながらブラッシュしていきました。
(セカンドオピニオンは積極的に取り入れながら、チューニングしました)
エージェントさんは数多くの候補者・企業担当者と会い、圧倒的な情報量を持っているため、案件の相談だけではなくキャリアカウンセリング(転職動機や背景ストーリー立ての整合性など見てもらう)をしてもらいました。
リファラルでもダイレクトリクルーティングでも転職の入口は多様化している昨今ですが、結局「なぜ、転職をするのか、なぜ、この会社(業界)に入りたいのか」の解像度を高める内省の精度が入社後のモチベーション・意義につながると思います。
また、最近は重要なポジションを希望するほど、バック(リファレンス)チェックを取り入れている企業も多いので、職務経歴書の内容と今後のキャリア軸に筋が通しておくと良いでしょう。この辺りは言語化してカジュアル面談で担当者の反応を見たり、信頼できる身内やエージェントに確認してもらいます。
言語化の最初にする作業はコンパスを持つことでした。まずは、方角を決めにいきました。この時にいきなり「○○業界に興味がある」「○○のプロダクトを扱いたい」「○○(企業)に入りたい」と個別具体的な入口から入ると、ミスマッチが起きやすく結果的に受け入れ側の企業様にとっても自分にとってもリスクだと考えました。
(本能的にアンテナが立ったところに入社することを否定はしません)
そこで、何度も何度も書いては修正し書いては訂正することを繰り返し
自分なりに腹落ちできそうな粒度まで砕いていきます。
自分の気持ちは日々ちょっとした出来事や刺激で変わるので、身近な場所に"内省ノート"を置くかスマホのメモやGoogleドライブ(notionなどなんでもOK)で更新性とアクセス性を担保します。スマホからでもPC/タブレットでもどこからでもすぐに書き直せる環境にすることがポイント)
セールスでも受注要因(顧客が買った理由/偶発的な要素が多い)より、失注原因(顧客が買わなかった理由/型化と再現性の強化で打率を高められる)に成功のヒントがあるように、転職活動もAs-Is【現在】→To-Be【理想】の現状把握とやりたいことよりやりたくないことを挙げ、自問自答すると返って心の声が顔を出してくることが多かったです。
動くときにまとめたこと
転職条件の優先順位(序列にするほどエージェントは動いてくれる)
希望企業の属性(スカウトをくれたエージェントとのやりとり円滑化└CAGR、各種数値の推移(ARR、NRR、ARPU、Churn)
ファンダメンタル(深い理解/将来性の確認による安心感や熱量醸成) └上場企業は、決算資料やログミーファイナンスで確認
転職後に強化したい強み(希望職種の背景説明に効果的)
キャリア軸【短期:1-2年 中長期:3-5年】(自分の目標設定に作用)
強みと弱み(強みから得られた経験、実績の横展開→希望職種への転換)
エントリーする企業へのリフレクション(※下記)
決算資料で見たポイント
この辺りも参考として見ておくと企業体力が分りました。スタートアップの場合は非開示のものが多いため、資金調達関連の取り組み(ラウンドがどこか?)、奥行き感をみる時は口コミサイトやSNS(note、You tube、X、ブログ等)をチェックしました。
とは言え、自分で全部収集するのは工数も増えるため、適宜エージェントさんと仲良くなり情報を仕入れやすいようにしておくと良いと思います。
なお、やり取りの際はメールよりチャット(FBメッセンジャー、Slack)が圧倒的に肌感のスピードは上がります。メールだと便宜上、枕詞や前置きの挨拶文などをお互い配慮する雰囲気もあるため、カジュアルなやり取りにアレルギーがない方はチャットを激推しします。
エージェントにオファーした確認事項(Taker禁止)
この辺りもある程度、型として持っておくとエージェントさんとの企業確認の際に円滑に情報が入手できた印象です。ただ、相手側も当然のことながら人間ですから、不躾な聞き方や詰問ではなく、こちらである程度調べた上で聞くなど誠意も大切です。
筆置き
日々、メディアやCM、ネットコンテンツで転職のメリットは目にしますが、自分が心の底から納得できる活動をするのは決して楽ではありません。
有職中に動くことが大半のため、一大プロジェクトマネジメントです笑
できれば、実際に動く1年くらい前から準備をしておいても良いと思います!
ただ、一つ言えることですが、転職活動は自分を棚卸ししながら市場価値を
測定するには近道の活動と言えます。
ぜひ、これから自分の可能性と向き合いたい方は転職するにしても結果しないにしても、一度動いてみるのも良いのではないでしょうか。
僭越ながら、そんな方々の一助となる情報が届けられていればなおハッピーです!新天地に移り落ち着きましたらこうした活動や考えかたとリアルの答え合わせを行いたいと思います。
そして、より精進していきたいと思います。ご縁がある方はこれからもどうぞよろしくお願いいたします!!
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