Valerie Casado
フランス女性陶芸作家 Valerie Casado(ヴァレリー・カサド)の陶器を知ったのは、今から6年前くらいだろうか。
土の上にアンティークのレースがかかっているような美しい器に惹かれた。
南フランスのアトリエで、一切機械を使わずに手作業で作られているそうだ。
実際、作家自身が蚤の市などで見つけたアンティークレースやボタンなどの模様を、型押ししているのだそうだ。
お皿の縁は、花びらのように薄い。
模様は、裏側にまで入っている。
白からグレーにうつっていくのか、グレーから白にうつっていくのか・・・。
この色合いに惹かれてしまう。
繊細で、土からできているように見えない。
歪んだ感じも、美しい。
くすんだ銀器のようでもある。
頬擦りしたくなるような、やわらかさと温かさを感じる。
夜に、
「お疲れさま。」
と話しかけながら、
このお皿に、日常使いのピアスやリングを置いたら、やさしい気持ちになれるに
違いない。
人に愛される作品には、作家がひとつひとつ気持ちを込めているのだろう。
前向きな言葉で、たくさん話しかけながら土を捏ねているような気がする。
書くこと、描くことを続けていきたいと思います。