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【読書感想】あなたの身の周りの“サポート”を振り返って見ませんか?

今日は絵本をテーマにしたいと思います。

グリム童話を題材にした、『くつやさんと10人のこびと』は、1977年に金の星社から出版された絵本です。

おじいさんとおばあさんが営む靴屋さんには、10人の小人が住んでいて、二人はいつも小人たちに食事を用意してあげるなど、お世話をしていました。

ある日、二人が体調を崩して寝ている間に、小人たちは作りかけの靴を見つけて、夜通し残りの仕事を手伝ってあげました。
朝になって、ピカピカに完成した靴を見つけたおじいさんとおばあさんは、とても喜んで、そのお礼に小人たちのために新しい服を作ってプレゼントをしてあげたのでした。

出てくる登場人物たちがみんな楽しそう、優しそうな笑顔で描かれていて、読み進めるうちに、あたたかい気持ちになる作品に感じていました。

時を経てプログラマーになった私は、徹夜仕事になりそうな時には「このまま眠ってしまって、その間に小人が出てきてやっておいてくれないかな……」と思ったりもしたものです。

「道具的サポート」と「情緒的サポート」

この物語を心理学的に見るなら、小人たちは「サポート」という存在だといえます。

サポートには大きく分けると「道具的サポート」と「情緒的サポート」の、2種類に大別されます。

例えば、仕事で「がんばってるね」とか、「ありがとう」と、小さな声がけがあるとほっとするのは「情緒的サポート」と言えます。

また、人員や設備、予算を増やしたり、業務を調整するなどで、実際的な問題解決を図ってもらうことが「道具的サポート」です。

改めて小人たちとおじいさん、おばあさんの様子を「サポート」という観点から振り返ってみましょう。

小人たちは、実際におじいさんとおばあさんの靴を作って、手伝ってあげています。これは「道具的サポート」と言えます。

その後、朝になって靴が完成していることを知ったおじいさんとおばあさんは笑顔になりました。
これには、物理的なサポートを受けて、楽になった嬉しさもありましたが、それに加えて、二人を気遣う小人たちの気持ちを感じたからではないでしょうか。このことから「情緒的サポート」の側面も見られます。

あなたの職場には小人が何人いますか?

プログラマーをしていた頃の私が「小人がいたら」と思っていたのは、このサポートが限りなく少なかったのだなと思います。

そして、サポートは、「少ない」か「減った」時に、なるべく早く気づくことが大切です。

例えば、よく話をしていた同僚が部署異動になってしまい、毎日なんとなくモヤモヤするのなら、それは情緒的サポートが「減った」状態かもしれません。

そして、一人抜けたのになかなか新しい人が来ない。業務だけが増えてとても忙しくなってしまったのなら道具的サポートが「少ない」状態と考えることも出来ます。

サポートが減っている状態を放置していると、
忙しくて遅くに帰った結果、家族とゆっくり話をする時間が減ったり、休日も疲れて寝ているので友人と会う機会も減ってしまう……など、二重三重にサポートが減ってしまうことも考えられます。

早めに気づければ、業務の調整をしたり、気持ちや身体のリフレッシュをするなど、何かしらの対策を意識的に取ろうとすることが出来ます。

例えるなら、今の職場に小人は何人いるかな?
と、イメージしてみるのも良いかもしれません。

見守られてる、暖かい感じがあるのか。

それとも、孤独感があって、もしかして小人が0人なんじゃないか?
という気がしてくるのか……。

一人で振り返ると、難しいことも、誰かと話すと見えることがあります。

職場や生活面でのサポートを振り返ってみたい時、カウンセリングがお手伝いできればと思います。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
メザニンカウンセラーSATOMI
編集:メザニン広報室

【補足】
サポートは、大別すると2種類ですが、もう少し分けると、
下記の4種類になります。

道具的サポート:実際に仕事を手伝う。金銭や物質など。
情報的サポート:有用な情報を提供するなど。
情緒的サポート:励ましや気遣いなどの、気持ちへの寄り添いなど。
評価的サポート:努力を正当に評価してもらうなど。

<参考文献>



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