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僕の上京物語③ 〜 出逢いと3.11 〜


「こいつとなら成功出来る」

より

「こいつとなら失敗してもいいや」

そう思えることが幸せなんだ。

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東京に着いた僕たちは
まず4人で家を見つけようと
足立区 西新井 で電車を降りた。

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...懐かしい。

そこから2手に分かれて物件探し。
いつも通りそう西原、りょうじと僕。

手元にあるお金は4人12万円

僕とりょうじは
不動産屋で4人で住める部屋を見つけて
それの報告をしに2人と合流した。

家のことや諸々を説明すると西原が一言。

「んー、なんかおもしろくなくない?」

...はい?
...でたよいつもの。

どうしたのかと聞くと、

「各々1人でどこまで出来るかやってみぃひん?」

またこいつは.....
どこからそういう発想が出てくるのか。。。

...でも確かにおもしろそうだ。

当時まだまだ若い僕は
めちゃくちゃおもしろそうやん...!!
と不覚にも思ってしまった。

「1人3万ずつ持って解散しよう」

それにみんな賛同。
解散することになった。

とはいえその頃にはその日はもう夕方。
とりあえずたまたま東京にいた僕らの先輩

イサムくん

が使ってない部屋があるからと
1週間泊まらせてくれることに。

そしてそこから1週間後に
みんな解散することになる。

そうは住み込みでキャバクラのボーイ
りょうじは住み込みでスカウト
西原もボーイ兼バーテンダー。

とみんなやっぱり住み込みのある夜の世界へ。

ただ僕はその頃
料理人になると決めていたから
夜の世界へ行くのは絶対に嫌だった。

1人フラフラしながら
「ここで働かせてください。」
と飛び込んでいた。

ただやっぱり
ボストンバックキャリーケース。
更には大きめのリュックを背負った若者が
飛び込みでくると
住所がないのは一目瞭然。

「ごめんね。住所がないと働けないんだ」

と断られスーパー無知な僕は
そこで初めてその事を知った。

そしたらとりあえず部屋を借りるしかない。

でもお金がない僕は
どうしたらいいのか全くわからなかった。

その時

敷金。礼金。0円。

という看板を発見。

...これなら借りられるかも...!!

そう思った僕は
恐る恐るその不動産屋に入った。

一瞬時間が止まったような
すごい驚いたような顔で見られた。

...え?...なんだろう?

と思ってると

「あ、こちらへどうぞ!」

とお兄さんが席に案内してくれた。

この人が【渥美さん】
この先ずっとお世話になる
東京のお兄ちゃんとの出会いだった。

↓↓↓↓↓↓
自己紹介 参照


「お部屋お探しですか?」

「あ、はい!」

「どういった部屋をお探しですか?」

「それがちょっと全然わからないんですけど」

.
.
.

僕は上京してきて家がなく、
働きたいけど働けないことなど
色々と状況を説明した。

「なるほど。予算はどれくらいですか?」

「あの〜、、、3万円しかなくて、、、」

「え?」

「敷金礼金0円っていうのを見たんですけど」

「、、、、、、、、、。」

お兄さんは笑いながら

「あれは0円で借りられるってことじゃないんですよ。笑」

と説明してくれた。

何も知らなかった僕は落胆。
とりあえず部屋は借りられない。

でも途中で1ヶ月後に
少しだがリゾートバイトのお金が
入ってくるのを思い出して説明した。

そしたらとりあえず内見に連れてってくれた。


そこで仲良くなって色々と話してたら

「キミおもしろいね」

道中にご飯を奢ってもらったり
知り合いの飲み屋さんに
連れてってくれたりした。

...今思えばあの人は仕事中に
なにしてんだろう。笑

※渥美さんはいい人なんだけど
実はめちゃくちゃ破天荒な人です。笑


そしてその時に
お店にアポなしで来たのは
僕が初めてだったんだと聞いた。

...だからあの時一瞬すごい顔されたのか。笑


そして一通り内見が終わると

「お前家ないんだろ?」
「どうすんの?」

「どうしましょうかね〜」

「じゃあ今日からウチん家泊まんな」

「え?......ぇえぇえぇ!?!!!?!!!」


と家に泊まらせてくれることに。

東京ってすげえ。。。
って心の底から思った。

...こんな出会いもある。
何でもそう。無理かもしれない。
でも挑戦することが大事なんだ。

この頃の無知ゆえの勢いは
本当に色んなことを実現してくれた。



そしてここから約1ヶ月。
ホント色々あった。楽しかった。

渥美さんがタダ飯大会だ!って
色んな人のところに連れてってくれたり、
お金がなくて調味料飯を編み出したり。

そして仕事も見つけて、
阿佐ヶ谷の居酒屋と
五反田のイタリアンで
働かせてもらえることになった。

1ヶ月後になけなしのお金で
渥美さんの家の近くに部屋を借りた。

残金は1万円もなく、電車賃がないから
代田橋から徒歩で通ってた。

今思えば恐ろしい。
もう今は絶対に出来ない。笑

この頃はとにかくガムシャラだった。

本当に楽しかったけど、
もう2度と戻りたくない。。。




でもそんな中それは起こった。


3.11 東京上京から1ヶ月

五反田のお店で働いていると
突然大きな揺れが起こった。

お店はビルの上階だったから
ホントにめちゃくちゃ揺れた。

...バキっ!!パリン!!
ガシャン!!パリンパリン!!

お客さんの中にはパニックで
過呼吸になる人もいた。

東日本大震災。

ビルの窓から外を見ると
五反田は人で溢れていた。

そこで初めて

あ、大変なことになってる。

って気づいた。

もちろんその日はそのまま帰宅。
お店はしばらく営業停止。

お金もない。働けない。

ちなみにこの時、
他の3人は既に大阪に帰っていた。
東京に残ったのは僕1人だけ。

僕はなにもないふとんだけの
6畳の1Rに毎日1人っきり。

この先どうなるかもわからない。
...押し寄せる不安。そして寂しさ。

僕の上京物語は
いきなり危機に直面したのだった。


東京編④に続く。


最後まで読んで頂きありがとうございます! みなさんのちょっとした時間に、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。