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「アーベントロートの立山連峰」―詩―

富山の田舎の 初夏は
緑色が 痛いほどまぶしい
畑中のあぜ道を 行けば
絶えない セセラギの音が
心の 湖へと注ぐ

蝶たちは チューリップの
上で 互いに 舞いながら
刹那の 恋の季節に酔う

庭の桃の実は うっすらと 
ピンクの衣装に 着替え
甘い香りで  木陰に
眠る旅人を 愛でる

夕がくれば
立山は アーベントロートに染まり
白冠の峰々は オレンジ色の貴婦人となり
巣に帰る 鳥たちの
帰り道を 照らす

夜は 青い月光が
稲田や 藁ぶき屋根を 包み
カエルたちの 恋唄が
哀調を帯びて
軒先の 風鈴を揺らす

夜が明けると
モルゲンロートの立山が
輝く朝の到来を 教えてくれる

もう 立山から
離れられないなぁ・・・

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#立山連峰 #創作大賞2024 #オールカテゴリ部門  
#ふるさとを語ろう #この街がすき


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