大山。天の導きのような道案内をして下さった旅人女性 余談(2019年50歳)
こちらは、天の導きのような道案内をして下さった旅人女性 vol.1/vol.2の余談です。
※ vol.1はこちら👇
※ vol.2はこちら👇
余談その1 --------------------
女性との共通点を知ったものの、「深掘りする質問が出来なかった」こと。それは今でも少し心残りではある。
けれど、あの時女性は、私がなにも言わずとも、必要な情報全てを与えて下さったことを思うと、多分聞く必要は無かったということなのかもしれない。……なんだかそう思う。
余談その2 --------------------
河原をいたく気に入った私は、2日後に神社を再訪した際も立ち寄った。
ただ、この日は生憎の曇り空。しかもかなりの強風である。
だが、そんな天気だったからこその感動と出逢えたのだった。
まず1つ目:山頂の荒削りっぷりを、細部までじっくり拝めることが出来た。
前々日の好天では日光がまぶしすぎて、肉眼で見るにはちょっと厳しかった山肌が、逆によく見えたのだ。
「光があるからこそ見えないものがある」
光=幸福。人生と同じ。
2つ目:ちっちゃな虹に遭遇。
河原にある断崖(金門)から、恐る恐る水の流れる先を覗き込んだ時、滝口にて、ほんの数回、ほんの一瞬、小さな虹を見ることが出来た。
それは強風のおかげ。
流れ落ちる水しぶきを煽り、フワッと霧状に舞い上げたところに、タイミングよく雲間から漏れた日光が照らして出来たのだった。
なんか、すごく嬉しかった。
3つ目:またまた道案内をされる。
そんな曇天の河原も堪能した私。ホクホクと参道へ戻り、バス停に向け下り始めた。すると、先程の河原に下りられそうな別の脇道を発見。
「もしかして、この道って河原のあの場所に出るのかなー?」と首を伸ばし、道の奥を覗き込んでいると、またもや背後から女性に声をかけられた。
振り向くと、今度はご婦人お二方。地元の方で、この脇道がどこに繋がっているのかを丁寧に教えて下さったのだった。
……いや~皆さん、何ともお優しい。やはりこの霊山の“気” のおかげなのか、もしくは誰がどう見ても私が迷子っぽく見えるのか……。
少々疑問は残ったものの、皆さんの温かなお心遣いで、この旅が心晴れやかなるものになったのであった。
余談その3 --------------------
本編では、表現上「大山を知ってからすぐに旅立った」ように書かれているが、実際は1年程かかっている。
最大の理由は、電車だと非常に時間がかかることが分かり、躊躇したため(※飛行機が苦手なので、離島以外は基本陸路移動)。
また、大山への行き方も複雑に感じており(※これは単に良く調べていなかった)、更には仕事のスケジュールや風水の吉方位の都合なんかもあったので、憧れはあったものの、いつしか私の中では夢物語と化していったのだ。
しかし、そんなある日。計画は一挙に現実味を帯びることになる。
その流れもなかなかな偶然だったので、少々長くなるが敢えて文章に残そうと思う。
さて。未だ「大山に行ってみたい!カリスマ性欲しい!!……でも、遠いしな~」とグジグジしていた、この旅の4カ月前。
「やはりこれは大山さんに呼ばれとる!」と確信した出来事があった。
事の発端は、週1回開催されている「リラックスヨガ」教室が、珍しくお休みになったこと。
このレッスンは、初心者向けで筋トレ要素が少ないため、心拍数が上がりやすく筋肉疲労を起こしやすい私にはぴったりで、何年も通っていた。
しかし、お休みと聞いてふと思い立った。
「たまには別な先生に習ってみよう!」と。
そして検索の結果、市内のカルチャースペースで行われている「ゆったりヨガ」にドロップインで参加したのだった。
……が、そのレッスンと来たら、私には “ゆったり”なんてもんじゃなく、ハードなうえに苦手な筋トレ要素が満載!(のちに、筋トレ大好き先生であったことが判明😅💦)
レッスン終了を迎えた頃には、魂の抜け殻のようにグッタリ朦朧状態となり、カバーをかけたミネラルウォーターをうっかり置き忘れて帰路についたのだった。
それを思い出したのは、駅に向かっている途中。よりによって、もうひとりの女性参加者さんとの会話が、最高潮に盛り上がっている時であった。
私は、うっかり思い出してしまった自分と、うっかり置き忘れた自分を同時に呪った。そして葛藤した。
『貴重品じゃないし、次行く時でまぁいいか。今この時を楽しみたいし!』
『いやいや、筋トレ辛いから行かないかもしれないし、保管するほうも迷惑だよ。置いてけぼりのカバーもかわいそうだよ!』
結果、私は後ろ髪を引かれながらも女性に別れを告げ、急いでUターン。
その心中たるや、怒りを通り越して悲しくてたまらず、「あーもぉー!何で忘れるかなー!」と己を叱責しまくったのだった。
そんな行きどころのない怒りを抱えながらカルチャースペースに戻ると、ちょうど帰り支度を終えた先生が、出入口で靴を履いておられた。
先生は、私の顔を見るなり、「あ!お水忘れましたよね!」と笑って備品棚まで戻り、手渡して下さった(大変恐縮)。
……こうして帰るタイミングがちょうど一緒になった私たちは、共に駅まで歩くことになったのだった。
で、その際、なんでだったか全く覚えていなのだが、私が「鳥取の倉吉と大山に行きたいと思っている」ことを話す流れとなった。
すると、先生は興奮しておっしゃったのだ。
「 えっ!私、鳥取の、しかも倉吉出身なんです!故郷の小さな町の名前が、まさか都会で出るなんてビックリですし、嬉しいー!!……そして私、山登りが大好きなので大山は何度も登っています!凄く素晴らしい山です。美味しいお店なども知ってますから、メールで聞いてください。何でも!」
これには私もおったまげた。
「ええ~~っ!!……な、なんかすごい偶然ですよね……私、鳥肌立ってます」
「私もです!ほら…」
腕を見せ合って大笑いするふたり。
その時、私は確信し決意したのだ。『遠かろうが何だろうが、呼ばれてるんだから絶対に行くぞ!』と。そして、翌日から急ピッチで旅の計画を練り始めたのだった。
いやぁ、それにしてもペットボトルを置き忘れていなければ、このような偶然は起きなかったのである。
つまり、「うっかりも宝。起こったこと全てに間違いもムダもないし、必然」ってこと。
そんな気づきをくれた「うっかりな自分」よ、ありがとう。
そして、責めまくっちゃってゴメンネ(テヘ😋)。