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本の感想

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#読書感想文

【「好き」の因数分解】最果タヒ

薄いけどピンクと緑の文字がけっこう多くて読みごたえありました。

好きなものについて書かれた本です。

確かに何かを好きって言うと、なんとなく好意があるのが伝わるけど、具体性はなくどこまでもふわふわした言葉だ。
なので好きって言うだけでだいたいが伝わるけど、好きって言葉だけでは不安だ。
だから人から人への好きは直接聞きたいものなのかな?
言葉だけじゃなく、その時の態度と空気と言葉の重みがないと信用

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「どうしても生きてる」朝井リョウ

朝井さんの本の題名って、いつも読み終わったときに本を閉じてもう一度表紙を見たときに、じわじわと題名の意味が身体中に広がるのをめちゃくちゃ感じる。

今回も誰もが感じたことのある、汚い悲しいできれば知らないふりをしたい気持ちがたくさん書かれていてそれを怖いもの見たさで読んだ。

余命とか病気とかじゃなく死んじゃいそうな人や死にそうな人の人生がたぶん続いていくのを感じる短編集でした。
終わるのも悲しい

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「ヒップホップ・ドリーム」漢a.k.a.GAMI

漢さんを初めて見たのはフリースタイルダンジョン。

初代モンスターの一人だった。
大将のような体格だけどなぜか先鋒のイメージ。
絶対、次鋒と中堅ではない。

見た目はTHEラッパー。
ラップの声は地声よりちょっと高くて淡々と畳み掛ける。
ただいっぱいケンカしてきましたヤンキーでしただけではない、このかっこよさは何?と知りたくて本を読んだ。

自分の家族や生まれ育った町のこと、友達のこと、音楽のこと

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「きみの言い訳は最高の芸術」最果タヒ

最果さんの文章が好きです。

本を買う基準てなんなんですかね?
わたしはこの人の文章が好きだ、なんか信用できる
と思ってしまうと立て続けに買ってしまう。

やった!文庫版が出てる!最初の数ページ立ち読みして今度買おうと思ってて忘れてたやつだ!と思って買った。
でも読み進めて感じる既読感。

中盤のロザンの道案内しよの話で確信しました。
これ全部読んだやつ。

でも文庫版だけのおまけが多めだったし全

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「かけがえのないマグマ 大森靖子激白」大森靖子+最果タヒ

この本は大森さんの人生を最果さんが小説にしてくれたもの。

最果さんの言葉とか文章が好きなので、すらすらと言葉が入ってきて一気に読んだ。

本を読んでいると大森さんを知り始めた頃を思い出した。

ちょっと気になって検索したら、たまに炎上していて過激な歌を歌うみたいな情報だった。

私も好きなピンクをたくさん纏っていて、なんかドロドロギラギラしていてこういうかわいいもあるのかと知った。

当たり前な

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「死にがいを求めて生きているの」朝井リョウ

生きがいだと思ってることが、死にがいになってる人がいるんでしょうね。

今「死にがい」と打とうとしたら「死苦い」と表示された。
なんだか生きがいがあるキラキラした人が本当は死んじゃうぐらい苦しい状況なんじゃないって暗に表してるように感じた。

雄介みたいに何者かにならなきゃやってられない人。
わたしも雄介みたいなところがあるから読んでてなんか自分が痛々しく感じた。

生きがいなんてなくていいじゃん

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「桃色の半生!~仲井優希がぱいぱいでか美になるまで~」ぱいぱいでか美

なんて呼ぼう。
なんか響きがかわいいから、ぱいぱいさんと呼びます。

ぱいぱいさんを知ったのは有吉反省会。そこでの大吉先生とのコントが好き。
ゲスの極み乙女。の紅白見てたら、あ!ぱいぱいでか美!なんで!と思ったのを覚えてる。
そういえば相撲やってるのもなんか知ってるな~と、追いかけてたわけではないけど、わたしは思ったよりぱいぱいさんを知ってるようです。

あとわたしの大好きな大森靖子さんの愛してる

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「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」花田菜々子

大好きなヴィレバンで目について買ってしまった本。

さくさく読めておもしろかったー。
最初はきっと花田さんて内向的な人だったと思うんだけど、そんな人がすごく自然な流れで少しずつチャレンジして変わっていく様がすごくいいと思った。
変化することは何事も良いも悪いも伴うけど、何かに怖がって変化しない現状維持はあんまり好きじゃないから、読んでいて気持ちよかった。
でもうまくいくことばかりじゃなくて、ちゃん

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