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作詩-言葉たち-vol2

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2016年2月の記事一覧

その背を押さないでください

その背を押さないでください

その背中を押さないでください

これからが見えなくて不安と
誰もが言うけれど
未来を知れなくて怖いのは
いつも誰も同じでしょう

違う そんなことじゃない
心にかかる蜘蛛の巣は
幸せがどこにも見えないせい

ひとり ひとりが 照らされて
満たされぬ繋がりが巡っても
心が分け合えていないから

だからその背を押さないでください
ただ、あなたにいてほしいだけ

幸せのかたち 違っていることに
怖がらな

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孤独の海

あなたが幸せでいるために私に何ができるの
焦がれて願う熱情は背中を足を揺さぶる

忽然と広すぎる海原にひとり立ち尽くし
翼のカタチをした骨が軋む 空-カラ-の声

幼い寂しさ 散らばる雫
波音も裂いて響け

嗚呼 ひとりにしないでください

どんな離れたくても結局あなたと繋がっているの
あなたの幸せは笑顔は私も幸せだから

泣き出したくなるほどに果てしのないこの世界の下
守りたいと願う あなた以外

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命の先端

命の先端

はじまりは、おわり?
おわりは、はじまり?

永久に永久につながってゆく
とこしえの旅

満ちては欠けゆく
貴女のはじまりは、どこ?

連なる珠を
ひとつひとつ
手ずから繋げてゆけば
おわりはいずれ来るのでしょうか

あのひとから託された珠
一緒に繋ぎつづけてきたけれど
次に託せる人は現れるかしら

一方で
あたしがそっと紡いできた
あたしのカケラ
こんなに長くはないけれど
やっとカタチになってき

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口遊む唄

口遊む唄

とろとろと とろとろと
足音引きずり歩いてく
靴底すり減り 空は変わらぬ

どこへゆこう どこをゆこう
しるべも無いまま流れてく
棹差す水面は底もなく

とぷんと呑みこむ おまえはだあれ

気づきゃ私が水の中
息はできるが 流れゆく
声は溶けてく 泡の随に

はらはらと さらさらと
流れ流れる雫さえ
水に紛れて消えてしまうよ

此処へゆこう 此処へゆこう
しるべはなくとも此処へゆこう
腕の棹差しゃ

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