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フランス詩を訳してみる

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#ロマン主義

ひよこのるる訳詩目録

2018年11月以来発表してきたぼくの訳詩約70編の、作者別の目録です。もし気に入った作品を見つけたら、同じ作者や時代の他の作品も読んでみていただけたらとてもうれしいです。

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作曲家・ミュージシャン別の索引も用意しております。

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以下、作者の生年順に並べています。

Marcus Valerius Martialis/マルクス・ウァレリウス・マルティアリス(ローマ)
c.40-c.

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デボルド゠ヴァルモール「サアディーの薔薇」(フランス詩を訳してみる 23)

Marceline Desbordes-Valmore (1786-1859), Les roses de Saadi (c.1848)

わたしは今朝あなたに薔薇の花を贈りたかった
けれども摘んだ薔薇を帯にたくさん挿しすぎて
きつく締めた結び目は持ちこたえられなくなった。

結び目ははじけた。薔薇の花は空を舞い
ひとつ残らず海に向かって飛んでいった。
そして潮に流されたきり戻ってこなかった。

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ラマルティーヌ「秋」(フランス詩を訳してみる 13)

Alphonse de Lamartine, L'Autmmne (1819)

ごきげんよう! わずかに緑の残る林よ、
まばらに黄色くなっていく芝生よ、
最後の美しい日々よ! 喪に服する自然は
傷ついた心に似つかわしく 僕の目を和ませる。

誰もいない小道を 僕は夢見心地で辿っていく、
暗い林の足元を淡い光で照らす
衰えつつあるあの太陽を
最後にもう一度見たくて。

そう、朽ち果てようとしている

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ラマルティーヌ「湖」(フランス詩を訳してみる 9)

Alphonse de Lamartine, Le Lac (1820)

日本での知名度は低いですが、フランス・ロマン主義を代表する詩です。全64行と、これまで訳してきた詩よりも大分長いので、読み通しやすいように、いつもより若干意訳の度合いを強くしています。

(村上菊一郎・窪田般彌・入沢康夫の訳を参考にした。)

Ainsi, toujours poussés vers de nouveaux

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