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「世のため 人のため」―詩―

父さんが 酔うと
いつも 言ってた言葉がある
「世のため 人のために やるんだよ」
「坊 大人になっても
これを忘れちゃん いかんよ」

父さんは 生涯 地道に
まじめに 岩を 砕くように
コツン コツンと 働いた
死の間際に 言ったことばも
「世のため 人のためにやってきたのに
どうして こんな病気に なったんだろう・・・」

家は いつも お金に困ってた
母さんは 知り合いから 
お古の 洋服を貰っては
夜なべしごとで チクチクと
つくろっていた

ボクの洋服は 大きすぎて ダブダブ
友達によく からかわれた

自転車も 塗装は剥げはげ
長く乗ると チェーンがすぐに
はずれて ばかり

ある時 母さんに聞いた
「どうして ウチは 古い物ばかりなの..?
新しい洋服は お正月しか着れないのは 何故 ?」

母さんは 困り笑顔で答える
「それはね 物を大切にしてるからよ。
古い物も治せば ちゃんと使えるでしょう」

ボクが 社会人になっても
父さんと 母さんの言葉は
今も ボクの 少しくたびれたスーツの
胸ポケットの 誰にも見えない所に 
チョコンと 住みついてる

🐱🐱🐱🐱
最後まで 読んでいただきありがとうございます。
これからも お心をなごますような詩を投稿して
まいりますので、スキ、コメント、フォローなどを
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