松谷康德(まつややすのり/YASUNORI MATSUYA)

ある時は作詞家、またある時は自主映画監督、しかしてその実体は……!

松谷康德(まつややすのり/YASUNORI MATSUYA)

ある時は作詞家、またある時は自主映画監督、しかしてその実体は……!

最近の記事

17年住めば東京の地元

上京して17年住んだ立川から引っ越しをすることにした。 更新のタイミングだったのと、歩いていける距離に友だちが住んでいる場所の方がいいよなという判断からだ。 更新をしない旨も伝え、新居も昨日決めてきた。 そうすると急に「立川から離れる」という現実感が襲ってきていま、困惑している。 立川は友だちが住んでいた場所で 友だちができた場所で 友だちが引っ越してきた場所で ゲームを作った場所で 恋人と一緒にすんだ場所で 作詞家になった場所で 友だちが住んでた場所で 結婚して暮らした

    • ただ、傍に居させてくれた

      ばぁちゃんに癌が見つかった。 1ヶ月前に報告を受けたとき僕は、あまり深刻に受け止めていなかった。 ばぁちゃんは過去に4回骨折し、そのたび復活しては「毎日お経をあげているから」と笑顔で語る人だった。 だから、今回もまぁ、何とかなるだろうと思いたかったのだろう。 けど現実はステージ4で、87歳のばぁちゃんはもう、手術ができる段階ではなかった。 コロナ禍では一度入院すると、面会も難しく介護もできなくなることから、実家にベッドを搬入しての自宅療養にしたのだと父から聞いた。 そ

      • 踊れない。僕にはおうち時間が無いのだから。

        アフターコロナの状況でも変わらず密々な環境で仕事を続けたことで、自分の心が無意識に蝕まれていった工程をつらつら書いていたが、途中で書いても自分が楽になるワケでもないよな~~と思ったので、短く、コンパクトに、書きなぐっておく。 単純に言えば「自分にはおうち時間があるわけでもないのに、おうち時間の楽しさを提供しようとしたら、自覚のできないギャップでどんどん孤独に陥っていきました」という話。 戦々恐々とした状況で仕事を続ける立場にいたらそりゃ、うちで踊ろうと言われてもピンとこな

        • ひび割れたグラスを満たす唯一の方法

          先週の休みのことだ。 外出自粛に全くならない仕事に従事している身ということもあり、密々の密な日々を送ることでメンタルも追い込まれていたのか、床に倒れたら動けなくなってしまった。 その日は現在自分が作っている作品の作業を進めるべく早起きをし、洗濯物もして、ゴミも捨て、朝食もとり、ーそこまでは完璧だった。その後、あからさまな体調不良を実感し、改善しようとシャワーを浴びるも改善せず。 そこから生まれた「どうして休みの日に限って」の気持ちがきっかけとなり、ネガティブな思考に引きずら

          必要最低限の温かさ

           仕事が納まることなく新年を迎え、やっと迎えた休日も、身体の声に従いそのほとんどを寝て過ごしてしまった。それで疲れがとれるなだまだましも、過剰な睡眠により心身共に調子を崩してしまい、新年早々なにをやっとるんだと自分の馬鹿さ加減に呆れうなだれた。わかりやすい負の連鎖。  なんとか流れを変えようと、お香を焚いてホットココアを淹れる。立ち上がる煙は気分をやわらげ、内臓が温まることで安心を得る。少しだけ前向きになり、シャワーを浴びることもできた。湯にうたれながら身体が慰められていく

          ひとつだけ、2019年

          2019年はあまり個人としての作品を残すことができなかったが、これまでできなかったいくつかのことができるようになる一年だった。多くを語るより、これから撮るもので見てもらえたらなと思うが、ひとつだけ自分でも偉いと思える変化についてだけは書き残しておきたい。 父親のことが好きだと父親に伝えることができた 過程は端折るが、36年間生きてきて初めて出来るようになった。 長年嫌ったり憎んだりしてきた感情の根底には、「好きでいさせて欲しい」の欲求があった。それが今までどういう過程で理

          偏見を捨てるべからず(2019/07/31+12/07)

          松谷は落ち込んでいた。 プロットを書けば書くほど、面白いと十分に自信が持てるものにできていない事実に直面し、その原因が自分の人間性と無関係でないことが分かってしまうからだ。 今書いている話の骨子については自分でもブレイクスルーができたという手ごたえがあり、それなりに面白くできたのではないかと思っている。 だがそれを演じるキャラクターの魅力が、圧倒的に足りないと感じている。 自分が書いたキャラ設定も、その台詞も、ファジーな部分が多すぎて全体的にぼやけているのだ。 それが何

          偏見を捨てるべからず(2019/07/31+12/07)

          「3人いるけど2人の世界」を破壊する。

          僕はわかりやすく「同性に好かれてるな」と感じることが多い。 先日、元同僚が彼女を連れて職場へ挨拶にやってきた。 彼が僕のことを「凄くお世話になった」等と語るほど、連れの彼女の表情が硬くなった。微妙な感じの空気になるのだが、彼はそのことをあまり気にしていない。 似た経験を何度かするとわかってくるが、これは「2人の世界」が目の前で展開されていている為、入る余地がないと感じさせてしまうからだと考える。当たっているかはわからない。けれど空気感から、歩み寄ってくることはないだろうとい

          「3人いるけど2人の世界」を破壊する。

          金の使い方を知っているなんて奇跡だぜ

          あけましておめでとうございます! 初詣行きました? お雑煮食べました? 福袋買いました? 僕は仕事でした! 今の自分がしている、生きる為の仕事を続けてもう8年になる。 脊髄反射で出来てしまう仕事だからこそ、そこに感動も苦労も正直ないが、確実に保証された給与だけはそこに存在する。 金の価値は過程がどうであれ不動だが、手にした人間側としては過程によって重くも軽くもなる。今日何となく思ったことに「人から貰ったものは大切にできないが、自分で対価を払ったものは大切にできる」という

          金の使い方を知っているなんて奇跡だぜ

          「都合のいい理想の正体」

          去年、母方の祖父が亡くなった。 その後、父方の祖父より思い入れが薄かった事実に気付かされた。 自分が生まれた時にはもう既に亡くなっており、一度も会ったこともないのにだ。それは何故かを知りたく思考のメスを入れてみた。  松谷の旧家には大きな仏間があり、そこにいつもでかでかと祖父の馬鹿デカイ肖像画が鎮座されていた。毎日仏間でお経を読む婆さんは、幼いころから自分に対して「お爺さんは子供が大好きだったから、やっちゃんの事も凄く可愛がってくれたと思うよ」と何度も語ってくれた。当時の自