「トント昔があったとさ」-詩―
バアバは 春の風に
手を取られて 天に昇っていった
まるで 微笑んでいるような
穏やかな 顔だった
僕は 何度も
「バアバ バアバ! 起きて」と
呼びかけてみた
返事は カーテンがかすかに
揺れて 届いた
花の種を 撒くのが
好きで 庭のかたすみに
ひっそりと 咲く花たちを
ポツリと 眺めては
たたずんでいた
古い花瓶に 陰のある 地味な花々を
生けて 部屋を彩る
まるで 幸せを 飾っているよう
バアバは よく 昔話をしてくれた
「トント昔が あったとさ」から
始まる 同じ話を いつもしてくれた
僕の 心の玉手箱には
いつのまにか バアバが
登場人物の話が 沢山 入ってる
「坊や こっち 来んさい
おはなし したるけん」
古謡のような 語り口
その 響きは
新しい絵本を 開いても
奏でられて
また 切なさが 溢れてくる
🐱🐱🐱🐱
最後まで 読んでいただきありがとうございます。
これからも お心をなごますような詩を投稿して
まいりますので、スキ、コメント、フォローなどを
いただければ 子犬のようになつきます
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