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モンテディオ山形が取り組む「Sports ×SDGs」

皆さん、こんにちは。神村です。

前回は、今わたしが APU (立命館アジア太平洋大学)で受けている「組織行動論」という講義を通じて学んだことや気づきを皆さんに共有しながら、組織と個人という観点で話をしました。
今回は、今シーズンの ¼ が経過した中で、新たな価値創造として取り組んでいる SDGs コーナーを中心とする現在のモンテディオの活動を
①現状、②見えてきた課題、③新たな繋がり・広がりという軸でお伝えできればと思います。コロナ禍で新しい活動を始められている方もいると思うので、ぜひ我々の活動も参考にしていただければと思います。(モンテディオの SDGs 活動内容はこちらのnoteで紹介しています)

(本稿は「Off the pitch talk 」第89~91回の放送内容のまとめです。今回はインタビュー:小出さん、文責:神田さんでお届けします)

↓↓音声で聞けるstand.fmはこちらから↓↓

#89 : https://stand.fm/episodes/6098f52dabb2aca33cfc0155
#90 : https://stand.fm/episodes/609ba167aa63e5c0ddd55651
#91 : https://stand.fm/episodes/609e3e73ae693409aeefb1cc

SDGs 活動の現状

3月のシーズン開幕と同時に、我々のSDGs体験コーナーも本格的にスタートしました。おかげ様で、試合を追うごとに体験者の数が増え、6試合目にして初めて「総来場者数比20%」を超えました。我々としても、これだけの方々に来ていただけたのは嬉しい限りです。

私たちはこのプロジェクト始めるにあたって、どれくらいの方々に体験していただきたいかを考えながら取り組んできました。そのために、毎試合のブース体験者数について、目標を決めて、試行錯誤(創意工夫)を続け徐々にストレッチしてきました。同時にその結果(数値)をスタッフや外部にも公開し、かつ少しでも多くの方に関心を持っていただくために、数値にメッセージを加えながら発信してきました。

当初10社枠で設定していた “SDGs パートナー”も有難いことに、多くの企業様の反響をいただき、増枠を検討しています。
山形県内の企業様はもちろんですが、東京・大阪などの大都市圏の企業様にご参画頂いているというのも本当に嬉しい限りです。今後は山形県内の企業様にももっとご理解を深めていただけるように努力していきたいと思います。

新たな挑戦で見えてきた課題

数字的には順調に見える反面、活動から見えてきた課題がいくつかあります。

①まず浮き彫りになったのは、ゼロからイチを生み出す際に求められる”本当の営業力”です。これまで私たちのスポンサー営業は「ユニホームやスタジアム看板への社名掲載」が基本でした。私はこのスタイルの営業を「提灯営業=お祭りの提灯の名入れ」と思っています。(寄付に近いものと言ってもいいかもしれません)必然的に「お願い営業」のスタイルが身についていました。これはこれで非常に重要な役割を果たしていることは間違いありませんが、今回のような「新たな価値を生み出す」営業に変化させようとすると、課題が浮き彫りになります。
まずは、
・どの企業に当たればよいのか?
・どう説明をすれば良いのか?

から再考しなければいけません。
さらには、
・この企業にはどんなニーズがあるだろうかを事前に考える
 実際にヒアリングをしてニーズを把握する 
・ 形のないものを相手にわかりやすく伝える
・クロージング(結論を導く)する
という各ステップのスキルを磨かないといけないといけません。
(当たり前の営業を当たり前にできるようにすること)
新しいことを始めることによって、自分たちの営業課題がはっきりしましたので、今後はその改善・強化に努めたいと思っています。

そもそも何を課題に設定するのか?
売上金額、体験人数、オペレーション方法など、課題になり得るものはたくさんあります。それらの中で何に焦点を定めるかによって、改善施策の方向性が変わってきます。活動が進むにつれ、「これ、何の意味があるの?」とか「本当に儲かるの?」「こうしたほうがいい、ああしたほうがいい」という周囲の声(アドバイス含む)が聞こえるようになります。とてもありがたいことではあるのですが、それらの声は必ずしも自分たちの思い描くイメージと同じではありません。否、むしろイメージとは異なるケースの方が多いかもしれません。その際に、これらをどのように受け止め、どう行動するかが大切なのです。

我々は、
①体験者数を増やすこと
②体験コーナーの質をあげること
を最重要課題として位置付けました。
クラブ広報など周囲の力を巻き込みながら、より多くの人に知ってもらう・興味を持ってもらうことに注力します。
そして「SDGs コーナーを単なる「イベント」にしない」ために、何をすべきかを常に考えていきます。
入場者数を増やすためのイベントの一つ「客寄せ目的」になったり、「なんちゃってSDGs」になることは絶対に避けたいと思っています。常に「 SDGs コーナーを始めた意味・意義・目的」を見直しながら進めていきたいと思います。シーズンがどんどん進み、毎試合の業務に追われ、立ち止まって考えることが難しくなる中で、強制的にでも立ち止まって、目指すべき姿を関あげ続ける体制にしたいと思っています。

新たなつながりと広がり

課題がたくさん見つかる一方で、感動する話もいくつか出てきました。
体験ブースにお越しくださった方々から、「こんなことをやってみたらいいんじゃないですか?」、「次はこういう企画も考えてほしい!」というご意見を頂くようになったのです。
①スタジアム公園の「二酸化炭素吸収量をみんなで知ろう」
モンテディオのスタジアムは広い公園の敷地内に面しています。来場された方から「公園全体の木々が1日に吸収する二酸化炭素を推計する方法はをご存知ですか?」と質問されたのがはじまりです。「子供から大人まで、みんなで敷地内に何本の木があるかを数え、公園内で吸収される二酸化炭素量を計算するワークショップをやりませんか」という提案を頂きました。その方は大学の先生で、普段から学生向けに様々なワークショップを実施されながら「知ること・体験すること」を教育されているとのことでした。クラブの内部からは到底出ない斬新なアイディアを頂けたことに、感謝の思いが溢れました。まさに「体験の質向上」に繋がるアイディアだと思います。他にも、「公園内には何種類の植物や虫がいる?」、「スタジアムで発生するゴミの重さを計ってみよう」等の幅広いテーマで、子供も大人も一緒に楽しめる企画をたくさんいただきました
これは、必ず実現させます。

もう一つ、本当にありがたいお話を頂きました。
かねてよりお付き合いのある NPO法人 東北リレーションシップさんからのご提案です。具体的には「障がい者と健常者の相互理解」を目的とした体験型ワークショップの実施です。ものすごく簡単なアクティビティです。
目の見えない方をリードしながら公園内を一緒に散策する、自らアイマスクをしてスタジアムキッチンで買い物する、一緒にサッカー観戦してみるなどのワークショップです。視覚に障害のある方とそうでない方がどのようにサポートしあえるかを「感じる」体験をスタジアムで実現していきたいと決めて、今月に第一弾を実現したいと思います。(5月16日に実施いたしました。*詳細はこちら
そして今後は、他の障害に関連する団体とも連携しながら、様々な形で世の中に発信する予定です。

まとめ:まだまだ道半ば。活動の輪を広げたい

今回は、モンテディオの SDGs 体験コーナーなどの活動を中心に話してきました。まだ始めて数か月ではありますが、着実に周囲の認知度や共感の輪が広がっていると実感しています。ただ、私たちの目標は遥か先にあります。活動の輪を広げ、もっと SDGs などへの理解を深め、楽しみながら考えるという活動にしていくことを目指します。そのために、より多くの方々のご協力が不可欠ですし、一緒に活動してくれる仲間も随時募集していく予定なので、ご興味のある方は是非応募してもらえたら嬉しいです。

(文責:神田)

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