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アートナビゲーター ・金融マンの週末美術館巡り雑感の記

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過去30年ほど国内外での仕事に刺激と癒しを与えてくれたアートを巡る出会いをベースに、最近の美術館巡りの雑感を掲載します(コロナ禍が収まるまでしばらくは国内ですが、、、)。
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#美術館巡り

9・11

9・11

7月の日経新聞連載の杉本博司の「私の履歴書」、21回目は「9・11」。筆者撮影の写真「ワールド・トレード・センター」と共に、杉本さんは「私はあの朝、ニューヨークにいて、スタジオの屋上からタワーが崩壊していくのを見ていた。あんなに空が透き通るように青い日はなかった」と記している。

当時ニューヨークに勤務していた私にとって、あの現場の様相を知ったのはメディアで見た後付けの映像だが、ミッドタウンにある

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「東京モダン生活」展@東京都庭園美術館

8月最後の土曜日、午後少し時間が空いたので、白金の東京都庭園美術館「東京モダン生活」展を訪問。
 
1933年竣工の旧朝香宮邸美術館本館は、まさにアール・デコの館。すっきりとして都会的でモダンなアール・デコの様式美は、この建築が、朝香宮邸から戦後の外務大臣公邸、更には迎賓館と、常に時代のニーズに応えてきたことの理由と無縁ではないだろう。アール・デコは機能美を追求したものではなく、一種のスタイルとし

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開校100年 きたれ、バウハウス -造形教育の基礎-

開校100年 きたれ、バウハウス -造形教育の基礎-

こんな学校があったら通ってみたい。「開校100年 きたれ、バウハウス -造形教育の基礎-」展。コロナ禍と熱暑のお盆の週末、遠出もままならず東京ステーションギャラリーへ。

展覧会の冒頭にこうある。「バウハウスは、ある時代のデザインのスタイルなのか、建築のスタイルなのか。この問いに対する最も率直な答えは、『バウハウスは、学校である」ということである」と。

ここでは、画家としてのカンディンスキーやパ

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珠玉のコレクション SOMPO美術館

珠玉のコレクション SOMPO美術館

夏はひまわり。今年の夏は東京でゴッホの≪ひまわり≫を2点見ることが出来る。

ロンドンナショナルギャラリー展に続いて、7月10日に新装開館したSOMPO 美術館でゴッホの≪ひまわり≫を見てきた。背景を含めた色使いの違いから、こちらの方が少し大人しい、落ち着いたひまわり。

生憎のコロナ禍で遠出が憚られる今年の夏、上野と新宿でゴッホの≪ひまわり≫を楽しむのはどうだろう。

西新宿のSOMPO美術館「

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