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エッセイ

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#保護犬

寄付と曖昧な信頼

寄付と曖昧な信頼

愛犬との思い出に影が落ちたような気がした。

サウナに行く必要がないくらい蒸し暑い日に、図書館に本を返しに行った。図書館の冷たい空気に触れた瞬間、気になっていた本が頭の引き出しから見つかった。運良く借りることができて、自分で自分を褒めてあげた。
ホクホクとした気持ちで図書館を後にし、駅前の広場を通った時、少年たちが募金箱を持ちながら大声で叫んでいる姿が目に入った。途端に今日はいい日と思った気持ちは

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保護犬をお迎えした話

保護犬をお迎えした話

「うちに犬がいる……。」

家に帰って玄関のドアを開けると必ず、タタタッと音がする。
元保護犬のヨークシャテリア、女の子で名前はパル。
家に帰るといつも出迎えてくれる。
初めて会った人と目が合った時のような恥ずかしさというか、少しのくすぐったさ。
パルと暮らし始めてから3年が過ぎても、この瞬間だけは不思議な気持ちになる。

「あんなに犬嫌いだったあんたが、まさか自分ちで飼い始めるなんて。」

保護

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