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「カナリアはもう鳴かない」―詩―

ペットショップで
漫然と 檻の中の小鳥たちを
見ていた

すぐ側で 赤カナリアが さえずる
高く 細く 澄み切って 遠くまで響く声は
あなたとの時間を フラッシュバックさせる

カナリアが大好きな その人は
籠を 窓辺につるし 目をつぶり
鳴き声を 心を 響かせて
時の流れを 過ごした

カナリアは レモン色の体を
背伸びをするように さえずり
あなたに 愛の音符を 唄う

僕が 何千回も「好きだ」といっても
あなたの心に カナリアと同じ
愛が 泉のように湧き出す
音楽を 語れなかった
そして 僕のカナリアは
飛び去って 戻ってこなかった

店を出て 家に戻る
SNSで カナリアの声を聞く
あの時と 同じさえずり・・・
でも 僕の心の奥底に住む カナリアは 
もう 決して 鳴いてくれない
悲しみが インクの染みのように
広がっていくだけだ

🐱🐱🐱🐱
最後まで 読んでいただきありがとうございます。
これからも お心をなごますような詩を投稿して
まいりますので、スキ、コメント、フォローなどを
いただければ 子犬のようになつきます

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