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断食?絶食?④味覚編

味覚

今回は「断食?絶食?①、②、③完」で触れた、味覚についてお話します。
味覚には酸味・塩味・苦味・甘味があります。 この舌の味覚によって味がわかるわけです。 今では辛み・うま味などの味覚も認知されていますよね。 もともと味覚の領域は交わっているところがあり、明確に舌の先端は甘味、真ん中は塩味など領域がハッキリと決まってはいません。 この領域の広さは人によって違い、味覚のどれかを感じやすかったり、感じずらい人もいます。

さて、味覚は消化器官にとってとても重要な役割があります。
酸味・塩味・苦味・甘味、多くの人が味を味わうという意味で捉えていると思います。 本来、味覚は「からだ」を危険から守り、消化器(胃)に準備をさせるためにあると考えられています。 この食べ物は危険だからたくさん食べないように、そして入ってくるから準備をしようということです。 その意味では感覚器の「視覚、聴覚、嗅覚」も同じですね。

①酸味は「すっぱい」ですね。 字の通りの酸性の物質です。 人間の体の中は7.35pH~7.45pHの弱アルカリ性(皮膚は弱酸性)に保たれているので、酸性の物質が体の中に入っも緩衝作用(中和)が起こります。 この緩衝作用は肺や腎臓などあらゆる臓器で行われています。 舌の味覚は酸味を感じると唾液に含まれている緩衝液で中性(弱アルカリ性)にするのと同時に、胃の粘膜上に粘液を出し胃の粘膜を保護しようとします(胃が消化のために第二次、第三次消化液を出す準備でもある)。 酸っぱい食べ物を考えただけでも唾液が出ますね。 「からだ」は酸っぱい食べ物にとても敏感なのです。 「ミカンの汁(酸味)やみそ汁(塩味)をゆっくり味わって食べる」といった意味はこういうことなのです。

②塩味は「しょっぱい」ですね。 大量に口にすると耐えられません。 海水も飲むことはできませんよね(この塩分濃度を排泄できない)。 塩分を多くとりすぎると血中のナトリウム濃度が上昇し血圧が上昇します。 また、汗をかくと水分が体の外へ出ます、そうなるとナトリウム濃度が上昇して危険のので水の補給が必要なのです。 お菓子にも多く含まれているので注意が必要ですね。

③苦味はどうでしょう。 灰汁(アク)やえぐ味ですね。 野菜(特に山菜)に含まれていますね。 これを大量にとってしまうと「からだ」を守るため嘔吐や下痢を引き起こします。 この成分は体の中でカルシウムと結合して結石になることもあります。 野菜自身は灰汁やえぐ味で虫などの外敵から野菜自身を守っているわけですよね。 人間のために存在しているわけではありません。 今の野菜は改良されていて人間用になり灰汁やえぐ味は少なくなってきています。 多いのは自然の山菜で注意が必要ですね。 野菜は糖質も含まれていますから(炭水化物)、唾液によって分解はされます。 ただ、数%の食物繊維は分解されず大腸まで行くわけです。 この時、大腸に住んでいる菌が処理しきれないと下痢や便秘の原因になってしまいます。 魚や肉にも灰汁はありますが、こちらの成分は野菜と違い脂質やたんぱく質です。

④甘味は問題が多いですね。 純粋に甘い(砂糖・はちみつ・チョコレート・飴)と感じるものは少なく、体に入ってから糖に変わるものが多く、抵抗感なく食べられている食べものです。 挙げてみるとラーメン・うどん・そば・ごはん・パン・果物・パスタなどなど沢山あります。 この中には塩味が多く含まれているものも多いですね。 高血圧性疾患、糖尿病など現在の代表的な疾患や病気に関わっています。 舌で甘みを感じられると唾液と一緒にアミラーゼという酵素が出て食べ物にまとわりつき、胃で食べ物が貯蔵されている間に分解されます。 今の食べ物は「からだ」の仕組みを上手にすり抜けているのかもしれません。

このように「からだ」から診てみると味覚は危険を感じ体に準備させる役割を担っているのです。

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